1.幼少期
母が去り冷たい床で眠る夜 向日葵がやってくるとも知らず
大福のほっぺ摘んで弄ぶなんか知らんけど隣に在った
お揃いのミッキーミニーのトレーナー着ててもポーズはいつもちがって
ばあちゃんち神棚したの額のふち 翔び出さんとす青い姉妹は
菓子を分け氷を分けて知恵を分け空も光もみんな分けたよ
2.思春期
囓りかけの食パン 半分残ったプリン 台所にて分身と遇う
波みたく燦めき笑う天才はわからぬことを「わからぬ」と云う
目に見えぬものを抱きしめ歩く子の上に立たんと醜く走る
プライドを煮詰めて尖らせナイフ研ぐ間にあの子はタオル畳んだ
どこへ行くどこへ行かない先に行く後で行くにも絡む蔦あり
3.今
そういえば。あの頃着てたワンピースの柄が気になる青果コーナー
病院で柔いまぶたを見ていたらきみが誰だか知った気がした
比較され比較してきた子が言った。「姉ちゃんずるいと言ってごめんね」
比較され比較してきた子に言った。「あんたはなんで、そんなやさしい」
短夜にLINE電話で番地訊き 贈る菓子箱 夢で手渡し
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#磨け感情解像度 に参加しています。久しぶりに短歌をつくってみたら、楽しくてびっくりしました。ありがとうございます。
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