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私が会社を辞めた理由 Part.3


私が会社を辞めた理由。


いよいよ最後の会社です。


その会社は、私が2回目に退職した会社で働いていた時の取引先。

いわゆるITベンチャーでした。


私は2社目の会社で退職を決意してから、取引先に影響が出ないように、

引き継ぎも含めて諸々連絡をしており、

このITベンチャーの営業担当者にも、

退職を伝えました。


翌日、その営業担当者から連絡があり、


「社長が入社してほしいと言っている」


とのこと。



翌週には社長が来て、面談をしました。


その段階で社長としては、1,500万の年収までなら払う気でいたようですが、

私の条件は4つ。


●チーム4名での入社

●全員年収の現状維持

●自分たちの今までやってきたクリエイティブワークをやる子会社を用意すること

●その会社が開発販売しているシステムについては、我々は売れそうな時だけ売る


社長が快諾したので、そのまま入社となりました。



が、入社時に


「子会社をつくるのはもう少しだけ待ってほしい」


と言われました。


それ以外の条件は守られていたので、特に気にはしなかったです。



そこから期末までの8ヶ月で、我々は予算を達成し、黒字。


新しい期の始まりに執行役員となり、社長との打ち合わせでこう言われました。


「元々いるWeb制作チームを君のチームに組み込みます。

黒字化確定しているチームなので予算はこれです。

子会社化については、準備しているのでもう少し待ってほしい」


???


なんか怪しいなぁと思って、会社の数字やその他をしっかりと調査したところ・・・。


●引き取るWebチームは全部で6名。

●黒字どころか実際赤字。

●会社も赤字。



まぁ、でも仕方ないので引き受けました。


私たちチームがきちんとしていれば、立ち直せると、


特に深く考えませんでした。



そこから1年。



いろいろな経緯があって、私を頼って転職してきた仲間も増え、

引き取ったメンバープラス私の仲間で12名のチームになっていました。


しかし、引き取った6名のチームは大赤字。

チーム全体でどうにか黒字という数字で二年目を終えました。


また社長との打ち合わせで言われます。


「君のチームが赤字なので(これ嘘)、来期からは自社サービスを売りなさい。子会社化は無理です。」


そこでまた会社数字を調べます。


なんと、本業で大きな赤字を出しています。



そりゃそうです。


元々その会社にいた人間は、


●基本的に怠惰

→いわゆるワンマン経営なので、社長にばれなければいいの精神

→社長は週の半分を地方都市の本社、残り半分を東京視支社

→社長がいる時はそれなりに働く、いないときは遅刻、ろくに働かない

→働かなくても社長が気に入れば、トントン拍子に出世、マネジメントが仕事などといってさらに働かない部課長クラス

→下もそれを見ているので、当然働かない、すぐに人手が足りないといって採用したがる

→そんなだから案件は基本的に炎上

→社長が怖いから炎上の原因をなすり付け合う/火消しは常に役員

→人が定着しない、定着するのは狡い怠惰な人間ばかり

→それは当たり前のように赤字


ということで、3年目も私のチームともう1つ、定期サービスをやっているチームのみが黒字。


本業は大赤字で全社赤字。



そりゃそうです。


社長が溺愛する部長が、

ほぼ毎日スケジュールに空アポイントを登録し、

毎日お昼に家を出て、コンビニで漫画を読んでから出社。

出社してすぐにお昼ご飯食べにいくような会社です。

※これ、きちんと調査して判明しました。

しかし、社長の太鼓持ちで処分なし。



3年目の期末にまた社長と打ち合わせです。


「なんで毎年予算達成できないんだよ!」


・・・いや、こっちは黒字ですよ・・・


「お前らの管理ができてないんだよ!」


・・・サボりを注意しても聞かないし、あなたに言っても何も変えないでしょ!?・・・


「お前は会社の本業に専念しろ!」


ということで、4年目から、怠惰な社員で溢れた本業チームの役員を担当することに・・・。



大変でした。本当に。


元々の自分のチームは、放っておいても黒字にしてくれる信頼できるチームだったので、本業の方に専念してみましたが、


大変でした。本当に。


ぐだぐだは書きませんが、結果として予算にはあと少しでした。


なのに赤字が減りません。


なぜか?


