機械制御システム学科 インタビューvol.7
本学科を2021年4月に卒業し, 本学大学院に進学した斎藤さんにインタビューをしてみました!
―芝浦工業大学に入学を決めた理由を教えて下さい。
鳥人間コンテストに参加したいと思ったことがきっかけです。高校3年生の夏に鳥人間コンテストをテレビで見て、学生がこの飛行機をつくっているということに感動して、コンテストに参加している大学を受験しようと思いました。結局、Team Birdman Trial(芝浦工業大学の鳥人間コンテスト出場団体)は入部して2日でやめてしまったんですけどね(笑)
―ものをつくるということに惹かれたのですか?
それもありますが、小さい頃から人が乗れる大きな乗り物が好きだったということの影響が大きいです。飛行機ってすごいじゃないですか。初めて乗ったとき、飛ぶ瞬間にふわっとした感覚があって、あぁすごいと思ったことは未だに覚えています。
―乗り物は小さいことから好きだったのですね。
そうですね。プラレールとかすごく好きでした。あと、実家が蕎麦屋をしているのですが、出前のときはいつも車の助手席に乗せてもらって一緒に出前をしていました。そういったこともあり、乗り物は小さい頃から好きでしたね。
―飛行機が好きと言っていましたが、航空系の学科は志望しなかったのですか?
一応受けました。落ちてしまいましたが(笑)この学科を調べたとき、いろいろな研究室があって、航空系や自動車系、宇宙系などどれも面白そうでした。私はやりたいことがころころ変わるため、この学科があっていそうだと思い最終的に受験を決めました。
―大学生活で一番印象的だったことは何ですか?
衛星設計コンテストに参加したことですかね。実際に手を動かしてものをつくるということも楽しかったですし、交友関係もかなり広がって、衛星設計コンテストに参加したから得られたものが多くあります。かなり忙しかったですけどね。作業で徹夜してチームメンバーと一緒に朝日が昇ってくるところを見たときは青春を感じました。今思えばいい思い出です(笑)きちんと結果も出せたので本当に良かったです。
―研究テーマを教えて下さい。
自動運転に使うLiDARというセンサがあるのですが、そのセンサとカメラを利用して、センシングの幅を広げるという研究をしています。例えば、LiDARだけでは距離しか測れませんが、カメラを利用することで色の付加ができてより多くの情報を得ることができます。また、個人の研究の他にシニアカープロジェクトというプロジェクトにも参加しています。伊東研にはこういったプロジェクトがあり、実験をしたり大会にでたりしています。具体的な内容としては、シニアカーの自動運転化をすることです。現在多くの企業が自動車の自動運転化を進めていますが、実際の利用例は高級車から、高速道路からというように上からの自動化をしているというのが現状です。しかし、本当に自動運転を必要としている高齢者や身体障がい者はもっと違うところからの開発を必要としています。そこを補うために、シニアカーを自動運転化させようというプロジェクトです。これは自動運転のシニアカーを開発するのではなく、既存のシニアカーに取り付けるだけで自動運転化できる自動運転セットボックスをつくるというところがポイントです。そのためシニアカーの中身はいじっていはいけないという条件があります。今年の9月に実際に試乗実験を行う予定です。
―それを研究と並行しているのはすごいですね。ちなみに齋藤さんはシニアカーのプロジェクトのどの部分を担当しているのですか?
全部やりますよ。参加メンバーも研究室の半分くらいの人員が割かれており、一応担当分けはあるのですが、担当以外のところも全員ができるという感じです。最初の1年は動かし方が全く分からなくて大変でしたが、最近やっと理解できて楽しいです。
―9月に試乗実験を行うとのことでしたが、そこでこのプロジェクトは完成という形になるのでしょうか?
一応1つの区切りではあります。その後もいろいろと調整はしますし、やることはいっぱいありますが、今年度の集大成としてもプロジェクト全体としても9月の試乗実験は大きな区切りです。
―自動車が好きということでしたが、なぜ個人の研究テーマをセンサにしたのですか?
うーん。伊東研の研究テーマの決め方は、はじめに大雑把な研究テーマがあってそこから自分のやりたいテーマを選ぶというのが一般的です。その時に3D LiDARのデータを見せてもらって、すごくかっこよくて...「未来だ!」と感じてやりたいと思い選びました。
―伊東研を選んだのは自動車が好きだからですか?
そうですね。本当に自動車が好きというだけで入りました。また、普通の研究室では認知・判断・制御のどれかしかできないのですが、伊東研は全部できるんですよね。そこが面白そうだとも思いました。一部ではなく全部を知りたいし、全部に関わりたい性格なのですごく楽しいです。
―伊東研の雰囲気はどういった感じですか?
教授との距離がとても近くて話しやすい雰囲気ですよ。先生がよく学生がいる部屋に来てくださるので話す機会はたくさんあります。先輩後輩も仲がいいと思います。特にシニアカーのプロジェクトに参加しているメンバーはずっと一緒にいるので仲がいいです。
ゼミは毎週土曜日午前10時から全員でやっています。先生の方針で、同じ研究室にいる以上はみんなの研究内容を説明できるようにということで、全員で進捗報告をしています。
―卒業後の将来の展望を教えてください。
とりあえず就職します。今のところ自動車系を考えていますが、自動車をつくりたいというより自律モビリティ系をつくりたいです。大きな乗り物というよりは、小さい自律モビリティのほうに興味があります。
―大学院に進学した理由を教えてください。
1つ目の理由は就職で、先ほども言った通りモビリティの開発をしたいため、そのような職業に就くためには大学院へ行く必要がありました。
2つ目の理由は研究で、4年生の時に今のシニアカープロジェクトをやってはいたのですが、動かし方が全く分からなくて...これは1年では無理だと思いました。また、最後までこのプロジェクトを見届けたいという思いもあり、進学を決めました。
―大学院でのこれからの目標を教えてください。
とりあえず今のプロジェクトを完成させることと、自分の研究もきちんと形にして発表したいです。このプロジェクトは他の研究室も参加していますが、メインで動いているのは伊東研です。そのため、これからは他の人を指揮していく立場になるので頑張っていきたいです。
―女子目線で機械制御に入っておいしいところは何ですか?
機械制御システム学科は女子学生が少ないので、先生方から覚えてもらえることが多いです。それがきっかけでいろいろなことに関われるチャンスになりますよ。研究室では女子が私1人なので、力仕事は助けてもらえます(笑)また、伊東先生がおっしゃっていたのですが、自動車系の就職において女性は有利だそうです。自動車ユーザーの半分は女性ですが、実際に作っているのは男性が多いのが現状です。そのため、自動車会社は女性をたくさん採ろうとする動きもあるそうですよ。女子だからといって心配することはないと思います。
―最後に受験生にメッセージをお願いします。
芝浦に入ってよかったなと思うことは、たくさんの機会をくれることです。何かやりたい!と思ったときは、アクティブプランという制度や、周りに一緒にやりたいと思ってくれる人や支えてくれる先輩、先生方がいて、いろいろなことに挑戦することができます。衛星設計コンテストへの参加もそうですし、学生情報誌tot編集部での活動もそうです。
受験生の皆さんに伝えたいことは、受験はただの通過点でしかないので、そこまで悩まなくても大丈夫だと思うということです。大学で好きなことがたくさんできると思うので、自分を追い詰めずに頑張って下さい。