2020年のリオのカーニバル〜第二夜、いよいよ参戦!②

前回の続きです。

準備万端に

無事に席の確保もでき、周りの観客たちも危険な人はいなさそうだ、と少し安心しカーニバルの開始を待ちました。結局開始まで3時間ほどその席で待っていました。少しずつ席が埋まり、自分の熱気も、そして会場全体の熱気も少しずつ高まっているのを感じました。正直なところ小雨が降ったり止んだりして体力も消耗し、少し待ちくたびれはしましたが、この待つ時間もワクワクして楽しく、いい思い出となりました。

いよいよ開始

そして時間になり、熱いアナウンスとともに国歌斉唱やリオの市歌の斉唱があり、いよいよ山車が登場してきました。

爆音とともに、煌びやかなダンサーや山車が自分たちに少しずつ近づく、いや迫ってきて、何か大きな生命エネルギーが自分に迫り、飲み込まれていくような感覚になり、この特別な高揚感あるいは恍惚感に終始酔いしれました。この感覚を味わえたのは、各出場グループのパフォーマンスの素晴らしさに加え、観客たちの熱気もあってのことでした。観客たちは入場の際に配られた歌詞をみんなで合唱し、ともにリズムに乗り、一体感に包まれました。贔屓のグループがある人も多く、お気に入りのグループ出場前には用意してきたグループの旗を周りの観客に大量に配って一緒に振ったり、興奮のあまり叫び踊ったりと熱い気持ちが溢れ出ている様子が見れました。こんな様子を目の当たりにしていると自分にも熱い気持ちが伝播して来て、より特別なのぼせた心地になりました。

それぞれのグループにはそれぞれテーマがあり、歌、音楽、山車、衣装、ダンサーたちのパフォーマンスなどさまざまな要素で審査員たちに審査されます。そして順位がつけられ、上位六位には入賞グループとして別日に再度パレードが行われ、優勝グループには賞金が得られるなどの栄誉があります。

私には何がどう優れていたか、という評価はできませんでしたし、評価をしたいという気持ちもありませんでした。ただただ出場者と周りの観客のエネルギーに圧倒され、煌びやかで美しいものに囲まれて、私も周りと一緒にリズムに乗って配られた歌詞を読みながら、自分自身も参加者になり、大いに楽しむことができました。

周りと一緒に歌い踊ることができたのは、多少なりともポルトガル語を勉強していたこと、また下手なりにもズンバを習っていたので踊ることに抵抗がなくなっていたこと、そして当初は治安の理由から外国人が多く利用する席を取っていたのですが、思いがけず周りがブラジル人ばかりの席になったこと、などがプラスに作用したためだなと思います。

大雑把ながらも内容に関しても少し書き記しておきます。ダンサーたちは複雑で華麗なステップであったり、皆で一体感を見せる踊りであったりを見事に披露していまました。楽器隊も何度も練習を繰り返してきたことがうかがえる安定感のある力強いパフォーマンスを見せてました。山車も美しかったり仕掛けがあり楽しく、この日のために総力を上げて築き上げた総合芸術というべきでしょうか、先ほども同じようなことを書きましたが「巨大な美のかたまり」のようなものを見たような心地になりました。中でも特に参加者の表情がエネルギーいっぱいでキラキラと輝いていたことに胸を打たれました。

余談ながら、カーニバルの中で思わぬところで印象に残ったことも二つ記しておきます。

一つはカーニバル開始前、にわか雨が降ったり止んだりしていたため、準備していた山車が濡れてしまったり、濡れた道でダンスをすることに出場者の皆さんはご苦労があったと思います。特に多くの女性はピンヒールで踊っていたため、転倒の恐れがあったと思いますが、私の見たところ誰もが転ばずに濡れた地面を可憐なステップで踊りきっていました。この時期はリオはまだ雨季が終わっていないことが多いので、雨のことも想定して準備をしているのだろうなあと感心しました。

もう一つは更に余談なのですが、一人の旗を持ったグループの中心となる女性が胸をはだけた衣装で参加者していました。巨乳でそれだけでも大きなインパクトなのですが、リズムに合わせて右胸、左胸を交互に、あるいは同時に上げ下げしていて、胸筋をこんなに動かせるのかと、更に驚きました。

次回に続きます。


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