怠惰な中間管理職が社長に頼んで人を増やしまくっておりました・・・。


そんな2年を過ごしました。


さすがに2年も現場責任者をやっていると、

怠惰な社員たちにとって私が無視できない存在となり、

私の太鼓持ちに立候補してくる輩も居ました。

当然スルーです。

小狡さだけを身につけて、この人たちは将来どうするのだろうと

考えたら夜も眠れなくなりました。



5年目の期末、また社長との打ち合わせです。


「君は新規事業で来年2.5億の粗利目標ね。

チームはこの社員たちね。君のチームは私の下ね」


とうことで、いわゆる社長の喜び組ではないスタッフを集めたチームで、

なんの根拠もない2.5億円を追いかけることを指示されました。


どうやら、怠惰な管理職(まぁ私の部下ですが)が、

社長に私を刺したようです。



「入社時の約束は果たされていないし、はっきり言ってこの状況では私についてきた人間も辞めていくでしょうし、抜本的な立て直しをしないと会社自体がだめになりますよ」


と、最後のつもりで言ってみました。


「辞めたい奴は辞めればいい。うちは3年後のIPOをめざしてるんだよ」



あー・・・。


会社の年間売り上げ=借入金


みたいな会社が上場なんてできるわけないじゃん、現実を見ようよ。


みたいな話し合いもしましたが、聞く耳持たず。


最後にはお決まりの


「私の会社だ!」


と宣うので、チームで話し合いました。



●怠惰な人間が多く、良い仕事ができないので、顧客に迷惑がかかっている

●会社に未来が見えない

●仕事に真摯でない人たちとは一緒にできない


ということで、チーム全員が退社の決意を固めていました。



しかし、私は役員という立場上、後始末がいろいろあります。


そこから先の1年間で、元々の部下は毎月のように辞めていきました。


そのうちの何人かが、


「せっかく今までチームで仕事をしてきたので、このまま自分たちで会社をやりたい」


と言ってきました。


涙がでそうになりました。



不甲斐ない私についてきたばかりに、このような結果になってしまい・・・。



私は彼らと共に会社をやる決意を固めました。


弁護士にも相談し、法的責任が問われないよう徹底し、計画を立てました。

まぁ、いざとなれば入社時の契約違反という武器もあります。


しかし後始末がある私は、すぐには合流できません。


資本金を出し、創業1年目は彼らに会社を任せ、できるだけ早く後始末を終えるようにしました。



そうして私の役員辞任までのその1年の間、心を殺して予算達成や社員の意識改革などに取り組みました。


会社の数字状況など、社長が社内に嘘の数字などを言っていたこともあり、

ほとんどの社員の頭の中はお花畑状態でした。

改革などできるはずがありません。


会社の危機を悟って、転職活動を始める人間もちらほらいましたが、

この売り手市場で内定をもらえる人間は、そのうち半分程度しかいない状況でした。



そうこうしているうちにCTOが最後の言葉を残して退職。


「最後の一人になるまで社長に着いていこうと思ってたけど、さすがにもう無理」


そりゃそうです。


部下の社員が自分の怠慢で起こした問題を、CTOのせいだと社長に盛大に刺され、それを社長が信じて盛大なパワハラ。


その数ヶ月後、会社のNo.2、COOが辞任を打診・・・。


CMOであった私は、チームメンバーとの話し合いのきっちり1年後に辞任しました。



役員の相次ぐ辞任。

社内でもまじめに働く人はみな退職。


通常であれば会社の危機です。


しかし、社長は辞めた役員や社員のことを残った社員の前で

ボロカスにいい、裏切り者といったレッテルを貼りました。

残った社員もそれに乗じます。

私も社長から相当庇った部下からも、

「口説かれていた」

などとモリモリの嘘を吐かれました。

※社長のパワハラでうつ病っぽいと相談されただけ。

頼れる相手がいなくなったので、速攻で社長派に乗り換えたということか。



しかし、辞めた会社であり、入社時の契約も守らない会社。

そして、社長にさえ気に入られればいいというスタンスで、

上長と仕事を蔑ろにし、人を蹴落とそうとし、

辞めたあとも事実とは異なる誹謗中傷を繰り替えす人々。


私にとって、正直どうでもよいです。


チーム一丸となって戦える新しい会社の方が重要です。


ここで強い鈍感力を身につけました!


未だに彼らは、私の会社のサイトやSNSを見にきます。

居酒屋に言っては文句を言うそうです。

私の会社を辞めた社員と連んだりもするそうです。

哀れです。

そんな暇があったら、会社を立て直せと言いたいです。



今振り返ってみれば、下記の反省点が私の心の中に残りました。


●ワンマン経営であることを早めに見抜くべきだった

●その上で社長との関係性をしっかりと築くべきだった

●それから改革をするべきだった


ワンマン経営の会社では、社長の懐にどう飛び込むかが重要です。

2社目で大きな企業に属した私は、それを忘れてしまっていました。


また、自分とは違う自分至上主義の生き方をする社長を軽蔑していた気持ちも事実あったと思います。

仕事に真摯に向き合わないし、仕事を楽しもうとしない社員のことも見下していたのかもしれません。


私は自分のチームのために、こうした感情に流されるのではなく、

チームの利益のために冷静に対処するべきでした。


これは今だから言えることです。

もし次があれば、同じ失敗をしないように気をつけます。

また、今は経営者である以上、こうした失敗をしないようにしなければなりません。


こうした教訓を得て、私のサラリーマン人生は終焉を迎えました。



おまけ:その会社のその後


退職後1年間

●退職した人間を超える数の中途社員を採用(採用費用も年収も糸目をつけず)

●取引先で経費使いすぎで立場が危うくなった中年社員を営業部長で採用(接待交際費が跳ね上がる)

●相変わらずの定例炎上

●既存サービスの見栄えを変えただけの自称新サービスを続々リリース(売れるはずない)

●大赤字


退職後2年間

●優秀な社員が退職

●相変わらずの定例炎上

●いよいよキャッシュフローが悪くなり、まさかの太鼓持ちを実質退職勧告

●しかし、違う太鼓持ちが現れ何も変わらず

●大赤字(給与支払い遅延)


退職後3年目

●家賃滞納・給与支払い遅延

●風の噂で事業売却交渉中とのこと

●しかしそれもうまくいってない

●帝国データバンクの評点が最低ラインになり、大手代理店等から取引不可扱いの企業認定を受ける(これはうちにも被害があった・・・)

●さすがにやばいと思った怠惰な社員たちがSNSやらメールやら電話やらで旧知の人々にそれとなく転職先を紹介してもらうために連絡をしまくる



という状況だそうです。

だそうですというのは、私はその会社の方々と一切連絡を取っておらず、

事業売却などの話もすべて営業部長が代理店などに話してしまい、

その噂が伝わってくるというとんでもなさ。


まぁ、太鼓持ちの営業部長は、事業売却先に知り合いがいるらしく、

売却が成功すれば自分が責任者になれるとでも踏んでいるのでしょう・・・。


人のやることというのは古の昔から変わらないという教訓です。

そして真面目に普通に生きるべきという教訓です。











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