カンヌライオンズ2020/2021 速報 - デザイン、プリント、ファーマ部門

カンヌライオンズ2020/2021が開幕し、初日は
・デザイン
・アウトドア
・プリント＆パブリッシング
・ヘルス＆ウェルネス
・ファーマ
の5部門の受賞事例が発表された。

この記事では
・デザイン
・プリント＆パブリッシング
・ファーマ
のグランプリを簡単にまとめておく。

H&M「H&M Looop」
2021 デザイン部門グランプリ

デザイン部門からは、2021年のグランプリと2020年のグランプリが誕生した。
2021年のグランプリは、スウェーデンのファッションブランドH&Mの「H&M Looop」が受賞。

衣類の84%は、最終的に埋め立てられるか焼却される。これに対し、H&Mはファッション小売業の店舗としては初めて衣類から衣類へのリサイクルシステム「Looop」を導入した。

不要な衣類を「Looop」に投入すると、「Looop」はそれを洗浄後、繊維レベルにまで裁断し、新たな糸をつむぐなど、8つのプロセスを経て新たなファッションアイテムに生まれ変わらせる。

このシステムでは水や化学薬品を一切使用しないため、ゼロから衣類を製造するよりも環境負荷を抑えることができるという。

ユーザーは、どんなアイテムにリメイクするかを8つのタイプから選ぶことができる。

H&Mは2030年までにすべての使用素材をリサイクルまたはサステナブルに調達された素材に切り替えることを目標としており、2019年には57%を達成している。

Notpla「Notpla」
2020 デザイン部門グランプリ

デザイン部門、2020年のグランプリは「Notpla」。これは植物や海藻から生み出された生分解性の素材で、プラスチック製の容器を代替するものをめざしてロンドンのスタートアップNotplaによって開発された。

We make packaging disappear

植物や海藻由来の素材であるため、Notpla製の容器はそのまま食べることもできる。
これまでには、飲み物を入れてロンドンマラソンの給水所で配布されたり、カクテルを入れて試飲会のような場で配布したりといった活用が進んでいる。

Unilever｜Dove「Courage is Beautiful」
2020/2021 プリント＆パブリッシング部門グランプリ

プリント＆パブリッシング部門のグランプリは、UnileverのパーソナルケアブランドDoveが公開した、新型コロナウイルスに最前線で挑む医師や看護師の人々をたたえるグラフィック「Courage is Beautiful」が受賞した。

マスクやゴーグルを長時間着用して勤務したことで顔に跡が残り、疲れ切った表情を浮かべる医療従事者の顔が映し出され「Courage is beautiful（勇気は美しい）」というメッセージでDoveの美しさに対する考え方を表現している。

Woojer「Sick Beats」
2020/2021 ファーマ部門グランプリ

ファーマ部門のグランプリは嚢胞性線維症の子どものためにWoojerが開発したベスト型のウェアラブルデバイス「Sick Beats」が受賞。

嚢胞性線維症を患うと気道に粘液が溜まりやすくなり、これを取り除くためには1日2回、大きくて重い振動デバイスを使わなければならない。これは子どもにとってはつらいこととなる。

そこでWoojerは音楽を聴きながら気道クリアランスを行うことができる「Sick Beats」を開発した。
「Sick Beats」はスマートフォンと連携することで、スマートフォンで再生した音楽から治療に必要な40Hzの周波数を引き出し、気道クリアランスを行うことができる。

さらにWoojerは、Spotify上に「Sick Beats」で再生するためのライブラリを作成した。

Woojerはイスラエルのスタートアップ企業であり、元々はゲームや映画への没入感を高めるための振動ウェアラブルデバイスを提供している。「Sick Beats」はその技術をうまく転用して生み出されたものだ。

その他の部門

残りの
・アウトドア
・ヘルス＆ウェルネス
のグランプリはこちら。

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