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オチが読める話。

うんこがしたくなったのでトイレにいった。がんばって踏ん張ったらちゃんとうんこが出た。急いで仕事に戻らねばならない。トイレから出た。チャリに乗る。

札幌は最高気温が7℃とかそこらですごく寒い。街路樹は色めきだっていて、特にイチョウの木はこの世のありとあらゆる黄色を全部かき集めたくらいに黄色い。

チャリを走らせる。道にはイチョウの葉が落ちている。銀杏ぎんなんの実もそこかしこに落ちている。チャリの前タイヤで銀杏の実を踏んでみる。やわらかいのかいともたやすく潰れる。

銀杏の実のせいで、道はうんこの香りがする。思わず振り返っちゃうくらいにうんこの香りがする。銀杏の香りが急ぐ私を追いかけてくる。

チャリを降り、事務所にいって仕事をした。さっきまで外にいたからか、まだ銀杏くさい気がする。ひとりで「なんか銀杏くさくね?」とつぶやいてみる。

おしりがムズムズする。これはどうやら先ほど世に解き放ったうんこを拭き切れていないのではないかと気づく。

トイレに向かう。便意はまったくないけどトイレに行く。便座に座る。パンツを下ろす。


パンツにうんこがついていた。


もちろんである。文字通り「クソッタレめ」とつぶやいた。誰かからチョコレートをもらって、それをカバンのなかに3ヶ月放置、ひさしぶりに「あ、チョコあるじゃん」と気づいて包装紙を開いたら、ミニマムに溶けているチョコレートくらいのうんこがパンツについている。

なるほどなぁ。私を追いかけてきた銀杏の香りは銀杏ではなく、私のうんこの香りだったのかと気づく。トイレでひとり笑いながら、悲しくなりながら一生懸命にパンツのうんこを拭き取る。

うんこってめちゃくちゃ臭くて、こんなに臭いものが自分の身体の中に入っているのかぁと思うとなんだか不思議な気持ちになった。


<あとがき>
家に帰りこのことを妻に話すと「まさかその状態で人に会ってないよね」とか「もうさ、替えのパンツ持って歩いたほうがいいよ」とか「情けない」と言われました。にしてもたまにありませんか。何度拭いても肛門に残り続けるうんこが。あれはなんなんでしょう。ああいううんこのことを私は「無限うんこ」と呼んでいます。今日も最後までありがとうございました。

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