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世界的ビジネスプランナー濱口秀司さんに聞いた、副業を成功に導く3つの極意【Fukusen LIVEレポート2023年10月】
自分の「やりたい」をベースに、小さくても魅力的なビジネスを創ってみたい人のための実践型コミュニティ【Fukusen】では、毎週水曜夜に、メンバー限定のオンラインイベント【Fukusen LIVE】を開催しています。
2023年10月4日に開催されたFukusen LIVEには、世界的なビジネスデザイナーの濱口秀司さんが登場!USBメモリやマイナスイオンドライヤーを生み出した、濱口さんに「副業でビジネスを成功させる極意」を聞きました。参加者を興奮の渦に包んだ、濱口さんならではの格言を凝縮してお届けします!
※本記事では、当日の模様をダイジェスト版でお届けしています。
副業を成功させるには、本業でもアクセルを踏もう
細野:本日はスペシャルゲストとして、世界的なビジネスデザイナーの濱口さんにきていただきました!
サッカー選手にとってメッシが神の子であるように、ビジネスデザイナーである僕にとって濱口さんは神の子です。そんな濱口さんが僕の熱いコールに答えてくださり、本日の対談が実現しました。
濱口さんよろしくお願いします。今どちらにいらっしゃるんですか?
濱口:今日はパームスプリングスの自宅から参加しています。よろしくお願いします。
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細野: Fukusenでは会社勤めをしながら、自分がライフワークとして取り組みたいテーマでビジネスを立ち上げる支援をしています。会員は100名ほど。
色々と課題もあるので、濱口さんがスモールグッドビジネスの立ち上げを支援するとしたら、どんな仕組みがありえるのか。何が大事なのか。そんなことをテーマにお話できたらと思っています。
濱口:Fukusenメンバーの方々は、会社勤めという本業があって、それとは別に副業でビジネスの立ち上げを考えているということですね。
細野:そうです。
濱口:だったら初めに一言言いたい。言わなきゃいけないことがあります。
細野:なんでしょう?
濱口:副業に着目するのは、すごく良いことだと思います。ただ、副業を成功させるには、本業でもアグレッシブにチャレンジをすることが大切です。
自分が影響を及ぼせる、ギリギリのエッジで踊る癖をつけよう
濱口: 昔からよく相談されるんです。会社を辞める人から。「会社が俺の実力を認めてくれない」という話から始まって、「外にはもっと面白い仕事があるから辞める」と。
僕が彼らに言うのは、「今辞めても、同じ映画が起きるだけ。キャストは違うだろうけど」ということ。多くの人は、自分が影響を及ぼせるボーダーラインを超えて喋ってる。「上司が認めてくれない」「会社の戦略が間違っている」……。
でも愚痴っても変わらないんですよね。なぜなら人には影響を及ぼせる範囲があるから。自分が影響を及ぼせない、ボーダーラインを超えた範囲について喋るのは、脳のチャンバラとしては良いけど、時間が勿体ない。
逆に、自分が影響を及ぼせる範囲の、ギリギリの水際ラインがありますよね。そのギリギリまでは行った方がいい。
例えば会社の戦略が間違っていると飲み屋で愚痴を言うのではなく、社長室のドアを叩いて、社長に直接「会社の戦略が間違ってる」と伝えたらどうでしょう?
その時には自分なりの考えを説明しなくちゃいけないし、「誰もやらないなら僕がやります」と言えるだけの覚悟も必要ですが、社長さえ納得すれば、戦略が変わる可能性もある。
大事なのは、自分が行ける、ギリギリの水際ラインまで行くことです。意外と人って、自分が行ける範囲を狭く捉えている。これができない、あれができない、と。
逆に輪っかの遥か彼方の話をして、自分の限界がどの辺にあるのかを知らない。そうすると、自分の限界は伸びることがないんです。
でも言いたいことがあるなら、社長室のドアを蹴破ってでも言えばいい。僕も若い頃は散々、役員相手に失礼なこともしてきました。それでもクビにはならなかった。
楽しいのは、自分が行けるギリギリのライン、エッジで踊ることです。エッジを試さずに会社を辞めたら、次の組織に移っても見える景色は同じ。エッジで踊っていれば、「ちょっとヤバイな」と思ったりもするわけで。
細野:踏み外しそうになれば、戻ればいいと(笑)
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濱口:行き過ぎたかなと(笑)。そうすると、人間ってだんだん慣れてくるもので、どこがエッジの限界かがわかってきます。わかるから伸びる。この経験をしてから、外でチャレンジをした方がいい、というのが最初に言いたいことです。
副業を成功させるためにも、本業でエッジを走る癖を持つ。より安全な本業の会社という組織で、アグレッシブにチャレンジする。その方がいろいろなことが身につくので、副業でも成功しやすくなります。
本業と副業、2つのチャレンジができるのなら、アクセルは両方踏んだ方がいいんです。
ビジネスは、「神の視点」で考えよう
細野:ありがとうございます。本当にその通りだと思います。
少し話が変わるのですが、濱口さんにスモールビジネスの相談が来ることってあるんですか?ビジネスポテンシャル、めっちゃ小さいやん、という案件。
濱口:うーん、よくわからないですね。わからないというのは、ビジネスをそういう風に見ていないんです。何がどう転ぶかわからない、と思っています。
細野さん:どういうことでしょう?
