君たちはどう生きるか? を観たときに。
この記事ではスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか?』の解説は一切しない。代わりに我らがSuperflyについて解説する記事にする。
なぜSuperflyについて解説するのか。
予告編である。
先日私が映画館で『君たちはどう生きるか?』を観たとき、いや、正確には観る直前。上映開始前の10分ほどで、この夏に解禁になる各映画の予告編が上映されていた。
次々と流される予告編では、トム・クルーズが空を飛び、トム・クルーズがバイクに乗り、トム・クルーズが不可能ミッションに挑戦していた。
となりの席でキャラメルポップコーンをむしゃむしゃ食べる妻にコソッと話しかけると「そりゃトムだからね」と言われた。
トム・クルーズの予告が終わって「まだかな」と待っていると、次の予告ではディズニー・PIXARが送る『マイエレメント』の予告編が始まった。
マイエレメント。
どんな内容なのかは知らんし、
まったく頭に残っていない。
私が驚愕したのは、この『マイエレメント』の日本版の主題歌に、Superflyの『やさしい気持ちで』が採用されていたことであった。
予告編を観ていると、Superflyの越智志保さんがのびやかに歌う『やさしい気持ちで』が映像に合わせて流れるではないか。
『やさしい気持ちで』。
これは2009年ごろのフジテレビ系、朝の情報番組「めざましテレビ」の主題歌であった。
2009年といえば、私が高校を卒業し、絶賛モラトリアム大学生フルスロットルのころであり、かつ、わが実家の朝は「めざましテレビ」党であったから、この曲は何度も聴いたものである。
この曲が大好きだった。
まず、歌詞がいい。
すばらしい。まだ会ったこともない人はたしかにいる。顔も名前もわからない。だけど未来で出会うであろう誰かを的確に表現している。
すばらしい。
そしてサビはこうだ。
いや、ど正論。
ひとりでは幸せになれない。
相手からではなく、自分から抱きしめにいくという発想もいい。それらを最後にすべて「やさしい気持ちで」とまとめるところもすばらしい。
この曲、何度聴いたのだろう。
わからん。
ぜひ聴いてみるといい。
MVもなんだか胸があたたかくなる。
それから、
Superflyは歌がうますぎる。
高音キーをまったく苦にしない。
伸びゆく歌声である。
それでいてパワフルだ。
私の個人的な意見だが「伸びゆく歌声」で一番に思い浮かぶのはaikoである。だれが何と言おうとaikoその人だ。
aikoの歌声を野球で例えると、糸をひくストレートのような歌声である。杉内俊哉投手のストレートのようなスーーーっと伸びる歌声だ。
サッカーでいえば、美しいバックスピンがかけられたサイドチェンジのパスのような歌声である。
一方、Superflyの越智志保さんの歌声はどうか。
何度も言おう。パワフルだ。ぱわふぉー。
それはまるで人類最速のピッチャーであるチャップマンの剛速球のような歌声であり、サッカーでいえば、リバプール戦のメッシの弾丸ミドルのようでもある。
…
私も意味が分からない。
わからないまま書いていたら
1400文字を超えてしまった。
が、最後まで読んでほしい。
映画を観終わって、妻と感想を言い合いながら、
と言って自宅に帰り、ベッドの横にあるアコギを手にして『やさしい気持ちで』を弾いてみた。
「よし、できた」と思って、妻のほうを振り返ると、妻はスマホをいじっている。
「どうかな?」と聞くと妻は、
と、ひと言だけ言ってニヤリとしている。
「ギャハハハハ」と笑って眠りについた。
……
私と妻が結婚したのは2019年である。『やさしい気持ちで』を私が聴いていたのは2009年。
このときは妻のことを知らない。まさかこの人と結婚することになるとは思いもしなかった。
冒頭の歌詞を思い出す。
どうやらSuperflyの言ってることは、
正しいようだ。
我が家は結婚して4年が経つが、
結婚当初となんら変わらない愉快な家庭である。
心はたしかにさわれないから、
2人で育てあってるのかもしれないね。
もちろん、いつも、やさしい気持ちで。
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