風待 栞 (&kiitos)

はじめまして。 ご訪問頂きありがとうございます。 &kiitosという雑貨店を運営しております。 https://kiitostown.base.shop 物にまつわるエピソードや、小さな物語を時々綴ります。

風待 栞 (&kiitos)

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最近の記事

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はじめまして。&kiitosです。

リリリン♪ タマが階段を駆け下りる。 また朝がきた。 これ以上心地よい音色の目覚まし時計を他に知らない。 肩にもたれるテディベアがスヤスヤと寝息をたてる。 顔を洗い、柔らかなタオルで拭う。 ユリの香りの化粧水と乳液で肌を潤す。 あられ模様の鉄瓶がふつふつと音をたてる。 ぽってりとして暖かな手触りのマグカップに白湯を注ぎ、心を整える。 キッチンに立ち、オリーブの木のまな板と、研ぎすぎて小さくなった包丁を取り出し、朝食を作る。 ありふれた日常の中で手にしているたくさんの「モ

    • Imagine

      こっきょう? なにそれ? それよりいっしょにてをつないで Let's sing a song! 風待 栞 #andkiitos #kiitoskirje #imagine #世界平和 #テディベア

      • はじめの一歩

        はじめの一歩が一番怖い。 桜舞う都会の交差点、 密かに拳をギュッと握りしめ、精一杯の勇気でその一歩を踏み出した貴方を、私は心から尊敬します。 その一歩が踏み出せたら、もう大丈夫。 優しい風が貴方を導いてくれるから。 はじめの一歩を踏み止まってしまった貴方。 不安怪獣が頭と心を支配して息が苦しい。 肩を落とし乗った車両に、 同世代の会話が眩しく見える。 無くした物を数える。 貴方の中の賢すぎる評論家が、 貴方をダメな奴だと攻めたてる。 涙が溢れる。 でも、大丈夫。 その経験

        • &kiitos1周年

          ストーリーに出会える雑貨店、&kiitosは2022年3月にスタートし、おかげさまで今月末に1周年を迎えることとなりました。 これもひとえにお客様、作家の方々、皆様のおかげです。心よりお礼申し上げます。 そこでお客様へ感謝の気持ちを込めて、記念セールを開催しております。 人気の陶芸こまがた、四季陶房の商品のうち、「SALE」マークの付いている商品が、通常価格から20%OFFとなっております。 (表示価格はすでに割引後の金額となっております) 商品は在庫限りですので、気に

        • 固定された記事

        はじめまして。&kiitosです。

          田辺さんと酒寄さん(ぼる塾)

          ぽっちゃりとした身体に肩の開いた青いレオタードと白いスパッツ。 そして腰にはエルメスのスカーフ。シャネルの真っ赤な口紅。 女神のように柔和に輝く、いい女の田辺さんに私は釘付けになった。 その隣には、ショートヘアでその美しさをそっと隠した美少女。 それは「猫塾」という芸人さんだった。 あの誰もが真似したくなる声で漫才が始まる。 「女の子で誰が一番可愛いと思う?」 「え?今だと石原さとみ、とかかな?」 「ブー!!!正解は、女の子はみんな可愛いでしたー!この世にブスな女子はいませ

          田辺さんと酒寄さん(ぼる塾)

          アンティークベア

          古時計が明日を告げる。 僕は今日もここで君を待っている。 大人になった君は、 僕のこと、忘れてしまったのかもしれない。 でも僕はちっとも寂しくなんかないよ。 だって、君と僕の思い出は、 今日も空に瞬くこの星の数より、 もっともーっと、 たくさんあるんだ。 桜の公園に空高く舞い上がるブランコ。 突然の雨、銀杏の木の下で雨宿り。 金木犀の香りに誘われ、 風を切って進む自転車から見た、茜色の夕陽。 さようならの体育館で、 君が奏でたグランドピアノ。 海沿い

          アンティークベア

          Forest Angels

          あかりちゃんとひかりちゃん。 かわいいふたごの、森のてんし。 きょうもなかよくおさんぽに。 てくてく。てくてく。 「もしもし、たまごがありますよ。」 にわとりのクックさんが声をかけます。 「ありがとう」あかりちゃんのかごにはたまごがたくさん。 ふたりはなかよくあるきます。 てくてく。てくてく。 「もしもし、ミルクがありますよ。」 牛のムーさんが声をかけます。 「ありがとう」ひかりちゃんのかごにはミルクがたくさん。 ふたりはなかよくあるきます。 てくて

          フクギ並木のトンネルを抜けると目の前にビーチが広がり、 伊江島タッチューを一望できる。 今日も私は三線を弾く。 キジムナーがガジュマルの枝に腰掛け、自慢の笛でリードする。 チントゥンテントゥン テントゥルルン オジィは観光客に自転車を貸して、お小遣いを稼ぐ。 その柔和な言葉の真似をして、学生たちが大笑いする。 キジムナーがウインクすると、3羽のヤンバルクイナが森の奥へと消えて行った。 チントゥンテントゥン テントゥルルン  今日も私は三線を弾く。 キジムナーが笛を吹くと

