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質問にはワンセンテンスで答える

最近寒くなってきましたね🥶
ということで、唐突ですが病状説明編part2です。いつも僕らを困らせる病状説明、その助けになれば幸いです。

病状説明といっても大抵の場合、こちらが説明するのは数分〜長くても15分くらいと思います。しかし実際にやってみるとその倍以上時間がかかります、なぜなら患者さん側から色々と質問がくるからです。

例えばこう言う経験はないでしょうか↓

家族「先生、それで主人は良くなるんですか?」
医師「そうですね‥。先ほどもお話ししたように、レントゲンで肺の影が悪くなっています。酸素の量も増えてきてますし、尿量も減ってきてますし、クレアチニンも上昇傾向です。それに昨日の検査では〜」

「米国緩和ケア専門医が教える あなたのACPはなぜうまくいかないのか?」より一部改変

このような回答はあまり良くありません。

今回は、病状説明にありがちなミステイクとその改善方法を紹介します。以前紹介したこちらの本の内容も引用させて頂きました🤏


質問にはシンプルに答える

さて、冒頭の場面です。

家族「先生、それで主人は良くなるんですか?」
医師「そうですね‥。先ほどもお話ししたように、レントゲンで肺の影が悪くなっています。酸素の量も増えてきてますし、尿量も減ってきてますし、クレアチニンも上昇傾向です。それに昨日の検査では〜」

「米国緩和ケア専門医が教える あなたのACPはなぜうまくいかないのか?」より一部改変

実臨床でもよくあるパターンと思います。これの何がいけないかというと、もともとの質問である「良くなるんですか?」に答えてません。

最後に結論を持ってくるとわかりにくい

結論に辿り着くまでの情報量が多すぎて、相手が理解できないわけです。こういう話し合いの時は少なからず相手も感情的になっているので、情報処理能力も落ちています。

改善例

とにかく、先に結論を伝えるよう意識します。

家族「先生、それで主人は良くなるんですか?」
医師「そうですね‥。難しいと思います…」
家族「どうしてですか?」
医師「先ほどもお話ししたように、レントゲンで肺の影が悪くなっています。酸素の量も増えてきてますし、尿量も減ってきてますし、クレアチニンも上昇傾向です。それに昨日の検査では〜」

米国緩和ケア専門医が教える あなたのACPはなぜうまくいかないのか?」より一部改変

これでもいまいちで、

家族「先生、それで主人は良くなるんですか?」
医師「そうですね‥。難しいと思います…」
家族「どうしてですか?」
医師「肺や腎臓が悪くなってきていて、よくなる兆しがみえないからです。」

米国緩和ケア専門医が教える あなたのACPはなぜうまくいかないのか?」より一部改変

これくらい簡潔に伝えます。

悪いニュースには「申し上げにくいですが、」などのワンクッションを入れます、感情の要素が強くなってきたらNURSEを使って相手の感情を落ち着けます。

NURSEスキルの紹介はこちら↓

あくまでケースバイケースで、という面もありますが、質問にはなるべくワンワード・ワンセンテンスで答えるよう心掛けたいですね。

他にオススメの本📕

悪い知らせを伝えるコミュニケーションスキルを学べる本

今回の記事はこれでおしまいです。
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