私の家では何も起こらない
私の家では何も起こらない 著:恩田陸 メディアファクトリー
意味がわかると怖い話みたいだな、と思った。
本当にあった話なのか、はたまた小説家による話なのか。
この家には、主人公が住む以前にも、女性の小説家が何人か交代で住んでいたこと、話によって書き方が違うこと、最後に「あたしたち」が強調されていたことから、Oの中に何人も小説家が憑依?または意識が主人公に流れ込んで…それぞれの小説家が物語をひとつずつ書いたのではないかな、と思った。
(読み違いをしている可能性もあるので、あくまで私の感想ですが)
短編小説を読んでいるようで、どれも他の物語とリンクしている場面
幽霊屋敷というテーマでいろんな作家が物語を書いて、ひとつにまとめたような…
そういう印象を持った。
文章は読みやすく、それぞれの話が繋がっていることに気づいたり、謎を残して終わる話など、楽しく読ませてもらった。
最初に出てきたラフマニノフのような外見の不躾な彼は何だったんだろう。
今から始まる物語を説明するような、ミュージカルのようなセリフ。
ただ、これがあったこそ、あぁ、彼が言っていた話が始まるのね。と思たから、エンターテイナー的なものだと解釈しておく。
これから、蜜蜂と遠雷も読む予定。とても楽しみだ。
どうでもいいが、蜜蜂と遠雷を”蜂蜜と遠雷”と毎回間違えてしまうのを直したい。