未来が変わるのは、小さな裂け目から
濱口さん:未来予想図ってありますよね。10年後には車が空を飛んでいるとか、ロボットが家中を走り回っているとか。実は、みんなが描いているような一般解は、その人たちの意識のあるうちは来ないんです。
じゃあ何が来るのか?未来予想図に描いている絵の中の、どこか一点が、割れるように現れる。予想もつかない変なところから割れて、ものすごいブームになる。
【未来が変わるのは、小さな裂け目からである】と僕は思ってる。ただ、その裂け目は、なかなか想像しづらい。
例えば昔から、将来はロボットが家庭に…という話がありますよね。イヌ型ロボットのAiboという商品もありますが、あまり普及していない。でも実はよく見ると、ロボットはもう家庭に入ってきている。ルンバです。
ルンバはロボティクスで、自律的に掃除をしながら動きますよね。世界で200億ドル程の市場があって、2028年には500億ドル規模になると言われています。ものすごく浸透していて、これも裂け目の1つです。
細野:確かに、こんな形で来るなんて!
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濱口:この展開は、僕が子供の時には誰も予測できなかった。ロボティクスの専門家でも「ロボットは掃除機から広がっていく!」なんて思っていなかったわけで。
だから、みんなが想像しているような一般解はなかなか来ない。だけれども、特殊解が、それも予想しづらいような特殊解から未来はやってくる。これこそ、僕が仕事をしているモチベーションの1つです。
細野:これが裂け目かもしれない!という。
濱口:そう。そしてこれがコツでもある。
だから、皆さんも企画を考えるときに、小さく考えたら駄目だと思うんです。大きく考える。今やっていることが、すごくなったらどうなるのか?絶対に考えた方がいい。視点の高さが重要です。
スティーブ・ジョブズはなぜすごいのか
濱口:スティーブ・ジョブズは凄いってみんな言いますよね。Appleの製品が売れ始めたとき、「俺って天才?」って彼は思うわけです。
そのあとPixerで成功しますよね。そのときには「俺ってヤバイんじゃない?」って思う。Appleに戻って、iMacをヒットさせます。この時点で「俺は神かもしれない」と思っている。
そして、iPodを出します。当時、デジタルデバイスを作ろうなんて誰一人として考えていなかった。スティーブ・ジョブズだけが、自分を神だと思っている彼だけが、手を出した。
神の視点で何を作るか、どういう体験を作るのか考えたとき、綺麗な音を出すハードウェアには目もくれなかった。もう目線が違うんですよ。
細野:神の目線、ですね。
濱口:そう。自分のビジネスを神の目線で見てみる。業界の神だとしたら、何をするのか。神の視点で考えて、コンセプトを練るべきで。これを日々、やったほうがいい。24時間やる必要はありません。1日のうち、少しでもいいから時間を決めてやるといい。
「神の視点」を習慣化する方法
濱口:「神の視点」は本業でもやった方がいい。自分が会社の社長だったら、会社をどうすべきか。3年後、5年後、10年後どうしたらいいのか。今やっている仕事が転がっていって「あれが全てのスタートだった」と言われるには何をしたらいいのか。社長の目線で考える。社長目線での思考、神の視点での思考を習慣化させることが大切です。
習慣化するためには、何かと連動させるといいでしょう。会社に行ったら必ずすることがありますよね。トイレです。大と小があるけど、小はおすすめしません。大は個室なので、ここを社長室だと思いましょう。
細野:狭い社長室(笑)
濱口:便座に座ったときがチャンス。今の自分の仕事を社長目線でみたとき、このままでいいのか。社長から見たらどうかを考える。
大の個室に入らない日も無理やり入って、1日1回のトレーニングを習慣化する。そして習慣が積み上がると、社長思考のスイッチが一瞬で入るようになります。
副業も同じ。神の目線で考える時間を持つ。お風呂の時間でもいいから、必ず1日に1回、自分が業界の神ならどうするのかを考えることが重要です。
細野:ビジネスポテンシャルの大小ではなく、そのアイディアがすごいことになったらどうなるのか?神の目線でみる習慣をつけないと、起きるものも起きないということですね。
アイディアの質×行動量をあげよう
濱口:結局、どんなビジネスであっても本質は同じ。アイディアの質が高いことと、行動量が大事。球はいっぱい打った方がいいし、バットはいっぱい振った方がいい。ただ厄介なのはアイディアで。
アイディアがピリッとしていないと、後の行動が勿体無くなるんです。
もちろん行動しながら学ぶ、アイディアをチューニングするというのもあるんだけど、先ほどの神の視点とか、アイディアを日々磨くことが結構有効だと思います。
細野:なるほど。まさに僕がFukusenでやっていることに通じるなと思いました。濱口さんが僕の立場だったらどんな支援をしますか?
