カンヌライオンズ・チタニウムグランプリの歴史(2)
バーガーキング「Xbox Games Innovative Campaign」
「BMW FILMS」「デザインバーコード」に続くチタニウムグランプリは2007年、大手ハンバーガーチェーン、バーガーキングによる「Xbox Games Innovative Campaign」が受賞した。
バーガーキングは、このプロモーションにおいて3本のXbox用ゲームソフトを独自に制作した。ゲームにはいずれも「ザ・キング」というのバーガーキングのマスコットキャラクターが登場する。
そして「BKバリューミール」というセットメニューを注文すると、それらのゲームが1タイトルあたり3.99ドルの追加料金で購入できるというキャンペーンを実施した。
広告であると同時にゲームでもある
これは手法としては「BMW FILMS」同様、ブランデッドエンターテイメントであると言える。この企画の新しいところはエンターテイメントコンテンツとしてゲームソフトという形態をとり、かつそれを販売したというところだろう。(「BMW FILMS」は無料で公開された)
広告の中にゲームの要素があるとか、プロダクトプレイスメントのようにゲームの中に広告があるとかいうことではない。広告とゲームという2つのアイデンティティを兼ね備えていたのだ。
しかもこのキャンペーンは反響が飛び抜けている。これらのゲームは3タイトル合計で、6週間で320万本売れた。ゲームの売上だけでも約1280万ドル(当時のレートで14億~15億円)ということになる。そしてこのキャンペーンを実施した四半期、バーガーキングの売上は40%増加したという。
どちらのアイデンティティにおいても大成功を収めたわけだ。
これを企画したのは2000年代に一斉を風靡したアメリカのクリエイティブ・エージェンシー、Crispin Porter + Bogusky(クリスピン・ポーター・アンド・ボガスキー、CP+B)である。
2004年に日本で話題になった「電車男」に同じくバーガーキングのプロモーション「Subservient Chicken」が登場しているのだけど、これも彼らが手がけたものだ。
AdForumより