2020年のリオのカーニバル〜子連れ夫婦が会場にたどり着くまで②
前回からの続きです。
カーニバル会場にたどり着くまでにもう一つ大きな問題が待っていました。
ホテル、航空券、観戦チケットが手配でき、無事にリオにたどり着きました。
後はホテルにチェックインしてホテルに届いているはずの観戦チケットをゲットし、バスがホテル前まで迎えに来て、そのままカーニバルの会場に行くだけの予定でした。
新たな問題
しかしチェックインしたホテルに確認したところ、チケットは送付されていないとのこと。ホテルを通じて事務局に確認をしてもらったところ、なんとチケットの予約がなされていないとのことでした。しかし私は事務局のサイトで購入手続きをし、購入完了のメールを受信しており、そのメールをプリントアウトしていました。私からすれば確かに予約をし、またその証拠も簡単に人に見せられる形で持っていたのです。このままではせっかくリオまで来たのにカーニバルを見に行けなくなる!と思い、チケット購入完了と印刷された紙を携えて、当日販売や購入済チケットの引き渡しをしている事務局の会場に乗り込むことにしました。夫と子どもたちはホテルで待っていてもらうことにしました。
このように、ブラジルでは私の使っていた日本のクレジットカードが何故か使えなくなることが度々ありました。ブラジル国内で使えることもあり、また他の海外では確実に使えたため、何故ブラジルで時々使えないことがあったのかは今だに謎です。
しかし使えない場合はすぐに決済できない旨がわかり、現金など他の支払い方法に切り替えるか、購入自体をその場で断念していました。今回のように購入完了の旨の連絡が来ることは初めてだったので結局決済されていなかったことにとても驚きました。私の落ち度としてはクレジットカードの支払い履歴を確認していなかったことです。大事な買い物ほど、特にブラジルではこのような確認作業が必要だったと反省しております。
カーニバル事務局に乗り込む
Uberでホテルから事務局のチケット売り場まで向かったのですが、まず会場に着くまでが本当に長くかかりました。もともと空港近くのホテルからその売り場まで距離があったのですが、その日はカーニバル当日。交通規制がなされていて、多くの人がごった返しており、いつもの倍の時間がかかったのではと思います。
車内からはド派手な格好をした人、衝撃の露出度のセクシーな女性たちなどが楽しそうに歩いているのを見て、ブラジルらしいなあ、とか本当にブラジル人はカーニバルが大好きなのだなあということをチケット問題でハラハラしながらではありますが、改めて思っていました。
一方でUberの運転手は「金がないからこんな時でも自分は働かないといけないんだ」と冗談めかしてなのか本当に残念に思っているのかはわからないながらもそう漏らしていたことも印象的でした。
その後無事に売り場に着き、警備員のチェックも済ませた後、売り場のある大きな会場に入りました。そこは当日券や予約済みの券を得るために長蛇の列になっていました。
若い日本人たちと出会う
少し脱線した話になりますが、その会場で10人くらいの若い日本人の男の子と女の子の集団に出会ったことを思い出します。久々に街で日本語が聞けたのが嬉しくて話しかけると、とてもフレンドリーに応じてくれました。友達数人で旅行している子たちもいれば、女の子も含めて一人旅で来ている子もいました。リオにたどり着くまで、中南米を旅していた子、アフリカを旅していた子などそれぞれさまざまな冒険のような経験をしている子たちで、バイタリティを強く感じ魅力的でした。
しかし一人だけ気がかりな女の子もいました。まだ二十代前半の若い方で、一人旅でホテルを予約しているつもりだったのに実は予約されておらず、今晩どこで過ごすか決まっていない、ホテルは軒並み満室で新たに予約ができないとのことでした。厚かましいながらもブラジル在住の日本人のおばさんとして、何かその子の助けになることはできないか、と思いましたが結局自分自身のチケット問題に時間がかかりすぎたために何もできませんでした。犯罪の多いリオ、しかも皆が浮かれるカーニバルの夜に宿がないのは大丈夫だったのだろうか、と今も思います。更なる余談なのですが、このカーニバルの浮かれた時期に予期せぬ妊娠をするケースが非常に多いのだそうです。そういった話も聞いていたため、何かのトラブルに巻き込まれていないか、若い彼女のことがいっそう気がかりでした。
いざ事務局員と対話をし、なんとか問題解決へ
事務局員と対話をするため、数十分近くの日本人と話しながら長い列に並び、いよいよ自分の番が来て事情を説明しました。事務局員の人も「事務局では支払いの履歴がないのに、購入完了の証拠を持っている」という私のような事例を取り扱ったことがないようで、しばらく待ってくれと言われ待たされました。数分、数十分、そして1時間過ぎても何も状況が変わりませんでした。その間、事務局員に大丈夫なのか、と何度かせっついてみても「待ってくれ、どうにもできない」と言われるだけでした。事務局員は私をひとまず傍に置きながら、次から次へと押し寄せてくる客の対応に気を取られている状況でした。
いよいよ自分がホテルに戻って夫が会場に向かう、という時間のタイムリミットが迫った時、私が悲壮感をもって強くその担当者に訴えました。すると事務局員はようやく動き出しました。この局員の上の立場の人が現れて、本来予約していた外国人向けの客席とは違う若干安いブラジル人が多く利用する席のチケットを与えてくれました。元々の席は既に埋まってしまっているからとのことでした。新しい席は安い分、会場内での治安が懸念されましたが、結果的にはこの席が大正解となりました。
そして当初予約していた(つもりだった)ホテルと会場間の往復のバスチケットも無事確保できました。
更に続きます。