<前章>
Vライバー事務所からのスカウトを面談で激詰めした話【前編】
いよいよ反撃!爆笑の質疑応答タイム
おいおい大丈夫なのかこの会社は。営業の社員が会社の場所もわからなければ代表者の名前もパッと出てこない。この質問の意図は、ライバー事務所はそもそも組織としての実態が無かったり責任の所在をはぐらかして追求できなくする傾向があるため、まずは会社が存在しているかどうか、そして責任者は誰なのかを明確にする必要があるからだ。だいたい質問に対してホームページに書いてあるからといってすぐに答えられない、答えようとしないのは営業の姿勢として失格だろう。
人の話をちゃんと聞いているのだろうか?早くもコミュニケーション能力に暗雲が立ち込めてきた。ライバー1人にマネージャーが1人つくとのことだが、こんなコミュニケーション能力でちゃんと連携はとっていけるのだろうか?
正直この辺から受け答えの鈍臭さにイラついて話し終わるのを待たずに被せ気味で喋ってしまっていたように思う。ただまあこちらが聞いてることはとても初歩的な内容なのでこの辺の質問にはパッパと答えて欲しいものである。
そんなことはわかっている。ここであえて逆にして質問をしたのは言質を取るためだ。5年前の資料を平気で垂れ流すような会社である。配信のノルマを後から訂正してきたように取り分も覆してくる可能性があるからだ。それを覆させないため、そして次に質問する内容のための布石である。
ここでハッキリと否定できないのは、もう白状したも同然である。
まさかLINEで悩み相談とやらをしていることが強みだとか言い出すんじゃあるまいなこいつは。
ダメだこりゃ…誰がポテトチップスになりたくてVライバーをやりたいと思うのだろうか。だいたいなんだVtuberチップスって。プロ野球チップスみたいなものか?誰が買うんだそんなモン。これで介在価値がゼロに等しいことが確定した。これ以上そこを聞いても時間の無駄である。
他にもいくつか質問をしたが、ここに書くまでもないことだし全部書くのは正直面倒なので割愛する。そして、最後の最後に僕は爆弾をぶっ込んでみた。
いよいよ本格的にヤバいぞこの会社。いくら社外秘の資料とはいえ他社のVライバーのイメージを無断で使用して良いはずがない。そもそもまだ契約していない相手に見せている時点でそれは社外秘扱いになってないじゃないかという話でもある。コンプラがもうガッバガバである。
僕からの「お前ヤバいぞそれ」という空気を感じ取ったのだろうか、担当者の女性はこう切り出してきた。
まるで便意を我慢している人かのような素早い退散っぷりであった。無理もない。こんな苦痛からはいち早く逃げ出したかったことだろう。彼女にとってこれほど長い40分間は今までの人生で無かったんじゃなかろうか?ここらで勘弁してやるかと時計を見ると35分しか経っていなかった。どうやらあと5分耐えられる自信がなかったらしい(笑)
Vライバーになりたいスプナーへ
こうして録音を終えた僕は、その日の夜にFAN限でその模様をツッコミを入れながら配信をした。皮肉なことに、ここ半年で最高のアクティブ数を叩き出した。喜ぶべきか…悲しむべきか…。しかし、リスナーの皆さんにとっては楽しんでもらえる配信が出来たと思う。
そこで話しながら気づいたことなのだが、事務所に所属したところで大手プロダクションのようなLive2Dで動かせるようなVtuberになれるわけではないし、結局は静止画を背景に声だけで配信をするなら、我々がいつもSpoonでしている配信と何ら変わりないということである。
僕だってそうだ。きいちろこと湊麒一郎という名前や沖縄県名古屋市という架空の場所を用意してアイコンや背景という“ガワ”を被って弾き語りをしているにすぎない。IRIAMで配信しているVライバーとやっていることは同じである。
すなわち、Spoonで配信している人は、もれなくVライバーなのである。事務所に所属して架空の名前や設定を用意して中の人を演じないとVライバーと名乗ってはいけないと誰が決めたのだろうか?胸を張ってVライバーを名乗りいつもの自分をSpoonで配信していればいいのだ。
だから目先の承認欲求をくすぐるような甘い言葉で勧誘してくる事務所に騙されてはいけない。彼らはあなた方にタダでVライバーにしてあげると言ってくるだろう。しかし彼らは、あなたから何よりも大事な資源を奪おうとしていることを忘れてはならない。先日の枠やこのnoteが少しでもそういう被害に遭う人を減らしてくれることを願ってやみません。
おわりに僕がライバー事務所の担当者に送った“お祈りDM”を添えておきます。
おしまい。