バレンタインデーの参加者は減少継続。それでもチョコは売れるのか。
バレンタインデーの市場規模は、少し盛り返す
(社)日本記念日協会によると、2020年のバレンタインデーの推計市場規模は約1310億円。2019年の約1260億円から約4%増であり、2017年から2年連続で減少していた推計市場規模が3年ぶりに増加に転じたようだ。
バレンタインは、5人に1人が”何もしない”
一方でマイボスコムの調査によると、バレンタインの参加率(プレゼントとして、何かをあげたりもらったりした)は、2010年(57.1%)から微減を続け、2019年3月の調査では、46.0%まで減少。
「参加者=バレンタインに何かした人」ベースでみると、明らかに減少が続いている。市場規模は金額換算のため、商品単価、購入者単価の上昇などによって増加することはあるものの、参加者はやはり減少していると考えられる。
電子書籍ストア「BookLive!」の会員を対象とした「バレンタインデーに関する意識調査」でも、5人に1人が「何もしない派」となっている。
バレンタインデーの特設チョコレート売り場も規模縮小の流れ
筆者の感覚でも、2020年はサロンデュショコラなどのイベントやチョコレートブランドのニュースも扱いが小さくなっていると感じられる。東京の例では、ここ数年のデパートやショッピングセンターの特設会場は、明らかに会場スペース、来場者ともに縮小しているだろう。
数量的にみると、予約販売分で完売したり、オンラインショップなどの通販は2月14日の数日前に完売商品が多くでたり、百貨店の特設内場でも2月14日の午後には棚がスカスカになる等、売り切れ想定の販売をしているブランドが多い印象。一般的なシーズンイベントの販促は、売れ残るくらいに用意するのが今までの通例であるから、売り切れを煽る商法は、趣味やこだわり層向けの販促に舵を切っているのだろう。
2020年のバレンタインデーは、盛り上がっているのか。
さてここで、先述の(社)日本記念日協会の発表である、推計市場規模が増加した件、その理由がいくつか挙げられているが、これがなんとも面白い。
このあたりは、微妙な印象。言えなくもなさそうだが、今の日本では、オリンピックや新元号にそれほどのパワーがあるとは実感しにくい。
さらに、
これは相当なこじ付け感が・・。
これは、「花金」というコンセプトさておき、休日でないということは、ビジネスチョコの需要に違いがあるのは確かであろう。
また、PR的視点で一理ありそうなのは、
というもの。
いずれにしても、この荒い考察に、かえってバレンタイン市場への関心の低さを感じる感じることなった。
今や、バレンタインデーのチョコの売り上げに関心を寄せる時代ではない。
いずれにしても、「○○の日には□□をしよう」というシーズンイベントの参加者は減っていく傾向だろう。
その中で、そのイベントの参加者を的確に捉え、その参加者たちの満足度を高める演出、コンセプトづくりを行っていく必要があり、その意味では、今や恋愛イベントでなくなったバレンタインの需要を的確に観察していくことが求められる。
そこで、近年のバレンタインの大きな需要として、2つ。
1、自分へのご褒美、SNSネタ、など「自分のため」
2、感謝の気持ちを伝える機会として「コミュニケーションのため」
もともと(恋愛的に)大切な方へ思いを伝える日として始まったバレンタイン。だからこそ、時代が変わっても、プレゼントとメッセージを伝える日としての認知は高く、日ごろの感謝の気持ちが伝えやすいはず。
お中元、お歳暮など形式的なギフトも衰退している中、「お世話になっております」「いつもありがとう」のメッセージとともに、チョコレートをはじめ、気軽なプレゼントを贈りあう日として存在できそうだ。
もちろん、みんなが当たり前のように行うのではなく、こういう機会を利用したいと思う人をターゲットとして、ギフトマーケティングの一翼としてまだまだ存在感を保って欲しい。
その他の調査オープンデータ(2019年実施)
ショコラコーディネータ・市川歩美さんが主宰するチョコレート情報専門サイト「Chocolate Journal」
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