okadami

ハイヒールの似合わない田舎に住み家庭菜園を好む主婦。大人の読書感想文を趣味とし、介護関連をフィールドにする薬剤師。

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「名前のない女たち〜うそつき女」映画

中村淳彦さんの映画説明文 ↓ ……… 「名前のない女たち~うそつき女」は、AV業界の日常がそのまま映像化されていた。あまりにそのままなので、本当に驚いた。映画となれば現実から少し離れたエピソードが盛り込まれ、観客に臨場感やカタルシスを提供するのが普通だ。しかし、本作は様々な事情を抱えながら、裸の世界に漂流した底辺の人々の日常が淡々と描かれる。そのままの底辺なんかに価値があるのか、映画化というのは偉人にスポットを当てるものではないのか、というのが驚いた理由だ。  筆者を含む底

    • 『介護士K』久坂部羊著

      「助けられる者は助ければいい、助けられない人を助けようとするところに煩いが生じる。あるがままを受け入れるとは、そういうことだ」 医療にも介護にも言える言葉だと思った。 高齢になり、施設に入所した利用者の多くの人が死にたい死にたいということはFacebookの介護グループの書き込みでもたびたび出くわす。 ・・・・・ 有料老人ホーム「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生し、ルポライターの美和は虐待の疑いを持ち、施設の周辺調査をはじめる。聞き込みののち虚言癖のある介護士小柳の

      • 私、毒親に育てられました(中村淳彦著)

        毒親なんて、人並みな親であると思っていた自分にはまさか当てはまらない、とたかをくくっていた。 ゾクッとしたのが、 高偏差値、高学歴の女性の親の多くが異常に教育熱心なこと(教育虐待)。 『親が過度な期待を子どもに負わせ、思い通りの結果が出ないと厳しく叱責したり、体罰や暴力を振るったりすること』とある(書籍より) 子どものやりたいことを考慮しないで、自分の理想を一方的に押し付ける傾向がある親はかなり多いのではないか。 子のため子のため、と思いながら自分の理想を洗脳し、レールを目

        • 中年婚活〜50歳、年収450万円からの結婚に必要な30の法則

          中村さんと知り合って8年。あの頃と天変地異なくらいにカッコよくなってます。 見るたびに若返ってる。 ガンで奥さまを亡くされ、厳しいと言われる年齢での婚活を始めて見事に素晴らしい女性と再婚。 勝因はタイムラインを見ていても納得ですが、自分を変えて行きまくったこと。 周りの女子の意見をどんどん取り入れていた。 服装ジャンル、意識、見た目ヘアスタイル、表情まで変わっていった。 多分まわりにいる人たちも変わったのだろうと思う。これがまわりとうまくいくってこと。 今、運営してる

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        • 1本

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          ずるい傾聴術〜人間関係が好転してトクする33のルール〜中村淳彦著

          「傾聴」の、相手のために尽力すること、と言うイメージをひっくりかえして、いいことずくめになる方法が、あったことに正直驚いた。 私も思い返せば自分の話をすることが多く、中村さんの前作『悪魔の傾聴』から自分をガラリと変え、圧倒的に相手の話を聴くことが多くなった。だいだいは身近に常にいる娘たちに、である。 これがかなりの功を奏したと我ながら思う。 うまくいった親子関係から、若めの世代の情報が入ることで、趣味のエリアも変わり、かかわる人もどんどん新しくなった。 さて、今回は傾聴で自

          ずるい傾聴術〜人間関係が好転してトクする33のルール〜中村淳彦著

          同人AV女優 中村淳彦著

          「同人AV女優」、ここにかかわる世界には正直言って私には全く縁がなく、取材される女性たちにも共感もなければ、共通するところも全くない。 そんな立場から読了しました。 相変わらずひどい世界だと思いながら読んでいましたが、そこに入ることになるきっかけは、高額な大学奨学金返済からだったり、また非正規雇用によることだったりすることは、中村さんのかつての本から知っていた。 そこに入る女性は低年齢化していき、令和になってからは「ホス狂い」になるZ世代が何千万という大金をホストに注ぎ込

          同人AV女優 中村淳彦著

          『歌舞伎町と貧困女子』中村淳彦著

          貧困シリーズも長くなる中、歌舞伎町の貧困女子は、あまりにもふつうすぎる女性も混じっていて驚いた。 しかも帯にある「Z世代の告白」とあるように、今までにない低年齢化にも。 Z世代とは、1996年以降生まれ、つまり26歳以下を指すらしい。 中村氏の代表著書の『東京貧困女子。(東洋経済新報社)』の奨学金返済のために風俗に踏み入れる大学生とか、非正規雇用の低賃金で家賃が払えない社会人とかではない。 とにかくあまりにもふつうすぎる若い女性が簡単に性を売ってしまっている。売らざるを

          『歌舞伎町と貧困女子』中村淳彦著

          悪魔の傾聴〜中村淳彦著

          話したがりな私には、人の話を聴くことってこんなに大事なこととは思わなかった。 ついつい子供にもアドバイスやお説教をしがちで、それにメリットはないことを思い知らされ、かなり落胆した。 中村さんがこの内容を企画した数年前に、概要を教えていただいていたため、すぐさま実践できたことは幸いで、 その日からとにかく自分の話をやめることから実践し、今、子どもたちとの関係はかなり好転したと実感。 子どもにしても、聴いてほしいことはあるはずで、受け入れる態勢に不備があるとそれは叶わない。