          恋するシーサー

          旧暦5月4日ユッカヌヒー。 糸満の一大イベント、御願(うがん)バーレーが開催される。 海人たちは伝統衣装を身にまとい 龍や魚や波が鮮やかに描かれたサバニ(船)に乗り込み、 集落対抗戦で競漕する。 幼なじみの翔太は初めての舵取りを任され、 この日のために1年かけて練習を積んできた。 「ゆーみーが帰ってくるってさ。俺の勇姿を見たいんだはずねー」 内地の大学院に通う由美は私の親友の糸満美人で、 翔太の初恋の相手だ。 「ゆーみーに見とれて船から落ちんなよ!絶対優勝してよ!」 翔太は

          恋するシーサー

          手のひらの宇宙

          5歳になったりょうくんがテレビに手を振る。 お金持ちの実業家が宇宙旅行しているらしい。 すごい時代になったな。 そういえば、卒業アルバムに書いた夢は 「宇宙飛行士」だったっけ。 なんとなくそう書けばカッコいい気がしたから。 ただそれだけ。 大人になった僕は、今日も地球の片隅でただひたすらに土をこね、 ロクロを回す。 春も夏も秋も、凍える冬も。毎日、毎日。 工房で遊ぶりょうくんが、 藍色の器をそーっと持ち上げて僕に言った。 「パパはうちゅうをつくってるの?」 藍色のその器

          手のひらの宇宙

          タマの休日。浜下り。

          おひさしぶりです。タマです。 &kiitosがやっとオープンしたよ! いっしょうけんめいはたらいたから、 きょうぼくはみーちゃんとデートさ。 きょう(旧暦の3月3日) おきなわでは「はまうり」といって、 うみでおんなの子のけんこうをいのる日なんだ。 ①浜におりたらミジナティをする。 ミジナティっていうのは、 くすりゆびにしおみずをつけて、 それをおでこに3回つけるぎしきだよ。 ②浜にむかって、 けんこうでいられることに かんしゃといのりをささげる。 ③しおみずにてあし

          タマの休日。浜下り。

          童神

          浜辺の茶屋から三線の音色が聞こえる。 イノーで水遊びする子供達の小さな手のひらで、真白なサンゴがキラキラ輝く。 まだ観光客も少ない、うりずんの季節。 4年前、 自分のルーツが沖縄にあることを知った私は 彼と2人、初めてこの島を訪れた。 甘酸っぱい香りと、湿度の高い空気。 那覇空港にはこれからの旅の計画を立てるワクワクした会話と、 旅の思い出を名残惜しそうに語らう声が交差していた。 曽祖父母のお墓は那覇から車で1時間の南城市にあった。 亀甲墓という大きなお墓には小さな入り口

          スマイル

          サイクル株式会社では ただいま 免疫力アップキャンペーン 実施中! 合言葉は「笑顔で免疫力を上げよう!」 →パパのスマイル→ママのスマイル→キッズのスマイル→グランパ・グランマのスマイル→・・・ この機会に笑顔の循環を始めてみませんか? 今なら無料でお試しいただけます! Smile can change this world.

          唄遊人(うたあしばー)

          ヘルメット、手拭い、ニッカボッカ、そして三線。 それが僕達のステージ衣装。 唄うのは「汗水節」。 陶芸家のいっちゃん、神出鬼没のアッキー、薬剤師のモリマスの3人組。 全くタイプの違う3人組。 どんなに緊張する舞台も、3人一緒ならいつも楽しかった。 沖縄が大好き。三線が大好き。 その思いは今も色褪せない。 またいつか一緒に唄おう! この度、陶芸家のいっちゃんが働く益子焼の「四季陶房」さんが、 &kiitosのために陶器を卸してくださることになりました! 本当に本当にあり

          唄遊人(うたあしばー)

          さんしんの日

          「すべての武器を楽器に」 絵空事でしょうか? 明日3月4日は三線の日。 祈りを込めた癒しの音色が世界中に響きます。

          美童ぬ旅路

          首里の城下町、松川にある小さな診療所。 卒業式を終えた私は、今日、ここから旅立つ。 医師である父はタマキのおばぁのゆんたく相手に忙しい。 看護婦の母の算盤を弾く音がパチパチと響く。 「じゃぁ、行ってこようね。」 いつも通り、家を出た。 屋上のシーサーが私に微笑んでくれる。 庭先のデイゴは蕾が膨らんで、もうすぐ花が咲きそうだ。 安里駅の手前にある栄町市場に、おばぁの惣菜店がある。 「おばぁ、身体に気をつけてよ。」 「ちゃーがんじゅうよー。心配いらんさー。」 もっと強くなり