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幼い頃、硬い肉がどうにも飲み込めず口から出してしまっていた。噛み切れずに残った味のしない肉塊が嫌いだった。 なにをするにもゆっくりで、どこかマイペースなところがあった。容量がいい方ではなかったし、それは今でも変わらない。 親が離婚し転校するまでは、誰の言葉にも鈍感だった。環境が変わっても変わらない、そんなものはひとつもなかった。わたしの心も変わってしまった。投げ付けられたのは知らない言葉ではなかった、その言葉が辛かったわけでもなかった。 突き刺さる視線にたじろいでしまったが