          悪魔の傾聴〜中村淳彦著

          「ルポ池袋アンダーワールド」中村淳彦・花房観音・共著

          ビビッドな装丁に目を引かれる。池袋ってそんなイメージじゃなかったから。中村淳彦氏の書籍ではよく池袋が登場する。異常者が多いとか、変態がいるとか、彼のテーマの貧困のネタも多そうな。 夜の池袋で取材すると昼間は介護の仕事をしているの、という女性もいたのだったか。どうも昼間とは違う顔を見せに来るのがこの池袋らしい。 本を開いた。 共著者の花房観音氏の岡本綺堂の話から、江戸時代からの池袋の怪奇さが解説される。戦後は処刑場があったゆえ、人がたくさん死んでいる。 今もそうだ、聞けば記憶

          「ルポ池袋アンダーワールド」中村淳彦・花房観音・共著

          パパ活女子(中村淳彦・著)

          40代中年男性の、それも勝ち組といわれるひと握り以外の集団が、特に若い女性から忌嫌われていることが明らかになった。いや、世代全体として嫌われているかもしれない。 一方、視覚的に認識できることに「パパ活」が今、盛んなのだという。中年男性と若い女性という妙な取り合わせのカップルがあちこちであふれているそうだ。 嫌われている中年男性と嫌っている若い女性の組み合わせでデートをする、という見えているものは歪な構造であり、それはパパ活女子とパパをする男性が欲しいものの大きいズレがある

          パパ活女子(中村淳彦・著)

          ラストピースマネジメント(外川大由・著)

          介護職員の人たちはほんとうに本を読まない。読解力のない人が多すぎることは運営しているSNSの介護グループを見ているとよくわかる。 文字は読めても、言わんとすることがきちんとつかめなく、本質が捉えられない。その代わりに沸き起こる感情を出してくる印象だ。 こういったことは現場を経験している著者はわかっているのだろう。事象を文章であらわすよりも「」をつけた会話形式で書かれているので、感情も情景もつかみやすいゆえ、読解力をさほど必要としない。 著者の外川氏は介護の現場を知り尽く

          ラストピースマネジメント(外川大由・著)

          女子大生風俗嬢~性とコロナ貧困の告白~中村淳彦著

          一年前の「新型コロナと貧困女子」では、東京歌舞伎町を始めとしたネオン街を舞台に、令和2年2月ころからじわじわと日常に影響を及ぼしてきた新型コロナウィルスの大きな影響と打撃を受けた、これらの街に生きる貧困女性の悲痛な叫びを集めていた。 あれから一年、今回の書籍は風俗嬢に女子大生が圧倒的に多いことから女子大生を中心に、男子大学生、学生の母親、など大学を取り巻くさまざまな人たちの証言を聞いている。これら女性を主とした貧困取材からは、現在の日本社会の状況が見えてくるという。彼女らは

          女子大生風俗嬢~性とコロナ貧困の告白~中村淳彦著

          日本が壊れる前に~中村淳彦×藤井達夫「貧困」の現場から見えるネオリベの構造

          帯にある「衰退途上国で、次に堕ちるのは中年の男たちだ」が衝撃的だったから、その根拠がしっかり知りたかった。 この疑問は読了することで解決し、深く納得がいったのはまさにその年代に自分もいるからだと思う。 学生時代から少し目立つだけで「女子かよ」「女が」という言葉は背に聞こえていた。男子と同じことができても女だから、というだけで称賛どころかわずかに中傷が混じる。自分の周囲の男子たちに今なお中傷するものがいるとすると、この本の中にある「堕ちる中年男性」になっているのではないだろ

          日本が壊れる前に~中村淳彦×藤井達夫「貧困」の現場から見えるネオリベの構造

          『日本の医療の不都合な真実』コロナ禍で見えた「世界レベルの医療」の裏側 (森田洋之著)

          在宅介護にかかわり、病院、複数の介護施設や訪問看護などにお世話になった経験がある。そしてかつて調剤薬局に勤務していた経験も私は持っている。 利用者のため、患者のための介護や医療に、妙な事象があることは気が付いていた。検査をすればするほど儲かる病院、薬を出庫すればするほど、つまり処方箋を多くさばけば儲かる薬局。 介護度も高いほどサービスを利用しやすい。施設側も点数が入る。そして介護度がよくなるとお金がかかる(社会保障費は抑えられるけど)。 アンサングシンデレラでの名文句「手

          『日本の医療の不都合な真実』コロナ禍で見えた「世界レベルの医療」の裏側 (森田洋之著)

          新型コロナと貧困女子(中村淳彦著)~自分だったら生きていられないかも

          読み進めているうちに、リアル描写が次々と展開され、その人になってしまったかのようななんとも言えない重たさがしみわたってきて、自分だったらどうするのだろう、と思った。 「東京貧困女子。」(東洋経済新報社)「日本の貧困女子」(SB新書)「証言貧困女子」(宝島社)につづく貧困シリーズで、「東京貧困女子。」においては本屋大賞ノミネートまでされ、今なお売れ続けている。今回の書籍は今年2月ころからじわじわと日常に影響を及ぼしてきた新型コロナウィルスの大きな影響と打撃を受けた東京歌舞伎町

          新型コロナと貧困女子(中村淳彦著)~自分だったら生きていられないかも

          「証言貧困女子」助けてと言えない39人の悲しき理由(中村淳彦・監修)

          「東京貧困女子。」(東洋経済新報社)、「日本の貧困女子」(SB新書)に次ぐ貧困シリーズ3作目となるが、簡潔で読みやすく、39人の個々のパターンが、非正規、シングルマザー、介護、高齢、ネカフェ、女子大生、搾取、と分類されてまとめられているので、背景のイメージがしやすい。 監修者の中村氏は、長年にわたる独自の傾聴術で、たくさんの女性の心の叫びや重い告白を聴き出している。 心のセンタリング、言い換えると『自分の欲望の断捨離』ができないとそこまで聴き出せないと言う、独特のやり方だ。

          「証言貧困女子」助けてと言えない39人の悲しき理由(中村淳彦・監修)