2024年3月11日〜3月24日に開催した「最後の一行小説大賞」には、合計300作品のご応募をいただいた。ありがとうございます。昨日、北海道札幌市内のとある料亭で開催された「最後の一行小説大賞審査会」にて、
・最優秀作品賞(1本)
・優秀作品賞(3本)
が決定したので、一次選考通過作品とあわせて、ここに発表したいと思う。
あらためて、たくさんの作品を投稿し、このコンテストを盛り上げていただいたみなさま、どうもありがとうございました。
-最後の一行小説大賞について
受賞作品
※(カッコ内)はクリエイター名
※クリエイター名はすべて敬称略
※クリエイター名はエントリーネームまま
最優秀作品賞
蝉の抜け殻はまだその木にしがみついている。
(はまコラ!)
優秀作品賞
あのマンホールは、今もそこにある。
(ヤス)
優秀作品賞
試しに紙を擦ってみたが、なんの香りもしなかった。
(ゆきぽこ)
優秀作品賞
埋められた彼女を掘り起こし、しわしわになったそれにゆっくりと水を与え、ときどき三人でお茶会をしている。
(ヤス)
一次選考突破作品(30作品)
※順不同
※太字は最終選考選出9作品
※(カッコ内)はクリエイター名
※クリエイター名は敬称略
・女たちの人生は、まだ始まっていない。(みやもん)
・三足の赤い纏足靴は、枯葉に埋もれて色褪せ、刺繍の金色だけが鮮やかに残った。(仮名子)
・この桜も、どうせ散る。(潮永 三七萌)
・桜はまた満開になった。(かや)
・散らない桜なんて、ないのだから。(u1)
・結局、わたしはずっと、明日死なないために生きていた。(おーかわ⭐️)
・ここまで書いて、破って捨てた。(はやぶさ)
・全てを知るあの桜は、今年も淡い桃色の花びらを散らし続けている。(猿荻レオン)
・しんしんと降り積もる白い雪だけが、女たちを覚えている。(猿荻レオン)
・それでも花は咲き、そして散っていく。(猿荻レオン)
・空を見上げると、抜けるような青空に緑の葉が揺らめいていた。(猿荻レオン)
・今年も桜は満開である。(さやこ)
・彼は一瞬息を飲み、その驚きを肯定するかのように、遠くで汽笛が鳴った。(みかさ名月)
・一つ言えることは、その遺言はもう必要ない。(みかさ名月)
・「で、結局なんて書いてあったの?」(土竜)
・私が姉のパンツを履き続けていることは、 誰も知らないままだ。(アークン)
・桜のじゅうたんがさよならに舞った。(たまちゃん)
・言葉は宙にほどけて、誰にも触れることはなかった。(一富士)
・破り捨てた遺言書は、桜の花びらのような形をしていた。(一富士)
・彼女が書き換えたことを、誰も知らない。(GongC Walter)
・桜を嫌いになった理由を、これ以上語るつもりはない。(コニシ木の子)
・それを説明するのに、小説という手法を選択したことをただ詫びたかった。(コニシ木の子)
・つまるところ、誰かの愛が欲しかった。(コニシ木の子)
・在った命も、在るはずだった命も、散った桜と一緒に横たわっている。(なゆた)
・夕枯れの街路樹はまた、誰かの命を始めようと春を待っている。(なゆた)
・フランスパンをバゲットだなんて、死んでも呼びたくない。(なゆた)
・うす汚れた犬が一通の白い封筒をくわえてこの町を走り去っていったことに気づく者は誰ひとりいなかった。(ぼたん)
・ニュースのアナウンサーが一人目の名前を読み上げる前に、僕はチャンネルを変えた。(正社員パンプキン@ノールックで日本酒飲む人)
・ねぇ。天国って、禁煙?(桜 大門之丞)
・不眠症の月は、今日も私を睨みつけている。(桜 大門之丞)
審査員特別賞
なんですってぇ!!? 私達が「ミス三人集まれば文殊の知恵2025」ですってえ!!?(ぽくぷう)
審査委員会からの総評
審査会の様子(音声)
【関連】今回の最優秀作品賞の方のnoteです