お尻を鷲掴み

2001年のこと。長崎の諫早という所に交換留学で生活を始めた。初めての外国だから何もかも新鮮だった。スーパーで明治のブルガリアを買ってはそれを手に持ってしばらく見てた位。
韓国では1990年代に日本の文化を輸入、販売、鑑賞することが法律的に完全自由となった。とはいえ、本当に有名な歌手のアルバムや映画しか見ることができなかった。私たちは相変わらず劣化したコピー版鉄男(塚本晋也監督)を見てた。
(余談だが韓国で公開した日本映画第一弾は岩井俊二監督のラブレターだった)

諫早には当時OXFORDという大きいレンタル屋があった。私も映画やCDを借りに行った。韓国のレンタル屋とは桁違いの大きさ。探してるドキュメンタリー作品もあったり自分の目にそこはなんでもありな状態に見えた。そして、私は仕切られてるコーナーを見た。それはアダルトビデオコーナー。入るよね。男なら入るよね。
そこには私、作務衣を着てるおっちゃん。灰色のジャージをお揃いで履いたカップルがいた。私はあれがすごく健全だと思った。アダルトビデオが勉強になることはあまりないけども二人で見て燃えればいいじゃないと思った。
私もなんか借りようかなと物色し始めた。で、次の瞬間、さっきのカップルが見えた。なんと彼女が彼氏のお尻を鷲掴みしていたんだ。流石は日本だ!ああいう恥ずいことを堂々と。でもコーナーを出て考えたんだけどあれは彼女の冗談的な行動だんたんじゃないかな。以後、私は鷲掴みという単語を見るたびにアダルトビデオコーナーでのことを思い出す。

終わり。
余談1ーこのOXFORDというレンタル屋は2001年の秋にTSUTAYAに変わる。私も面接を受けたが落ちた。
余談2ーその日、私が借りたアダルトビデオは”隣のお姉さん”的なタイトルだった。
本当に終わり。

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