有意義の病。
少しでも気を抜くと有意義マンになりたがる話。
平日の午前10時からお昼12時までの2時間を「これでもか」と有効に活用できている人は、なんだかイケてる気がする。
それと同じように平日の14時から夕方16時までの2時間を有意義に使えている人もかっこいい気がする。空白の2時間の有効活用。
主観なんだけど、私の場合10時から12時または14時から16時ってのはダレる。アポイントが入っている場合はもちろんその限りではないけど、なにもないときのこの各2時間って、どう使えばいいのかよくわからない。
別にその時間を「仕事」に使おうと言っているわけではない。
有意義っぽく、なんらかの目的をもった2時間を送っている人に、えも言われぬ憧れがある。読書でもいいし、動画を見るでもいいし、なんなら仕事を中抜けしてジムに行ったくらいにして。あと英語の勉強したりとか。憧れちゃう〜。
おなじく家に帰ってからの20時から22時、または23時から深夜1時までの2時間を有効に活用してるっぽい人にもなんか憧れる。宮沢賢治の小説とか読んじゃったり、子どもの話をじっくり聞いたり。
さらに言えば、休日の午前中を有効に活用してる人にも憧れちゃう。たとえば週末の金曜日に誰かとの会食に誘われても家族優先だからと断って、お酒も飲まずに家に帰ってコーラだけを飲んで。
それで翌日の早朝は二日酔いもなく太陽と共にグンモーニンして、掃除、洗濯、家事おやじ。
「今日は天気がいいなぁ」とか言って外に繰り出して15分くらいの散歩までして、それを特にSNSにひけらかすこともせず。
他人に「え? 休日は朝から散歩するんですか?」と聞かれたときには「えぇ、健康にいいかなと思って」と笑顔でハイカラ。
でも思う。これらすべての憧れの根底には「時間は有意義に使わなければならない」という固定概念、強迫観念めいたものがある。
ボケ、クソくらえだ。
怠惰のほうが人間ぽいぞ。
怠惰に過ごしてこそのブルジョワジーな人生、という葛藤もあるのである。
【関連】有意義な時間の使い方をしてる話
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?