濱口:やっぱりさっきの二つです。企画をちゃんと作ることと、それをビビらずに行動して回していくこと。そのために、立ち上げの設計をちゃんとする。
みんな立ち上げが意外と荒いんですよ。企画さえ良ければ、立ち上がった瞬間に一人目のお客様がきて、百人目がきて広がっていくと思っている。でもそんな甘くない。一人目から百人目に至るまでの解像度が重要です。
Airbnbに学ぶ、行動を無駄にしないSureな戦略
濱口:どういうことか、Airbnbの事例でお話しますね。多くの人が、Airbnbは素晴らしいサービスだと思っていますよね。あんなに素晴らしいコンセプトなら、投入した瞬間大ヒットしただろうと。でも現実はそう甘くない。実はものすごくSureな(※確実な)戦略で、少しずつユーザーを増やしていったんです。
そもそもバケーションレンタルは、アメリカでは昔からあります。一番有名だったのは、craigslistっていう掲示板です。これがすごい掲示板で、都市別にあるんですよ。1ページものの地域コミュニティサイトです。
細野:町ごとにページがあるんですね。
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濱口:craigslistには、とにかく何でも載ってる。車売ります、家具買います、彼女欲しいです……とかもう何でも。人材募集をすると2,000人くらい応募がきますよ。ここにバケーションレンタルの情報も掲載されていました。
Airbnbは、とある町の、クレイグズリストのサイトをクロールして、バケーションレンタルの情報を掲載した人に、自動でEメールを送る仕組みを作りました。「Airbnbというバケーションレンタルサービスにも、情報を掲載しませんか?」と。
次に、専属のカメラマンを雇って、情報掲載を希望した物件の写真をバンバン撮りにいきました。プロのカメラマンが撮るから、全然違う。クレイグズリストの写真は素人が撮っているから、ソファーのカビまで映ってる。
一方のAirbnbは写真が綺麗だからすぐに成約するし、高く貸せますよね。今度はこの事実を数値化し、クレイグズリストに掲載しているオーナーにDMをバンバン送ります。
細野:うちに掲載すると、決まりますよと。
濱口:そう。これで一気に引き離しました。Airbnbは立ち上げがプランが確実に設計されていたんです。みんなこの丁寧さを見ていない。
だから、まず企画をちゃんと作ります。次に、立ち上げプランとしてSureな、確実なプランを立てる。そしてそれを眺めていてもしょうがないので、ちゃんと行動に移す。行動したら、フィードバックをかけながら回していく。
細野:本当に、それしかないと思います。
濱口:考えることと、動くことの質を高める。どんなビジネスもやっぱり本質はそこでしょう。
細野:ありがとうございます。まさにその2点が、僕がFukusenでやっていることです。最初の企画部分をタイトに考えて、行動フェーズの実験ではどの順番で立ち上げるのかを丁寧に設計する。この部分を引き続き頑張ってやっていくしかないと思いました。
本日は貴重な時間を本当にありがとうございました。Fukusenメンバーを引き連れて、濱口さんの元を訪ねるアメリカ西海岸ツアーも企画させてください!
副業で年商1000万。そのプロセスを、Fukusenがサポートします
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(文/藤井恵)