初めてのアートフェア「アートゲント」体験記:夢と現実の間で気づいたこと
2011年、ベルギーのゲントで開催された「アートゲント」(Art Gent)に参加するという夢が叶い、初めてアートフェアの舞台に立つことができました。
アートフェアはアートの見本市であり、来場者はアート作品を購入するために訪れます。
これまでの努力が実を結び、「これでアートで食べていけるかもしれない」と胸を高鳴らせながら新作を携えて挑みました。
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日本からベルギーまで飛行機で渡り、さらに列車を乗り継いでゲントの街へ向かう旅は、まるでファンタジーの世界に飛び込んだような体験でした。
街並みは「ハリーポッター」の世界に似ており、異国情緒と現実が入り交じる景色に圧倒されました。
幸い、アートゲントの会場に徒歩で行けるホテルに宿泊していたため、移動に余計な時間をかけず集中して準備することができたのも良かった点です。
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アートフェアに到着すると、会場の広さと多様な作品の展示に圧倒されました。
写真のカテゴリは少なめで、全体の5%ほどしかありませんでしたが、絵画や立体作品は非常に多く展示されており、規模の大きさに「これが海外のフェアか」と実感させられました。
来場者も子供からお年寄りまで幅広い層が訪れ、家族連れでアートを楽しむ姿があちらこちらで見られたことには驚きました。
アートが「日常の中に当たり前に存在するもの」として愛されている様子は、日本とは異なる文化の背景を感じさせました。
この光景を見て、日本でもアートが日常生活に根付くには時間がかかると感じました。
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とはいえ、現実は思い描いていたものとは違いました。
作品は飛ぶように売れていくのかと思いきや、実際にはそう甘くはありませんでした。
購入を決めるまでの来場者の視線はとてもシビアで、「アートフェアに参加するだけで生活が成り立つものではない」という現実に直面しました。
売れるかどうかは様々な要素が絡むため、単に参加すれば成功するというわけではなかったのです。
正直、この現実を知ったときには大きなショックを受けました。。💦
作品が売れることで制作環境が改善されることを期待していた分、失望も大きかったのです。
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しかし、この経験が私にとって大きな気づきの機会となりました。
次のフェアでは、どのようにすればより良い結果につながるのか、自分の作品や展示方法を見直し、改善点を模索しました。
少しずつですが、その後の展示では作品が売れる機会も増えていき、今では多くの感謝の気持ちでいっぱいです。
あの初めての展示での厳しい体験があったからこそ、今の成果に対する喜びもひとしおです。
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この体験を通して学んだことは、夢と現実の間にあるギャップをどう埋めるかということでした。
アート活動は一筋縄ではいかない部分が多く、試行錯誤の連続です。
それでも、自分の作品が人の心に響き、少しでも喜んでいただけることが私のやりがいとなっています。
もし、これからアートフェアに挑戦しようと考えている方がいれば、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。