いつか南十字星を見てみたい。
南十字星という言葉を初めて知ったのは、漫画『金田一少年の事件簿』を読んだときであり、この単語がもつ不思議な魅力に、小学校低学年だった私は胸をときめかせた。
金田一のストーリーでは、この南十字星がカギとなり事件が解決していたような、そうではなかったような。はて、詳細はもう覚えていない。
南十字星は、基本的に北半球では見ることができない。日本国内で見るなら、沖縄の南方の島へ行く必要がある。
裏返せば、この星座は南半球でならばいつでも見ることができる。たとえば、オーストラリアの国旗には南十字星がデザインされており、おとなりのニュージーランドの国旗にも南十字星があしらわれている。
とってもステキ。
星座をモチーフとした漫画を思い浮かべると、おそらく『北斗の拳』があがってくるはずだ。主人公のケンシロウの上半身には北斗七星のようなキズがあり、ケンシロウがあやつる技は「北斗神拳」である。
もちろん南十字星も登場する。
みんなご存知、サウザーだ。
サウザーがあやつるのは、南斗鳳凰拳であり、必殺技は、天翔十字鳳であり、極星十字拳である。
北斗七星という言葉にはなんだか魅力を感じない。なんだろう。画数だろうか。北斗七星を思い描いたときの星座の形も微妙。見慣れているからか?
が、どうだ。
南十字星。
魅力しかない。
「南」+「十字」+「星」だ。北斗七星という単語は7音。「ほくとしちせい」だ。一方、南十字星という単語は8音。「みなみじゅうじせい」ときた。
「十字」と入っているのがいい。十字架っぽい。キリスト教的な何かがありそうだぞ?
それからレア感。
いいなぁ、南十字星。
たとえば、永遠の愛を誓うとする。
星に誓おう。
どの星に誓おうか?
「北斗七星に誓うよ」
うーーーん、誓えてない。
北斗七星に愛を誓う奴はたぶん浮気しそうだ。
「南十字星に誓うよ」
うーーーん、誓えてそうな、誓えてなさそうな。
十字架に誓ってる感じはするんだけど、いかんせん「南」でしょう。南はあたたかい。なんかチャラい。こいつも浮気をしそうだ。
うーーん。それでも。
いつか、南十字星を見に行きたい。
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