【魔女の宅急便】「本人が気づいていないキキのもう一つの魔法」。キキは最高のレディーだ!
キキには「キキ本人すら気づいていない自分の強力な魔法」があります。この記事では、宮崎氏と原画の大谷さんの言葉を引用しながら説明します。また、キキがなぜ「真のレディー」なのかを説明します。
まず、原画を担当した”大谷敦子さん”へのインタビューを引用します。
この太字にしている部分が、今回の重要なポイントです。
次にキキの性格・気質について考えてみます。
キキの性格は自然に人から好かれる
序盤、泊る場所を探していたキキは、おしゃぶりをオソノさんから預かり、婦人に届ける。婦人からサインをもらい、もう一度パン屋に戻る。キキは「自分がやるべきことは終わった・・・」という風に、また泊る場所を探すためにパン屋から去ろうとするのだが、オソノさんが彼女にお礼をしようとする・・・
泊る場所がないキキは「もしかしたらこの人(オソノさん)が何か助けてくれるかもしれない・・・」という、”誰かに頼る”という考えはありませんし、打算的に恩を着せるためにおしゃぶりを預かったわけでもありません。
キキという女の子は、「自分が直面している問題は、たとえ助けてくれそうな人がいても頼ろうとせず、自分で悩む」性格なのです。
「人助けしたから何かお礼してくれるかも・・・」とも「誰か頼ろう・・・」という考えもない。彼女の”素直さ”と”強かさ”がオソノさんがキキを気に入り、最終的に部屋を貸したのです。「最初からそう言えばよかったのに、一人で悩んじゃって!」と。
キキの性格について、宮崎さんはこう話します。
要するにキキが礼儀正しいのは、「礼儀正しくしとけば何かいいことがありかも・・・」というような計算したものではなく、かといって「年上だからとりあえず礼儀正しくしておこう・・・」という作った礼儀正しさでもない。
その裏のない自然な礼儀正しさが、「周りの人がキキを助けたいと思わせてしまう魔法」なのです。しかもキキ本人もこの”魔法”には気づいてはいません。何度も言いますが、狙ってそのように振舞っていないからです。
キキの精神は生粋のレディーである
私が思うに、キキというのは真のレディーです。
レディーというのは、男性にレディーファーストを強要したり、「レディーファーストはされるものだ」とも思いません。「自分の前のドアは自分で開けるものだ」と考えます。その”強かさ”に敬意をもって、男性はレディーファーストする・・・男性が能動的にするものでもない。「レディーファーストしたい」と思わせられるのです。まさに”無意識な魔法”です。
「日本の男は~」なんてよく聞きますが、「自分は尊敬されるべきだ」と思っている人を誰が尊敬したいんでしょうか・・・?押しつけがましい。
キキというのは、自分も問題は他人に頼ったり、押し付けたりせず、自分で悩む真のレディーです。オソノさんや絵描きのウルスラなど、周りの人々はそんな強かなキキを助けたいと思わされてしまうのです。
最初は街の人に受け入れられるか不安だったキキも、最後には街の人と仲良くなり、序盤に自分を注意した警官とあいさつをしています。これはキキの性格からして必然だったのではと思います。
余談「考察と解釈は違う」
アニメでも漫画でも”考察”と言って動画や記事を上げている人がいますが、すでに資料があるにもかかわらず、それに基づかず、自分勝手な解釈を考察などと言っているのはどうなのかと思います。考察とは、まずあらゆる資料を集めることから始まるわけです。
しかも、その”資料”も一部一部ではだめです。資料の一部分だけで考察すると、「いや、でもこの資料からはその考察は違うよ」と言われるわけです。
何も知らないより、ネットで集めた程度の内容で知った気になって、偏ったことを語るのが一番問題だと思います。
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