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独立起業して、一番最初に失敗したこと

 私は2014年に独立・起業しました。

私の場合、新卒の頃からずっとやってきた業界でそのまま独立・起業したので、ネットワークや人脈はそれほど苦労していません。

今日は、独立・起業してから、速攻で失敗した体験談をご紹介します。



要点は下記です。


●起業して、それがうまくいきそうだと、いろんな人が寄ってくる

 →その中で要注意な人がいて、そういう人ほど気付きにくい


●資金や取引先のトラブルよりも、そういう人との間に発生するストレスが最もきつい

 →会社をたたもうかなと思うほどきつい


●信頼とか信用とか、人間の大切なものを失くしかけるので、とにかく確信がもてるまで、そういう人を雇わない、取引しないのが一番

 →時間が立てば、馬脚を現す



39歳になる年に独立しました。

独立に至る経緯はまた改めて書きます。


17年近く仕事をしていたので、当然ネットワークや人脈はきちんとあり、

少なくとも3年は赤字とかにはならない勝算がありました。


独立と同時に社員は3名。

その8ヶ月後には8名になっていました。


初年度から大幅な黒字を出していました。

もちろん、それは自分たちの力だけではなく、

創業を応援していただいたクライアントやパートナーの皆様の力添えがあってこそです。

悩むことがあれば、人に相談したり、力を借りたりしました。


そういう中で、めちゃ近づいてくる人がいました。

私の場合は、1年の間に2人がめちゃ近づいてきました。

今日はそのうちの1人について書きます。


その人は、めちゃいいおっちゃんで、起業する際にも、

いろいろな会社とつながりがあり、創業当初は営業などがきついだろうから

全部紹介するよ、というスタンスで来られました。


最初、渡りに船と飛びつきました。

助けてくれるなら、藁にでもなんでもすがるというのが、

起業したての社長の正しい姿だと勘違いしていました。


そのおっちゃんに何社か紹介などしてもらいました。

飲みなど誘うと、とても人の良さそうな顔で、

「みんなが成功しないとね」などと、嬉しいことを言ってくれます。

その後、なんやかやあって、そのおっちゃんが入社することになりました。


おっちゃんはほとんど売り上げを上げません。

もちろん、給料は社員の中でNO.1です。

でも、おっちゃんはほとんど売り上げを上げません。

営業情報共有システムには、とても景気の良い話をたくさん書き込みます。

でも、おっちゃんは自分の給料分すらも売り上げを上げません。


おっちゃんに紹介してもらった会社は、

どうも私たちと相性が悪く、売り上げにはつながりませんし、

そもそもそんなに仕事もありません。


さすがに社内から問題視する声が上がる中で、

おっちゃんは就業規則違反を何重にも犯しました。

それが何かとはここで書きませんが、重責事項でした。


私はおっちゃんと話し合いましたが、

おっちゃんから二度と君たちと働くことはないと

言われました。

であれば、退職願を出してくださいねとなりました。


そのおっちゃんは辞めた後も、ハローワーク経由で少し問題を起こしたのですが、それはいつの日か・・・。


この一連の問題はわずか数ヶ月の間に起きました。

夜も眠れないほどに胸が痛みました。

あまりにも眠れないので、問題を整理することにし、

客観的に判断してみました。


●おっちゃんは確かにいろいろな企業とパイプがある

●しかしおっちゃんはそうした企業から売り上げを上げられない

●要は自分でできる業務がないため紹介のみ

●紹介先の企業もおっちゃんをビジネスマンとしては評価しておらず、過去におっちゃんに顧客を紹介してもらったなどの恩義があるのみ

●私の会社は全員がマルチクリエイターでまだ人数が少なく、いわゆる純粋な営業マンがいないし、雇うなら予算ハードルは高くなる

●だから当然雇用としてはミスマッチ


ここまですぐに整理ができました。

たぶんおっちゃんは、本当に応援してくれていたのだろうし、

一緒に成功しようと思ってくれていたのだと信じたい。


でも、おっちゃんの成功はよく言えば、自分と関わるすべての会社や人に成功してほしいという感じだったのだと思います。

悪く言えば、勝ち馬に乗るということだったと思います。

自分の帰属する会社のミッション達成のために全力を尽くすなどは一切ありませんでした。

売り上げに真摯に向き合う姿勢もありませんでした。

昔の知り合いのために、業務時間中に抜け出すことはしても、

自分の売り上げのために足を棒のようにすることもありませんでした。

昔の知り合いのために顧客を紹介しまくっても、

自分の会社のために営業活動をしまくりませんでした。


要はおっちゃんのビジネスの価値はその人脈にしかありませんでした。

そして私たちの会社では、その人脈は活かしようがないものでした。

おっちゃんは人脈を紹介したのだから、それが自分の仕事だと考えていたのでしょう。

全部あとから気付いたことでした。

私は、利益をほとんど出せないおっちゃんに会社一番の給与を支払い、

社員がおっちゃんにストレスを感じているさまも、

いつかうまく行くと軽く見ていました。


よくよく考えていれば、起業する前にいた会社で、

社長がどこからか有名な社長の二世(といっても50代)を

引き抜いてきたことがあり、

その時とまったく同じでした。

その時の社長は「すごい人脈持ってるから、間違いなく売り上げが上がる」と

目を輝かせて言っていました。

私はそんな社長に反対しました。

「ネットワーク持っているだけで数字が上がるなら、すでにその人は成功しているはずで、そうじゃないということは売り上げを上げる力がないということですよ」

結局社長は反対を押し切り、その人を採用しました。

結果は・・・まったく同じでした。

その人はまったく売り上げを上げませんでした。

そのネットワークも企業名はすごくても、売り上げにつながるようなものではありませんでした。


こんな経験をしていたにも関わらず、

私は起業直後にまたやってしまったわけです。

これは、企業した時、優しくしてくれる人たちにすぐ飛びつく、

私の弱さから生まれた問題でした。


起業をして、それがうまくいきそうだと、人が寄ってきます。

いい人もわるい人もいます。


でも、私の経験だと、最初からいきなりいい顔をして、

力になるとか言ってくる人は微妙でした。

でもよく考えると、若者のベンチャーにいきなり100万円だしたりとかする

私もいきなりいい顔をしているのかもしれません。


だから見抜くことは難しいです。

なので、いい顔をして寄ってくる人に対しては、

時間を掛けて真贋を見極めましょう。

最低でも1年は見ましょう。


1年も待てない人は、かなり厳しい要求や要望を相手にしてみましょう。

その要求に対して、良かれ悪かれはっきりと賛否をしめす人は

おそらく信頼していい人だと経験上思います。

それだけ厳しい要求をしても、

「そこはがんばりましょうよ」

などと曖昧でありながら前向きなことを言う人とは距離をおいたほうがいいです。


すべて私の経験の話です。

今回、人物特定のリスクもあるため、オブラートに包んだ内容ですみません。


結論

起業する時や企業後、仲間以外の外部の人が近寄ってきた時は気をつけよう


独立を検討している人の参考になれば幸いです。















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