私にとってのアフタヌーンティーを語る。
今回は、小説や映画の感想ではない。
私の趣味(といっていいのか分からないくらい、知識も経験も乏しいのだが)であるアフタヌーンティーについて語っていく。
アフタヌーンティーといえば、イギリスの貴族が優雅にお茶やお菓子を楽しんでいる景色を思い浮かべると思う。
簡単に歴史を交えつつ説明すると、アフタヌーンティーは19世紀のイギリス貴族ベッドフォード侯爵夫人アンナ・マリアが考案したものである。アフタヌーンティーが生まれた館であるウォーバン・アビーは死ぬまでに1度は行きたい所である。
かつてのイギリス貴族は、朝ゆっくりと起きて軽めの朝食兼昼食をいただく。そのため夕食まで時間があり、どうしてもお腹が空いてしまうためアンナ夫人は密かにお茶とお菓子を楽しんだ。そのうち客人と楽しむようになり、いつの間にか正式なおもてなしとして広まっていった。
アフタヌーンティーの料理はセイボリーとスイーツに分かれている。セイボリーはいわゆるサンドウィッチなどの食事系。
アフタヌーンティーのサンドイッチといえば、キューカンバーサンド…いわゆるきゅうりを挟んだシンプルなものを思い浮かべる。当時、きゅうりは大変貴重な食材だったため、自身の財力や広大な土地を持っているというステータスをアピールすることにつながったとのこと。
今ではホテルごとに様々なサンドイッチが食べられるのも楽しいのだが、一度でいいから絶品と聞く本場のキューカンバーサンドを食べてみたい。
アフタヌーンティーに欠かせないスイーツといえば、スコーン。
あたたかいスコーンに、クロテッドクリーム(簡単に言うと、乳脂肪分の多い濃厚なクリーム)をたっぷりつけて食べるのが至福。ジャムが先か、クロテッドクリームが先か(それぞれ、デヴォン式とコーンウォール式と呼ばれる)の派閥があるが、私はコーンウォール式が好みだ。クロテッドクリームが好きだから。
日本でアフタヌーンティーと聞くと、きっとキラキラしたお城みたいな一室で、お姫様のような格好をした女性が優雅にお茶を楽しんでいる様を想像するのではないだろうか。私もかつてはそうだった。
そのため、初アフタヌーンティーに行く時はとても緊張したことを覚えている。こんな普通の格好(一応ワンピースを着たが)の私が、ろくに作法も知らずに大丈夫だろうかと。
結論として、問題はなかった。
もちろん、ホテルによってドレスコードはあるが、大抵は清潔感のある格好であれば大丈夫だ。ジーンズやサンダルなどでなければ平気。
SNSではよく、煌びやかなドレスやロリータファッションの方が写っているのを見るが、実際に行ってみるとそういう方は少数である。カジュアルすぎなければ、自分の好きな格好でいいというのが私の感想。というより、周りの目を気にしていたらアフタヌーンティーは楽しめない。
そう、アフタヌーンティーの最大の魅力は、洗練されたインテリアの中で美味しいお茶と料理を楽しみながらゆっくり過ごし、非日常感を味わうことである。
ふかふかのソファ、やわらかい絨毯、きらきらとした照明、重厚な柱や家具。
3段のケーキスタンド、素敵なティーセット、一口サイズのセイボリーやスイーツがたくさん。こんな贅沢があるだろうか。
ディズニーランドに行ったときに思う、あのなんとも言えない非日常感がそこにある。
ホテルによっては、窓に向かってソファが置いてある。また、基本的に席と席の間が広いため他の人があまり気にならない。だから、自分もそうであるように他の客を気にすることは少ないので、マイペースに楽しんだらいいと思う。
作法も、さほどない。(ギャグではない)基本的には下のお皿から食べる、スコーンはあたたかいうちに食べるというのはあるものの、先に食べたいものがあるならそれでいいと思う。
パン系は手で食べたらいいし、スイーツはお皿にとって食べたらいい。
お茶も好きなものを飲めばいいし、伝えたらミルクもつけてもらえる。
カップ提供かポット提供かはホテルごとに違うが、ポットで提供されて飲みきれなくても、別のお茶を頼んでもいい。
とにかく、自分が美味しいと思えればいい。もちろん、周りが不快になる食べ方はNGだが…(くちゃくちゃと音を立てたり、指をちゅぱちゅぱと舐めたりとか?)
どのホテルに行けば、と思うだろう。ホテルによって値段、特色はもちろん違うし、季節によって限定のアフタヌーンティーもある。
王道は、帝国ホテルだろう。値段も高いが、味と接客はさすがだと思う。インテリアも、落ち着いたグリーンとブラウンで癒されるし、執事さんの特別感が桁違いである。
甘いものが好きな人は、ウェスティンホテルがおすすめ。スコーンで一番好きなのは?と聞かれたら、ここのスコーンだと答える。ただし、全体的にボリューミーなので食べきれない人もいるだろう。
お茶の種類でいえば、坐忘をあげる。最初に茶葉の入ったガラスをずらっと並べて選べるのが楽しい。ロイヤルミルクティーも絶品である。また、3時間制なのでゆっくりと過ごすことができるのも特徴。
ホテルによって値段や制限時間が違うので、何を重視するか考えつつ、写真を見比べて選ぶのがいいと思う。
一流ホテルが多いので、空間や接客面はどこも不安は少ないと思う。
あの何ともいえない非日常感と特別感が、私を魅了する。
ぜひ、興味のある方は行ってみて欲しい。
あ、男性も結構いる。女性が多いのは確かだが、ソファに座ってしまえばきにせずに楽しめると思う。あと、私個人はアフタヌーンティーに来ている男性に対して特に何も思わないし、思ったとしても、好きなんだな。というくらい。むしろ一緒に楽しみたいくらい。
男性だから、と気にするのがそもそもおかしいものだが、事実として気になる男性は多いだろう。けれど、周りはそこまで他人を気にしていないと思う。
行ってみたい、と思った時がチャンス。
あとは予約をするだけ!