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幼い頃、硬い肉がどうにも飲み込めず口から出してしまっていた。噛み切れずに残った味のしない肉塊が嫌いだった。 なにをするにもゆっくりで、どこかマイペースなところがあった。容量がいい方ではなかったし、それは今でも変わらない。 親が離婚し転校するまでは、誰の言葉にも鈍感だった。環境が変わっても変わらない、そんなものはひとつもなかった。わたしの心も変わってしまった。投げ付けられたのは知らない言葉ではなかった、その言葉が辛かったわけでもなかった。 突き刺さる視線にたじろいでしまったが
果たされることのなかった約束。 いつまでも覚えている。未練がましい約束だ。あなたと約束してから、10年近く誰と付き合っても、その約束をした。あなたが見せてくれると言ったひまわり畑。 あれから13年も経ったというのに、未だに見ることが叶わない。 あなたを含め誰ひとりとして、わたしにひまわり畑を見せてはくれない。どこかで叶わないことを願っているような気さえしてしまうほどだ。 この約束という名の呪縛を残したあなたを恨めもせず、思い出として約束だけが残ってしまった。 あと何年
数年前のこと。まだ独身だったと思う。 わたしにとっては、とても追い詰められていてやっとの思いで息をしていた。 とてもじゃないけど落ち着かなくて、不安でどうしようもなく頼りの綱である姉に電話をした。 何がきっかけでそうなったのか覚えていないけれど、その時の言葉だけは、はっきりと覚えている。 印象的というよりも、衝撃的だった。正にその通りだと思ったから。何より姉妹でどうしてこうも正反対なのかと自分に対して呆れた。 姉はわたしの憧れで、いつも背中を追いかけていた。追いつくこと
何となく好きだったバンドの曲を聴けずにいる。 高校生の頃、外の音が聞こえないくらいの音量でイヤホンをして耳を塞いで机に突っ伏していた。 わたしにとって、すべてが雑音だった。授業中もこっそりと内ポケットにWALKMANを忍ばせ、イヤホンコードを袖から通して聴いていた。 それくらいには音楽が好きだったし、わたしにとっての盾のようなものだった。 UVERworldが好きだった姉に影響されわたしもよく聴くようになった。歌詞を覚えて、曲名を当てるとかそういうのは出来ないからファン