子どもの大麻使用を仕方なく認めるブラジル人の親
ブラジルでは大麻は禁止されています。しかし現状は大麻が多く出回っています。ブラジル人の友人の話を聞くと主にブラジル北部の国境の管理がしづらいアマゾンの地域から大麻を含む多くのドラッグが流れてきて規制が全くできていないのが現状なのだそうです。
アラフォーの友人が10代だった頃、つまり20年ほど前も状況は変わらず、パーティーなど多くの機会でドラッグ、特に大麻は半ば当たり前のように登場し多くの人が使用するのを見てきたのだそうです。
私が住んでいたブラジルの街には数校お金持ち向けの学校がありました。そこでもドラッグを使用する生徒は少なくないそうです。育ちの良いはずの子どもたちがなぜ?と思いますが、お金持ちの子どもは大金を簡単に払うため、よく販売相手としてターゲットにされるのだそうです。
常にある大麻への誘惑
お金持ち向けの学校に通う中高生を持つ友人からはお子さんに対して大麻への誘惑が常にあるということを聞いていました。ちょっとしたパーティでも遊びに行ったお友だちの家でもどこでもあるのだそうです。ただ大麻を使用する生徒はある程度特定されていたそうでその生徒からの誘いをなるべく断ったり、その場に出くわしても拒否をすれば強要されることはなかったそうで、大麻を使用したくない子はその意思を守ることができたのだそうです。
親の管理のもとで大麻を使用する中学生
大麻をやめられなくなった14歳のお子さんを持つあるブラジル人の母親は、仕方なく子どもの大麻使用を認めているのだそうです。しかし歯止めが効かなくなるとダメなので使用する際は必ず母親の目の前で使用させているのだそうです。このような話を聞くと「大麻に依存性はあまりない」という話も聞いたことがあったのですが、人によるのだと思いました。そもそも子どもに大麻を使用させたいと思う親など皆無だと思うのですが、このように「親の目の前で使用させる」ということをしなければならない状況は親にとってもまたおそらく子どもにとっても辛いものなのではと思いました。
大麻と他のドラッグは違う?
上記の話が私にとって衝撃的だったので、他のブラジル人の友人にしたことがありました。大麻という言葉を使わずドラッグという言葉を使って話をしたのですが、彼女は目を丸くして「どのドラッグなの?」と私に聞いてきました。大麻だ、と答えると彼女はほっとした表情を浮かべて「ああ大麻なのね」と返答をしていました。そして「大麻は本当に巷にあふれていて、一般的なものになってしまっている」とも説明してくれました。このような反応を見ても他のドラッグと比べて大麻は安全なものという認識を多くのブラジル人はしているのではと思いましたし、大麻に関してはドラッグという言葉のくくりに入れられていないのかなという推測もしました。もちろんこれもブラジル人全体の認識として一般論化できることではありませんし、地域差などもあると思います。ただ大麻の蔓延の具合や友人たちの話からしても、私が住んでいた街界隈ではこのような認識の人が多いのではという印象を受けました。
まとめ
大麻の誘惑から自分や子どもたちを守れるか、ということもブラジル在住の際の大きな課題になると思います。日本のように同調圧力というものはないので無理矢理強要されることは少ないかと思いますが、中毒性のあるもの、ましてや違法であるものですので強い気持ちでこの誘惑を拒否する心構えがとても大事になってくると思います。