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【魔女の宅急便】なぜエンディングでキキは”靴を眺めている”のか?考察

魔女宅マニアです。ここでは、個人的な感想より、制作にかかわった方々のインタビューなどを元に、魔女の宅急便を考察していきます。

では今回はエンディングのあるシーンについて考察してみたいと思います。それはこのシーンです。

キキのコスプレをしている少女と会うシーン

考察するのはこのコスプレ少女ではなく、キキが眺めている”あこがれの靴”についてです。

キキのあこがれの靴

なぜエンディングで”キキがあこがれの靴を眺めるシーン”を入れたのでしょうか。”買えた”ではないのでしょうか。考察してみます。

引用「The Art of Kiki's Delivery Service p.145」

「今回の映画では、キキというヒロインはこれからも何度も落ち込むだろうけど、またそこから這い上がってくるだろうという風に終わらせようと思っていました。商売がうまくいくようになったから、あるいはアイドルになったからメデタシメデタシで終わるんじゃなくてね。とくに、職業成功物語にしては絶対にいけないと、思ったんです」

宮崎氏は、すべてうまくいって終わりということはなく、これからも色々なハプニングが起きるんだということをほのめかしています。

ではエンディングのシーンでキキが赤い靴を買えてしまったらどうでしょうか。それはつまり、”キキが順調にお金を稼いで、職業がうまくいった”という意味になってしまう。これは上記の宮崎氏の発言と矛盾してしまいます

あえてこの”靴を眺めるシーン”を入れるというのが、キキの仕事・生活はまだまだ始まったばかりということを表しているのではないかと考えてみました。

以上が今回のメインテーマ”キキが靴を眺めている理由”についてなのですが、宮崎氏はこれ以外にもこの作品が”すべてうまくいった”で終わらせたくないことについて語っています。

それが・・・

キキとトンボとの関係についてです。

※以下の内容は一部の方をがっかりさせてしまうかもしれないですが、”宮崎氏がそう言っている”のでお許しを

宮崎氏はこのように語っています。

引用「The Art of Kiki's Delivery Service p.125」

「僕は、トンボとキキが恋仲になったとは全然思っていないんです。ただ、気の置けない友人になるだろうとは思いますが」

なぜこのように、”この二人は恋仲ではない”という風にしたのか。理由もちゃんとあります。

引用「ジブリロマンアルバム 魔女の宅急便 p.39」

「また、宮崎氏がシナリオ段階で最も悩んだのがトンボとキキの関係。最初に知り合った男の子と恋仲になってしまったら、すべての問題が解決してしまう。それではいけないので、どうやってトンボとの距離を保つか、ボーイフレンドのひとりにとどめておくかという点に苦心したという。(結局、これはウルスラをふたりのあいだに置くことで解決)」

宮崎氏もシナリオを作るうえで、二人の関係性について悩んだようですが、恋仲にすることで、物事がすべてうまくいってしまうということから、”あくまで友人の一人”としたようです。やはりこれも、”作品のなかですべてうまく収束させたくない”という宮崎氏の思いが伝わってきます。

次回は、岡田斗司夫氏が考察した”魔女の宅急便とピアス”について検証してみたいと思います。

#魔女の宅急便 #魔女宅 #ジブリ #スタジオジブリ #宮崎駿 #アニメ #考察


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