医局を辞める人が「無敵の人」になってしまうのはなぜか?
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そろそろ来年度の人事が決まる時期でしょうか、どこの勤務になるか戦々恐々ですね‥
医局にいて最近気づいたのは「辞めることが決まったから、最後まできっちり仕事をしよう」という人は意外と多くないということです。引き継ぎの様子を見ていても、辞めることが決まっている人の何割かは仕事に対してものすごく無責任になる、ということを痛感させられます。
もちろん転職という選択肢があれば、理不尽な状況に陥ったときに脱出することができます。しかし一方で、職場を辞める人のうち一定数は、「無敵の人」となり仕事がひどく雑になってしまうのです。
組織を辞める人が「無敵の人」になってしまう理由を考察しました。
無敵の人とは?
「無敵の人」とはインターネットから生まれた用語で、「失うものがない人は何をやってもいいという感覚になり、無敵になる」というニュアンスで使われます。
予定していた仕事を無視して休みを入れたり、仕事が終わらなくても早退したりと本当にやりたい放題になってしまうこともあり、その言動はまさしく「無敵の人」ではないかと感じます。
特に転職先が決まって「無敵の人」化した労働者の振る舞いは想像をはるかに超えて無責任なもので、あんなにしっかり仕事していた人でも堕落してしまうのか、と複雑な気持ちになってしまいます。
縦割りすぎる評価体系
人間がルールを守り、忙しい(時に理不尽な)環境でも自分を律していけるのは、あくまで社会に組み込まれているからです。「社会に組み込まれる」というのは、「組織の中で活動し、そこでの評価が蓄積していく仕組み」の中で生きるということです。医者の場合だと医局や、就職先の病院が当てはまると思います。
医局や各病院からの評価は、同じ組織内にいる限りは蓄積していきます。しかし医局間・病院間の横のつながりは弱く、評価が組織の中に閉じてしまっている場合が大半だと思います。それゆえに、「やばかった人」でも組織を越えて評判が拡散される、ということはほとんど起こりません。所属する組織が変われば、評価がリセットされて再スタートになります。つまり、組織を辞める人は「組織内での評価が蓄積される」という仕組みから離れてしまうので、評価機能が正常に機能しないというわけです。
仮にサボりまくったとしても次の職場では評価がリセットされるので、「現在の職場はできる限りサボるのが得」という意識が働いてしまい、サボりの誘惑に勝てない人はとんでもなく無責任になってしまう、というのが理由だと思います。その結果、引き継ぎもこなしきれずに尻切れトンボになったままサヨウナラしてしまう、なんてことがけっこうあります。
今日のまとめ
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