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Kiiro(キイロ) 写真作家 油絵の塗り重ね技法を基にしたフォトモンタージュで作品を…

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Kiiro(キイロ) 写真作家 油絵の塗り重ね技法を基にしたフォトモンタージュで作品を制作。海外で活動。2016年フランスの写真祭「ラ・ガシリー」選出。翌年フランスの写真アワードの審査員を務める。アートフェア東京にてエモンフォトギャラリーブースにて展示。現在は写真教室を運営。

最近の記事

30歳の転機がもたらした新たな創造の道

30歳になった時、私は大きな転機を迎えました。 振り返ってみると、それは今の私のアート活動の原点とも言える重要な時期でした。 当時は自分が何かを成し遂げたとは思えず、20代や10代で積み重ねてきた努力が形になっていないように感じていました。 何かが違うのではないか、自分のアートへの向き合い方に根本的な変化が必要なのではないかという思いが強くなり、試行錯誤が始まりました。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ 新たな繋がりと視野の広がり 30

    • 柔軟な心が道を開く:コスモス畑が教えてくれた新たなアートの可能性

      私が30歳のとき、今までのやり方にこだわらず、新しい行動を起こす大切さに気づかされたきっかけは、ある一つの出来事でした。 それは、友人の勧めで訪れたコスモス畑でした。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ 正直なところ、それまで私は花を撮影しに行くこともなく、花そのものに特別な関心を持っていませんでした。 しかし、何か新しいことを試してみるのも良いかもしれないという気持ちで、そのコスモス畑に出かけることにしたのです。 ✧ ・゚: *✧ ・゚:

      • 新たな一歩が道を開く:30歳の挑戦から学んだ、変化を楽しむアートのすすめ

        30歳で私はこれまでのやり方に固執せず、新たな行動を起こすことがどれだけ大切かを身をもって知りました。 それまでは、家の中で長時間制作に没頭し、同じやり方を繰り返すことが最良の道だと思っていました。 しかし、体調を崩し、精神的な疲れを感じたことで初めて、今までのやり方を変える必要があることに気付いたのです。 ✦  ✧  ✦  ✧  ✦ 新しい行動を起こすのは簡単なことではありません。 自分が長年培ってきたやり方を手放すのは、不安や抵抗も伴います。 それでも、私は思

        • 制作の本質を考える:私たちが生きる世界の道理

          今回は制作について少し深い話をしていきます。 なぜ作品を制作するのか? その本質を探っていきましょう。 制作の本質を探るとき、私たちは避けて通れない問いに向き合います。 それは、「人生とは何か」「人間とは何か」、そして「なぜ命には限りがあるのか」「死後には何があるのか」といった根源的な疑問です。 これらを深く掘り下げていくと、多くの人が「親」という存在に思いが至るのではないでしょうか。 ✦  ✧  ✦  ✧  ✦ 生まれてすぐの赤ん坊は一人では生きていくことがで

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          ヨーロッパの蚤の市で見つける一点物の魅力と、作品制作へのインスピレーション

          ベルギーのゲントを訪れたとき、地元の蚤の市(フリーマーケット)に足を運びました。 そこには銀の食器や古い船のライトなど、アンティークの品々が並べられており、どれも歴史を感じさせる独特の存在感を放っていました。 私は古いものが好きで、海外に行くと必ず蚤の市を訪れるのですが、ヨーロッパの市で見られる古いものには特に心が惹かれます。 今回は、蚤の市での発見や、その魅力がどのように私の制作活動に結びつくかについて書きたいと思います。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *

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          初めてのアートフェア「アートゲント」体験記:夢と現実の間で気づいたこと

          2011年、ベルギーのゲントで開催された「アートゲント」(Art Gent)に参加するという夢が叶い、初めてアートフェアの舞台に立つことができました。 アートフェアはアートの見本市であり、来場者はアート作品を購入するために訪れます。 これまでの努力が実を結び、「これでアートで食べていけるかもしれない」と胸を高鳴らせながら新作を携えて挑みました。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ 日本からベルギーまで飛行機で渡り、さらに列車を乗り継いでゲント

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          散歩で生まれるアイデア:リフレッシュのすすめ

          創作活動やアイデア発想に行き詰まった時、どうリフレッシュして新たな発想を得られるか、悩む方も多いかと思います。 私がおすすめしたいのは「散歩」です。散歩を取り入れることで、頭がクリアになり、考えが整理され、新しいアイデアが生まれやすくなります。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・ 1. 散歩で頭をリセットする 散歩は、心を整え、創作にとって非常に効果的なリフレッシュ方法です。 自然の中を歩いたり、静かな道を散策することで、外気に触れ、太陽

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          写真作品をフォトブックにまとめる:ストーリー性を持たせる構成のコツ

          写真作品をフォトブックにまとめる際には、写真の並べ方にストーリー性を持たせることで、一冊の本としての流れを作り出すことが重要です。 これは、映画や物語のような展開をイメージして構成することに近く、ページの順序と見開きの構成に特に注意を払うと、より完成度が高いフォトブックが作れます。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ 1. ストーリー性のある流れを意識する フォトブックは、始まりから終わりに向かって進む「連続性」を持つメディアです。 写真をど

