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遊戯王の強い(上手い人)になる為には

今、空前の遊戯王ムーヴメントが起こっています。
理由はズバリ、マスタ―デュエルとOCGツール「NEURON」の存在です。

いやあ良い時代になったもんだ。以前は紙とペンや電卓、デッキ登録の煩雑さを嫌って大会を割けていた私も、それなりに気楽に参加できるようになりました。
という訳で今回は「遊戯王楽しいし参入が簡単なったから皆も是非!」という布教記事――ではなく、そんな現代の遊戯王、特にマスタ―デュエルが流行したがゆえに起きた誤解?ご認識?について、そのせいで遊戯王という楽しいコンテンツを見限ってしまった人達の誤解を解けたらいいな、いや無理かもしれんななどと考えながら筆を取りました。


カード評価、或いはテーマのtireについて

良くも悪くも対戦ゲームにおける強さの基準というのは、相対評価で点数をつけられやすく、ソシャゲに慣れ親しんだ世代の方がマスタ―デュエルを始めると、分かり易い基準としてtireランクなどを見に行きます。
或いは雑に「これを持っておけば最強!カードランキング」なんてものを見に行く訳です。
これ自体を否定はしませんし、僕も知らないテーマを研究する為に高評価を受けているカードを確認する為、利用していたりします。

こ~れが悪い方向に行く最もな例は例えばこういうケースです。
「は~~~やっぱteir1には勝てんわクソゲー」
「ランクマいっても環境デッキしか当たらんわクソゲー」
「環境デッキの初動見たら即サレンダーされるわクソゲー」
「環境デッキの初動止められんからもういいやはいはいサレンダーサレンダー」

遊戯王を正しく認識できている方ならこうはならないんですが、これから奥深さ、面白さを分かってくる頃の初級者ほど、こんなリアクションを取ってしまいがちです。

まず大前提としてお伝えしておきたいのは、遊戯王における各テーマとして成り立っているデッキにおいて、teir3~5ぐらいにノミネートされているデッキ、つまり「現環境における最強格、とはいかないがデッキとしての形として認知・認められている構築例」というのはですね、その大半が十分な戦闘力を評価されており、ありていに言えば「ブン回ったらトップtireでも勝てない確率が高い」デッキなのだと思ってください。
じゃあなんでこんな差が生まれているのかといえば、初動と言われるキーカードや展開ルート上に必ず通るクリティカルポイントでの誘発受けの悪さ(現環境における採用数の多い妨害を重く受けてしまい、対策もしにくい)といった状況があったり、単純にエース級のモンスターが環境に沢山居るカードと相性が悪かったりなど、「そのままテーマを素直に組んだら苦戦は免れないだろう」といった要因で評価されます。

つまり、「俺の好きなデッキteir評価くそ低いし、こんなんじゃ勝てないから面白くないわ、やーめた」
と考えるのは多くの可能性を秘めたあなたの大好きなデッキに対して失礼です。
「いやいや俺だけのサイキョーデッキを組んで気持ちよく勝てないんなら別にいいよ、なんで金払ってパック買って強いカード集めたのに、すぐ勝てるようにならねんだ?」
という方はカードゲームそもそも向いてないので出直して来てください。
恐らく人生においてリスペクトの概念も無いし、対戦ゲーム自体も向いてないです。

「俺・・・遊戯王上手くなりてえ!」とか
「私の好きなこのカードで勝ちたい!」とか
そういう熱い心を持った決闘者が研鑽を詰んで構築したデッキは、誰が何と言おうとトップtireデッキです。
※研鑽を詰んで構築したデッキです

