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何にもできないけど人に頼むのは上手い人が羨ましい

僕は、子どもの頃から比較的優等生味のある存在だった。
勉強はそこそこでき、本もよく読み、生活態度も悪くはなかった。

与えられた課題はすぐ理解でき、要領もよく、何でもひと通りは自分でやり切ることができた。

そして気づけば、人に頼るのが苦手になった。


できないことがあまりにも怖い

高校から始めた吹奏楽は、大学でも続けた。
吹奏楽をしているとコンサートに出演する機会がある。

ファミリー向けのカジュアルなコンサートは、曲の演奏だけではなく、しばしば劇やダンスを交えたりした演出を行う。

僕は決まったことを決まった通りに表現したりすることは苦手で、要は劇やダンスが得意ではない。
(よく考えたら、ソロで吹くのも得意ではない。)

それなりにできるスポーツや作業は、自分の頭でなんとなく動作がイメージでき、できるばかりの気持ちで挑戦するから気楽で、たとえできなくても嫌な気はしない。

しかしイメージできないことをするとき、試しにやってみることに大きな壁が立ちはだかる。
パフォーマンスとして行う劇やダンスは、僕にとってかなり厳しい。

だからといって、誰かに代役を頼んだりすることはできなかった。

自分が嫌だと思っていることを人に頼むのは気が引けて、どう伝えたらいいかわからない。
「できない」と言うのは甘えているようでなさけない。
本当にできないのかという疑惑もある。


そんな僕だが、当時は学生指揮者という荷が重い役を与えられ、なんとか2年間をやり切った。
振り出しはミスをしないかというプレッシャーを感じていたが、それ以外はとても楽しく指揮棒を振った記憶がある。

指揮の役割は事前に決めたお約束をもって、曲が最後まで演奏されるように指示を出すものだが、当時は「こうしなければならない」という重圧は感じず、ライブ感を楽しんでいたような気がする。

(この記事とは関係ないが、僕はチームの中で決められた役割を持って歯車的な責任を負うのが苦手で、指揮の役割のような個人で負える責任は気が楽なのかもしれない。)


新卒で社会人になり損ねた

新卒で入った会社は、2週間で辞めた。
仕事がどうこうの前に、新採用研修で適応障害気味になった。
診断はもらわなかったが、体調が乱れた。

研修では、たくさん試された。
時間を計測しながらの計算、A4の文章の暗唱、あとは忘れた。

気づいたら吐き気がして涙が出ていた。
無理だと確信して心が折れていた。
できるイメージがしなかった。

そして、部屋を引き払い実家に連れて帰られた。


自分ができないと信じきっていることを、それでもやらないといけないと信じてしまったとき、心は簡単に折れてしまう。

今はなんとなく知っているけど、助けを求めることができなかった。

その後、僕は地元の役場で臨時職員として拾っていただき、無事に社会復帰を果たした。


そして、また繰り返す挫折

僕はまた適応障害気味に陥った。
あくまで「気味に」だが、確実に体調にあらわれた。

今回のメンタル不調は、入社したばかりの会社での立ち回り方や自分の境遇について、思うことはあるがなかなか言えない自分に対してストレスが溜まったような気がする。

上手くいっていないことがどうしてもストレスで、腑に落ちない説明ができないこともストレスで、もっとこうしたらいいのにとかって思うことはひとりではなかなか現実にはできず、しんどくなってしまった。

しんどくなる前にと思って、話はしていた。
上司も話を聞いてくれたし、柔軟に対応してくれた。
変えようと話したことを感謝もしてくれた。

それでも言いたいことの本質的な部分は言い淀み、良く考えたらまだ言えていない。


自分に取れる責任と取れない責任があり、これを話すには責任が取れない気がしている。
とかなんとか考えていたら、気づけば自分がキャパオーバーを起こしてしまった。

まったく面目ない。

相変わらず気づけばひとりで抱え込み、しんどい思いをするのを繰り返しているので、もうそろそろやめたい。

とはいえそう簡単には治せるとも思えないので、今後も繰り返していくのだろう。

今後もいつひとりで思い悩んでしんどくなってもいいように、誰かに頼れるような環境を保てるよう心がけるしかない。

ああ、他人に頼るのが上手いひとが本当に羨ましい。



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