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          成功における運の重要性について - 海外展示での経験から感じたこと

          成功には運の要素が必要か、それとも不要か—これは多くの人が議論するテーマです。 私は自身の経験から、運は間違いなく必要だと感じています。 それを強く実感したのは、2011年、ニューヨークでの展示に参加したときでした。 当時私は無名でしたが、日本の若手写真作家11人の一人に選ばれ、ニューヨークで作品を展示する機会を得ました。 ✦  ✧  ✦  ✧  ✦ その展示で、日本と海外の写真文化の違いを明確に感じました。 海外では、若手と実績ある作家の境界が曖昧で、表現者とし

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          展示会でのマナーを守ろう!写真撮影に関するエピソードと注意点

          展示会を開くと、たくさんの方々が訪れてくれます。 知り合いだけでなく、初めてお会いする方や、通りかかって興味を持ってくださった方など、さまざまな来場者が集まります。 その中には、「写真を撮っても良いですか?」と尋ねられる方もいらっしゃいます。 当初は特に気にせず、「どうぞ」とお答えしていたのですが、ある展示会で少し困ったことがありました。 ✦  ✧  ✦  ✧  ✦ ある来場者が「撮ってもいいですか?」と尋ねてきたので、快く許可を出しました。 ところが、その方は展

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          他者の評価とアートの本質をどう受け止めるか – 柔軟であることの強さ

          アートの世界にいると、時折、作品に対して思わぬ評価を受けることがあります。 たとえば、私のコスモスの写真作品に対して「わかりやすい」「売れやすいからいいですね」というコメントが寄せられることがあります。 そのような評価には、表面的な解釈しかされていないという悲しさを感じると同時に、時には嫉妬の感情も含まれているのではないかと思うこともあります。 ✦  ✧  ✦  ✧  ✦ 確かに、花というモチーフは一見シンプルで親しみやすく、難解なアートとは異なるように感じられるかも

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          人生の転機とコスモス—私がコスモスを作品のテーマに選び続ける理由

          私がコスモスをテーマに作品を作り続ける理由についてお話ししたいと思います。 振り返ってみると、私はかつてコスモスや花に特別な興味を持っていたわけではありません。 どちらかというと、花に関心を持たない人間だったと言えます。 しかし、ある出来事がきっかけで私はコスモスと出会い、そしてその出会いが私の人生や制作に大きな変化をもたらしました。 ✦ ✧ ✦ ✧ ✦ 私は30歳を迎えたとき、自分が夢見ていた目標にはまだ程遠い現実と向き合っていました。 10代から20代、そして

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          10年理論 - 大きな目標を達成するための時間の捉え方

          序章: 10年理論とは何か 提唱する「10年理論」とは、何か大きな目標を達成するには少なくとも10年という期間が必要である、という考え方です。 人生を振り返り、私自身の経験から、この理論に気づきました。 ある分野で成果を上げるまでには、ただ時間を費やすだけではなく、計画的かつ真摯に取り組み続けることが大切だと感じています。 ✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ ・゚: *✧ 高校時代の夢と憧れ 私がこの理論に気づいたきっかけは、高校時代にまで遡ります。

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          コロナ禍が教えてくれた、ゆっくりとした挑戦の大切さ

          コロナ禍で、私たちの生活や仕事は一変しました。 2020年には私も、予定していた展示会がすべて中止となり、これまでのような表現活動が不可能になりました。 この突然の状況に戸惑いながらも、自分にとって表現の場が無くなることがどれほど大きな意味を持つのかを考えるようになりました。 やがて、活動を一時休止して休息の時間を取るか、それとも今できることを模索して取り組むか、二つの選択肢が心に浮かんできました。 そして、この時期を新たな機会と捉え、忙しすぎた生活から少し距離を置き

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          展示会での挫折から学ぶ成功のヒント:悩める表現者へのエール

          序章: 自己挑戦のスタート 私が写真作品を初めて展示し始めたのは、2009年から2010年のことでした。 その時、月3回の展示を目標にしました。 月1回では自分の成長が追いつかない気がして、かといって月4回では生活とのバランスが取れない。 そこで、「月3回なら少し無理をすれば何とかなる」と考え、挑戦を始めたのです。 この「月3回の展示」という試みが、今の私を支える大きな経験の原点となりました。 ✦ ✧ ✦ ✧ ✦ 批評と誤解から学んだこと 展示を通じて、様々な人

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          自然をテーマにしたフォトモンタージュとフォトコラージュの世界 ー 巨匠から現代の若手作家まで

          はじめに: 自然とフォトモンタージュの親和性 自然や植物、花といったテーマは、フォトモンタージュやフォトコラージュにおいて多くの作家に愛され、作品の中に豊かな生命力や繊細さをもたらしてきました。 こうしたモチーフは、単なる現実の再現にとどまらず、作家の解釈によって幻想的な世界や哲学的なメッセージを表現する手段として用いられています。 本記事では、自然をテーマにしたフォトモンタージュやフォトコラージュで注目される巨匠から現代の若手作家までのアーティストをご紹介します。

          自然をテーマにしたフォトモンタージュとフォトコラージュの世界 ー 巨匠から現代の若手作家まで