カンヌライオンズ2020/2021 速報 - モバイル、ビジネストランスフォーメーション、イノベーション部門
カンヌライオンズ2020/2021、4日目は
・モバイル
・ラジオ&オーディオ
・クリエイティブビジネストランスフォーメーション
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション
・クリエイティブEコマース
・クリエイティブエフェクティブネス
・イノベーション
の7部門の受賞事例が発表された。
この記事では
・モバイル
・クリエイティブビジネストランスフォーメーション
・イノベーション
のグランプリを簡単にまとめておく。
Telenor「Naming The Invisible by Digital Birth Registration」
2020/2021 モバイル部門グランプリ
モバイル部門のグランプリは、パキスタンの通信会社Telenorがデジタル出生届アプリを提供した「Naming the Invisible by Digital Birth Registration」が受賞。
2020年のメディア部門に続いて2つ目のグランプリとなった。
この事例についてはこの記事にまとめている。
Carrefour「Act for Food」
2020/2021 クリエイティブビジネストランスフォーメーション部門グランプリ
クリエイティブビジネストランスフォーメーションは、今年新設された部門だ。
カンヌライオンズ公式サイトを見ると、ビジネスをオーガナイズする方法や人々の働き方や顧客との関わり方を変え、ビジネスを前進させるクリエイティビティを称える部門であると定義されている。
その最初のグランプリは、フランスのスーパーマーケットCarrefourによる「Act for Food」が受賞した。
Carrefourの公式サイトによると「Act for Food」とは「健康的で、良質で、持続可能な方法で生産された食品を誰もが利用できるようにする」ための活動とのこと。
2018年に立ち上げ、2022年までに30か国でそれぞれのエリアにおける「フードトランジション」を実行するプログラム、としている。
2019年のカンヌライオンズ、クリエイティブエフェクティブネス部門でグランプリを受賞している「Black Supermarket」も、この「Act for Food」の一環だったようだ。
EUでは野菜や果物の種子に関する規格が厳密に定められていた。これはEUのすべての人に食の安全を保証するために制定された法であったが、その背景には農薬業界によるロビー活動があり、適格とされた種子は大量生産がしやすく、農薬への耐性をもつように品種改良されたものであったようだ。
これは全体の3%でしかなく、残りの97%のオーガニックな品種は「違法」扱いとなっていた。
これに対し、Carrefourは「違法」なオーガニックな品種を販売するコーナー「Black Supermarket(闇市場)」を店舗内に設けた。
店舗では来店客に対して、Change.orgでの署名活動に参加するよう呼びかけるなどした結果、この規制は見直されることとなった。
「Act for Food」では、このほかにも、食肉処理場のビデオ監視に関する法の改正にも貢献し、ブラジルでは食品価格の高騰問題と戦い、2000の農家を有機農業へ転換させ、60000の農家に融資を行うなどしている。
さらに、家畜に対して抗生物質治療を行わない、家畜に遺伝子組み換え作物を飼料として与えない、ブロックチェーン技術を活用して商品のトレーサビリティを向上するといった様々なアクションの推進を表明している。
Carrefourの世界での売上は3.1%上昇し、特にオンラインでの売上は30%上昇、株価は9%上昇した。
Unilever|Degree「Degree Inclusive」
2020/2021 イノベーション部門グランプリ
イノベーション部門のグランプリは、UnileverのデオドラントブランドDegreeによる「Degree Inclusive」が受賞した。
これは上肢障害を持つ人のためにデザインされたデオドラントクリームで、開閉しやすいフタやグリップしやすいハンドルが一体化したパッケージデザインとなっている。
その他の部門
残りの
・ラジオ&オーディオ
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション
・クリエイティブEコマース
・クリエイティブエフェクティブネス
のグランプリはこちら。