応援!北海道キカク人 vol.1「北海道に第2のJリーグチームを」矢野哲也さん (BTOP北海道 代表取締役)
北海道には魅力的なキカクを企てている人がたくさんいる!
夢に向かって奮闘している北海道のキカク人にスポットを当てる連載企画「応援!北海道キカク人」。
記念すべき第1回ゲストは、BTOP北海道 代表取締役 矢野哲也さん。「北海道に第2のJリーグチームを作る」ために奮闘する矢野さんにお話をうかがいました。
「サッカーと北海道に恩返しをしたい」
―BTOP北海道設立の経緯を教えていただけますか?
矢野さん:北海道には「北海道コンサドーレ札幌」がありますが、これだけ広い北海道でJリーグチームが1つしかない。今までそこに本気で挑戦するチームが少なかったのも事実です。
僕自身はサッカー選手として3年間Jリーグで過ごさせてもらいましたが、とても貴重な経験をさせてもらいました。そしてその経験はサッカーを辞めてからもすごく活かされています。
なのでサッカー辞めた時から、いずれまたサッカーに関わりたい、サッカーに恩返ししたいと言う気持ちはずっと持っていました。
ですが、やはり社会人なので生計を立てていかなければいけない。だからまずちゃんと仕事をして様々な経験をし、しっかり生活できるような体制を作ってから、もしそういう機会があれば挑戦したいという気持ちはずっと頭の片隅にはありました。
そんな中「北海道に第2のJリーグチームを作ろう」と言う動きが4,5年前から知人間で出てきて。最初は「絶対無理だ」と、私自身は否定的なことばかり言っていました(笑)
でも最終的に「それなら矢野に社長をやって欲しい!」と言う話を頂いて。その話を頂いたときに、サッカーに、そして故郷の北海道に恩返しできるかもしれないと思い、北海道から第2のJリーグチームを作ろうと決断しBTOPの社長に就任しました。
「応援してくれる仲間を増やしていきたい」
―BTOP北海道がJリーグチームになることが北海道への恩返しになるのでしょうか?
矢野さん:はい、そう考えています。やはりJリーグのチームがあるとその地域は盛り上がる。今はコンサドーレさんが担っている部分が多いけれど、例えばBTOPだったり他のチームがもしJリーグに昇格できたら、その地域がまた盛り上がって、切磋琢磨することで北海道全体が盛り上がっていく。
やはり身近にJリーガーがいると子供たちにとっては全然違います。僕自身もそうでしたが、小学校低学年の時にJリーグが開幕した時はテレビの中で見るだけのものだったJリーガーが、コンサドーレさんができて厚別競技場で試合を観た時に、「頑張ったらサッカー選手になれるかも」って思ったんです。それくらい身近にサッカー選手がいることには価値がある。
いつかBTOPを見てサッカーをはじめた子供がJリーガーになったり日本代表になったらこんなに素敵なことはないですね。
―立ち上げから約2年半。チーム運営の手応えはいかがでしょうか?
矢野さん:とても難しいです(笑)始める前から分かっていたことですが、やはり簡単じゃない。当然まだアマチュアのチームだし、アマチュアのリーグだしっていうのはありますが、キレイごとを抜きにして言うと、やっぱりシンプルにまずお金が必要です。逆にお金があれば解決できる事が沢山あるというのはすごく感じています。
あとは選手のモチベーション管理も難しい。いろいろな我慢をしながらやらなきゃいけないことが多くて。 例えばJリーグチームだったらチームバスで移動できるところが我々は各自現地集合だったり。練習の後にシャワーを浴びる施設もなかったり。プロではないから選手は仕事をしながらサッカーをしていますが、「自分は本当にJリーガーになれるんだろうか」と葛藤したりする。少しずつ改善は進んでいますが、まだまだ選手を我慢させることの方が多いですね。
それでも、目標を持って北海道でサッカーをしてくれている選手たちと共に、魅力的なチームにしていきたいです。
―そう言った課題を解決するためにされているアクションはあるのでしょうか?
矢野さん:設立の趣旨やチームの目標に賛同してくださる方もありがたいことに沢山いらっしゃり、今は30~40社のスポンサー企業さんがいます。こう言った方々のご協力のおかげでチーム運営ができています。それは単純なお金の面でのサポートだけではなくて、記者会見のセットを無償で作ってくださるとか、スポーツジムを無料で使わさせてくださるとかを含めてさまざまな形でサポート頂いています。選手の雇用の部分でご協力してくださる企業もあります。個人のファンやサポーター含めそう言った応援してくれる仲間をもっと増やしていきたいと考えています。
単純な協賛とかスポンサーと言った考え方だけじゃなくて、BTOPをうまく活用して頂き、企業も行政も、街もみんなが幸せになるみたい形が理想です。
戦略的な部分のため具体的にはまだ言えませんが、北海道のいいものだとか、いい事とかいい人を、どんどんチームを使って発信していけるような仕組みを作ろうと進めているところです。我々は選手も少ないですし規模も小さいけれど、その分フットワークの軽さを活かしていきたいと思っています。
「5年以内にJリーグ昇格を目指したい」
―今後の展望を聞かせていただけますか?
矢野さん:今年、北海道の社会人サッカーの最上位リーグである北海道サッカーリーグの優勝は逃してしまったのですが、10月に滋賀県で開催される「全国社会人サッカー選手権大会」への出場が決まっています。この大会で3位以内に入れれば、11月にJFL昇格を掛けた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」に出場することができます。実力は決して劣っている訳ではないので、勇気を持ってチャレンジしたいと考えています。
例えもし今年難しくても、5年以内には必ずJリーグ昇格を目指します。
課題はたくさんあるけれど、応援してくれる仲間を増やしていければ必ず達成できると信じています。
その先に、感動や熱狂、さらに北海道の活性化、未だ経験したことの無い景色が広がると確信しています。
―お世話になったサッカーと北海道に恩返ししたいと笑顔で語ってくれた矢野さん。その笑顔の裏には強い決意が滲んでいました。
ぜひ北海道から第2のJリーグチームを!皆さんも北海道キカク人 矢野さんを応援しましょう!
(ライター:松井 貴彦)