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53歳、ドイツ語の勉強を2年続けてみたらA1(初心者)→B1(中級)に到達できた

51歳からドイツ語を学び始めて2年経ちました。
50代から新しい語学なんて我ながらどうすんねんと思いましたが、2年間やってみた結果、「中高年の語学学習は意外と進むし、とても楽しい」ということをお伝えしたいと思います。


ドイツ語を始めたきっかけ

新型コロナのパンデミックの前年にドイツに行ったのがそもそもの始まりでした。ドイツを旅しているときは、その後2年間もドイツ語をやることになるとは全く思わなかったのに、人生ってわからないものだなと思っています。

自分専用の「地図」をつくる

せっかく始めた勉強なので、まずは自分が到達したいレベルと、そこにたどり着くまでの道筋を整理して、自分なりの「地図」をつくることにしました。

よく例え話をするのですが、「大阪から東京に行きたい!と思ったときに、何も持たずにいきなり家を飛び出して、そのまま走りだしたりはしないと思います。少なくとも、日帰りなのか、滞在するのかを決め、使用する交通機関を決め、それなりのお金や持ち物を準備してから出かけるのではないかと思います。

なのですが、私は英語を学習したときに「何も持たずにいきなり家を飛び出してそのまま走り出す」ことをやらかしてしまっていて、目的地に着くまでに随分余計な回り道をしました。

例えば、
自分では順調に東京に近づいているつもりがまだまだ京都にも着いてなかった(TOEICで自分が思っているよりずっと点数が低かった)とか、

準備をしなかったので、浜松まで来たのに名古屋に忘れ物をとりに引き返したり(TOEICの点数だけが稼げるようになったが、発音がサッパリで基礎練習に戻る)、

箱根を越えるときに上着を持っていなくてとりあえず重ね着でしのぐ(外資系企業に入ったときに基礎的なビジネス英語を全く知らなかったので恥をかいた)などなど。

ということで、ドイツ語に関して私は大まかな学習目標をたてて、そこから逆算して「いつ何をしなければいけないか」という考え方で勉強を進めることにしました。

「地図」をつくる上で、「ターミナル駅」のようなわかりやすい目的地になってくれたのが、語学の試験です。

語学試験を使って目標を明確にする

最初はどの試験がどのくらいの難易度なのか、自分のレベルの試験がなんなのかが全くわからなかったのですが、CEFRという外国語学習の共通参照枠があるのですね。全く知らんかった。Googleで検索したらこんな表がでてきました。

画像はどこかの語学スクールから借りてきました。

試験って賛否両論あると思いますが、なんやかんや言って「その語学を使って生活する上で、一番使う頻度が高いこと」について聞かれるので、やるべきことも明確ですし、モチベーションも保ちやすかったです。

自己紹介を取ってみても各レベルによって言い方も言える範囲も全然ちがうので、「自分がどんな風に話せるようになりたいか?」で目標レベルを決めました。

A1(初心者)私は●●です。XXに住んでいます。仕事は▲▲です。あなたはどこから来ましたか?
A2(初級者)こんにちは。私は●●です。お会いできてうれしいです。XXに住んでいて、▲▲という仕事をしています。あなたの住所はどこですか?
B1(中級者)初めまして。●●と申します。お会いできて光栄です。XX在住で職業は▲▲です。お住まいはどちらですか?

あるアメリカ人のお姉さんが自分の語学学習の進歩をレベルごとに記録していました。これを見ると、A1(初心者)とB2(中上級)が全然違うので目指すレベルがものすごく明確になりました。

私はここまで速く習得はできないけれど、自分が到達したい最終地点のイメージを明確にしておいたのは、学習を進める上でとても役に立ちました。

最終目標のイメージも大事なのですが、途中経過も「見える化」することで現在地が把握しやすくなります。

2年間で初心者(CEFR:A1)から中級(CEFR:B1)へ

さて、そんな感じで2020年の4月から勉強を始めて、2021年の2月にA1レベル、2021年の8月にA2 レベル、2022年にB1レベルに到達することができました。英検でいうならB1レベルはざっくり準2級〜2級レベルくらいだそうです。

「この試験に合格して、証明できるドイツ語力は …
・明瞭な標準ドイツ語が使われ、仕事、学校、余暇などの身近な事柄が扱われている場合に、主な情報を理解することができます。
・ドイツ語圏を旅行する際に出会うほぼすべての状況に対応することができます。
・身近なテーマや興味のある領域について、簡単な表現でまとまった内容を伝えることができます。
・自分の経験や出来事を説明したり、夢や希望、目標について詳細に述べることができます。また、計画や見解に簡単な論拠や説明を加えることができます。」
(以上、ゲーテ・インスティチュートのWebサイトより抜粋)

お姉さんの動画で行くと4:00-4:45 あたりですね。今の私もまさにこんな感じ。ちょっとたどたどしいところもあるし、文法も間違うけど、一応文章として話すことができて、ドイツ語しか話さない人とも基本的なコミュニケーションが取れるレベルです。

自分の語学力を客観的に人に説明できる物差しがあると、自分自身の進歩もよくわかりますし、たとえ不合格になったとしても次にやることが明確になるので、資格はとらなくても試験を受ける意義は十分あると思います。