遊戯王は先行ゲー・運ゲーという馬鹿

もし、これをお読みになっている方で、遊戯王が好きで、先行ゲーと考えているなら、すぐに考えを捨てましょう。
実際は誘発モリモリと捲り札、初動札を持った後攻に先行で立ち向かったら超キツイですし、後攻専用デッキも存在しています。
実際の統計で見れば先行勝率が多くのデッキにおいて優位ですので、それをもって先行ゲー気味と評するのはまあ分かります。だからコイントスで勝てないと負ける、運ゲーだなんていうその方の発言によってこれから始める初心者への心象がクソ悪くなっている自覚だけはしてください。
あなたが楽しんでいるゲームの心象がです。
そして私が楽しんでいるゲームを貶さないで下さい。迷惑です。

何か勘違いしている方が多いのですが、別に先行勝率が優位だからといって、本当に運ゲーならば、世界大会に勝ちあがっている常連なんて存在しないんです。
彼らは後攻でも勝ちます。例えば先行勝率70%,後攻45%ぐらいの勝率で、後攻だと5割を勝率切っていたとしましょう。だとしても総合勝率は50%を余裕で超えています。だから勝ち進むんです。
後攻はほぼ負ける(20%以下)とかのデッキしか存在しないら、先行ゲーと言いふらして、ジャンケンゲーとかいって貶しても構いませんが、そうでは無いし、もしそんなデッキを握っているなら構築をミスっているその人の責任です。
不利が付いた場合での立ち回りも含めて構築を練るのがカードゲームです。

強い人(上手い人)の正体とは

ここまで読んでいただいた読者の方はもうお気づきかもしれませんが、
強いプレイヤーのデッキが必ず強いテーマとは限りません。
私もそこまで強豪とは言えませんが、ここ最近のランキングデュエルで店舗全勝を取った時のテーマは六花でした。
新規カードによる破戒や炎王といった破壊トリガーを咎めつつ、シングルで轢き殺し力の高い天盃龍を封殺していける構築を意識してのチョイスで、これは綺麗に読みが当たりました。
六花自体は強みも明確にありますが、tireで言えば圏外とは言わずもトップ帯とはしっかりと水を開けられています。それでも試合によっては圧勝する事も珍しくない良いテーマです。

上手い人のデッキは、その採用カードと採用枚数に至るまで、ほぼ確実に明確な言語化が本人はできます。
何の為の言語化かと言えば「今、この環境において勝つための」です。
その為に必要なメタ情報、他テーマの勢力分布や人気カード、それらとの相性や状況想定に至るまで、予習し、対策しているからこそできる言語化です。
対策しない(必要ない)から空いたスロットを作って手数を増やすといった判断もあります。故にデッキによっては必須級と言われている灰流うららや増殖するGが未投入or1枚のようなガチデッキもあります。
逆にそういった汎用性の高い強力なカードを絞っても、強いデッキが構築できるビルダーってどうですか。
「自分を通して勝つ」人です。カッコイイですよね。

構築するのが上手くなってくると、そうやって「あっ」と言わせる構築をしつつ、勝つためのバランスが崩れていない美しいデッキというのが作れます。
そういう一見「なんでこんなカードを?〇〇で良くね?」と思えるようなカードを見つけたら、そんな野暮な聞き方するんじゃなくて「これ採用すると、何か相性良いギミックとか入ってるんですか?」って教えてもらいましょう。
自信の一枚だったなら、相手からすれば「よくぞ聞いてくれた!」です。
仮にそれを「〇〇でよくね?」なんて言ってみて下さい。戦争ですよ戦争。

結局は研鑽とリスペクト

そういう事なんです(乱暴)

カードの上手な使い方、強いカードの分析と対策、幅広い予備知識。
研鑽を続け、他の人の研鑽に敬意を持って、知らないゾーンは教えを乞う。
それが上手いプレイヤー達の全容です。
風呂も入らず脂ぎった髪の毛で「早く」とか言いながらシャカパチ繰り返して対面に圧を掛けながら、試合が終わったら無言でさっさと居なくなるみたいな連中は、強いテーマのデッキを作っていても恐らく弱いです。(強気)

皆で楽しくデュエルするために、良い空間を強力して作って行きましょう。
上手い人になる為には、お互いを尊重するリスペクトの精神が肝要です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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