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臨床研究を最短で行う方法

先日、日本血液学会が行われました。
幸いoralで採択され、苦労しながらスライドを作り、時にサボり、時にダメ出しされ、最後は無事に(?)発表出来ました。お世話になった先生方、この場をお借りして感謝申し上げます。

さて、oral採択では多くの臨床研究(特に後方視的研究)が発表されてましたね㊗️ 臨床医の学会発表に後方視的研究はとても魅力的です。なぜなら、基礎研究ほどハードルが高くなく、1例報告よりも高く評価されやすいからです。臨床データのみであれば研究費用がかからないため(論文化するとなると掲載料などかかりますが…)、初心者🔰や若手にも取り組みやすい研究であると言えます。

ここでは後方視的研究を始めたい、始めたばかり、という方向けに後方視的研究に必要なマインドについてお話しします!

今回はこちらの本の内容も引用させて頂きました🤏臨床研究を始めた時に読んだ本で、今でも読み返しています。


後方視的研究の心構え

まずはじめに、言っておかねばならないことがあります…

あなたの周囲は、後方視的研究のことなんてほとんど分かってませんd(*´∀`)b

言い過ぎかもしれませんが、それくらいの心意気で臨む必要があると思います。人に言われたことを聞いているだけでは、研究を形にするのは難しいと思います。「自分の頭で考える」を意識して、取り組む必要があります(指導医の言うことを聞いたらダメ、というわけではありません)。

抵抗勢力の存在を知ること

信じられないかもしれませんが、あなたが研究を行う過程で、ほぼ必ず誰かから何らかの妨害を受けます。相手は同僚や上司など様々ですが、本来なら味方である人に裏切られることもあります。

後方視的研究に限れば、スキル面では決して難しくありません。勉強してスキルに身につけるのは勿論ですが、抵抗勢力から受ける精神的ダメージを回避することも同じくらい大事とまで言えるかもしれません。

このような人たちの感情の根本は「嫉妬」であり、実力で勝負すると言う考えは元からなく、とにかく足を引っ張って相手を引き摺り落とそうと考えます。言葉で圧力をかけたり、悪口を広めて評判を落とそうとしたり、時に倫理や常識を超えてあなたに襲いかかってくることになります。

こういう裏事情は、建前というものがあるのでなかなか教えてくれません。表向きは応援しているように装いつつ、裏ではあの手この手で失敗させようと目論んでる人もいます。

研究には抵抗勢力が出現することがある、ということを肝に銘じましょう。

クラッシャー上司の存在

研究を進める中で問題になることが多い抵抗勢力が上司です。本の中でも、研究を潰しにくるもいう意味で「クラッシャー上司」と紹介されています。

特徴として、
・発言や方向性がコロコロ変わる
・研究途中で突如NGを出すなどちゃぶ台返しをする
・「てにをは」など枝葉に異常にこだわる
・ネガティブワードを多用する
などがあげられています。

私の僅かな経験の中でもこういう指導をする上司は少なくありません。完全に偏見ですが、抵抗勢力の犠牲になっている初学者はそれなりにいるのではないでしょうか。

恐怖のクラッシャー上司

持つべきマインド

研究のノウハウを学ぶには、教科書を読むだけでなくOn the Job Trainingが重要ですつまり「何事もとりあえずやってみる」です。よい指導医であれば、やってみることで様々な経験が得られることを知っているので、あなたの背中を押してくれるでしょう。そのような人をメンターにすべきと思います。

指導医になった場合には、後輩にも権限を与える懐の深さを持って「ギブ&ギブ」の精神で、逆に指導を受ける場合には、相手の立場に立って「謙虚さと思慮深さ」の精神で臨む、お互いに敬意を持って研究に臨むべきと思います。

↓続編も書きました!

オススメの本

・冒頭で紹介した本の著者である原先生の本📕
実際に後方視的研究に取り組んだ先生方の体験談が対談形式で紹介されています。

・統計ソフト「EZR」の使い方を学べる本
最初から難しいことをしてハードルをあげるより、これくらいスピーディーに読める本がオススメです。1日30分程度の学習で、タイトル通り12日で使えるようになります。


今回の記事はこれでおしまいです。
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