B1(中級)に到達するまでにやったこと

この2年間で私がやったことは非常に地味です。
無料のレッスンを上手に使ったわけでもなく(普通にお金も使いました)、
優れた記憶力があるわけでもありません。

継続できた理由を挙げるとするなら、身もフタもないですが「自分が楽しめる方法を見つけてそれを繰り返したこと」に尽きます。語学はとにかく継続してナンボなので、継続しやすくするための出費はあまりケチらなかったのですが「●●日ですぐにペラペラ!」的なものには手を出さないようにしました。(英語の時で懲りた)

語学以外でも、何をするのでも「自分にあった方法で継続する」ことが結局一番大切で、やった分だけ結果は出ます。「もういい年だから」といって諦めなくてよかったなと思います。

  1. 毎日ドイツ語に触れる
    NHKのラジオ講座(15分)は毎朝の目覚まし代わりに聞く。気が向いたらドイツ語のポップソングを聴く。(このためにApple Musicに加入)歌詞を見ながら(意味がわからなくても)とにかく口に出す。ドイツ語ニュースやラジオ、ドラマなど、とにかく短時間でも何かドイツ語に触れる時間を作る。

  2. 単語アプリを毎日開く
    Anki」という単語学習アプリ(無料)をiPhoneに入れて、単語リストから、毎日20個くらいずつクイズを解いていく。間違えたところは自動的に数日後に繰り返される。毎日やれば20個くらいだが、サボるとその分が累積して最大1日200件になるので、週末に200個まとめてやったことも多々あるが、自動的に繰り返してくれるので習慣になればけっこう便利。

  3. ドイツ語レッスンに通う(週1回、90分)
    週1回、ドイツ語教室で文法の説明と会話のレッスンを受ける。宿題は必ずやって、疑問点があれば次回のレッスンで質問して解決。学習仲間ができたことが一番の収穫。

  4. ドイツ語学習サイトで練習する(Vhs Lernportal)
    偶然見つけた無料の学習用サイト。無料とは思えない豊富な練習問題と実際の先生が添削してくれるサービスつき。ドイツ国内の移民向けサービスらしいが、スキマ時間にも充実のレッスンが受けられる。

  5. 試験前は過去問題集で練習する
    試験の前は受験レベルに合った過去問題集を購入し、それを繰り返し解いて、間違ったところをテキストなどで確認。スピーキングの対策はドイツ語教室やオンライン会話などを利用して練習。

超おすすめドイツ語学習サイト(vhs Lernportal)


勉強方法は人それぞれ、とは言ったものの、上記の勉強法の中で私が超おすすめしたいのはvhs Lernportal という学習用ウェブサイトです。PCからもスマホからも使えます。

https://www.vhs-lernportal.de/wws/9.php#/wws/home.php

海外のYouTubeを見ていたらその中でオススメされていたサイトで、私も偶然見つけたのですが、無料とは思えないほどの充実度です。

メールアドレスだけで登録できて、文法レッスンあり、音読あり、独作文あり(添削つき)、単語の練習問題あり、レベル別にこれでもかと言うほどの豊富な情報が盛り込まれていて、内容も実際の生活に出てくるシーンばかりなので、とても実践的でした。

レッスンが1話ずつアニメの短編になっていて、登場人物もアフガニスタンやイランからの移民家族、ポーランド人のシングルマザーなど、かなりリアルな設定です。

登場人物がドイツで生活する上で直面するであろう「ありがち」な経験を学習テーマにして、ドイツの法律や学校制度、職業訓練、保険・金融の手続きなども紹介されています。

担任の先生がついて、メールで質問したら親切に回答してくれます。AIじゃなくてちゃんとドイツ人の先生です。くどいようですが完全無料
(2024年6月追記:残念ながら利用者の急増により、担任制度は廃止、完全独習システムになったそうです。システム自体はわかりやすいので、練習問題を解いて、間違っていたら該当の章に戻る、というやり方に変わりました。

ゲーテ・インスティチュートの試験では、vhsのレッスンでみたことのある単語やフレーズも頻繁に登場したので、期せずして試験対策にもなりました。それだけ実践的な内容ということなのでしょうね。

あまりこのサイト使ってる人見ないのですが、ホンマにみんな知らんの!?と言うくらい優れたシステムです。全ドイツ語学習者に広めたい。

ドイツ語教室も仲間ができて楽しかったけど、いかんせんお金がかかるので「無料でレッスンを受けたい」人にはこれ以上の充実した学習サイトはないと思います。

このサイトで学習したのはA2とB1レベルですが、B2レベルは職業訓練としてもう少し実践的な内容になっていました。B2レベルに到達するためにはまた何か新しい教材を探そうと思っていますが、無料でここまで至れり尽くせりのものはそうそうないと思います。

さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました。

55歳の誕生日までにはB2レベルに到達することを目標に、もう少し頑張ってみようと思います。ドイツに行って友人たちと会えるようになるのはいつになるかわかりませんが、ここまできたら、日本国内で行けるところまで上達して、現地の友人たちをびっくりさせたくなってきました。

50代は若くはないけれど、平均寿命を考えて残りの人生がまだあと20年以上あると思ったら、何かを始めるのには全然遅くないとわかったことも嬉しかったです。

パンデミックは災難でしたが、おうち時間が増えたことで新しいことを学ぶ時間ができたのは幸運でしたし、学び続けることができた環境にも改めて感謝しています。


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きいこ
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