【読書記録】恋せぬふたり
図書館で、恋せぬふたりがあったので借りてみた。
昔ドラマしてたよね、高橋一生主演で。
観たかったけど、観れなかったドラマ。
アセクシャル、アロマンティック、どきっとする単語が並ぶ。
なんてったって、「自分ももしかして………」と一時期めちゃくちゃ調べた単語だったからだ。
読んでみると、咲子や高橋さんの思ってることがまあ刺さる。
なぜ結婚するのが求められるんだろう。なぜ全て恋愛感情に結びつけられるのだろう。なぜ好きな人ができて当然だと思うのだろう。
「恋愛」ということに関して、人はすごく比重を置く。関係が深くない人であっても、盛り上がる話題の一つとして恋バナが出てくる。
「恋愛って素敵だよね。恋愛はしない人なんていないよね」という共通認識があることを前提として話が進むことに、すごく違和感を感じていた大学生時代を思い出した。
セクシャリティについて調べるくらいには、恋愛にコンプレックスがあった私。
そうだよね〜!そういうの抜きにして楽しく関わりたいんだよね〜!
咲子のカズくんへの気持ちに同意ばっかりである。
多少「いや、さすがに気づこうよ」と思うところもあったが、「いやでも私が気づけることが誰しもが気づくとは限らないのか」と自分の常識観を見返すきっかけにもなった。
他者と違うことにネガティブな気持ちになりやすい私にとっては、それぞれの形で良いのだというメッセージをくれるこのお話は読んでて気持ちが楽になる。
落ち込んだとき、人とすれ違ったとき、心がちょっと沈んだとき、そんな時にもう一回読みたいなと思った。