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他人の音源を悪用していたスプナーを追い詰めた話【後編】

<前章>

他人の音源を悪用していたスプナーを追い詰めた話【前編】

いよいよ配信に突撃!次々とボロを出し始めるY

協力者(画録係)とともに枠に乗り込むと、すでに4〜5人ほどリスナーが集まっていた。金枠や銀枠がついているのを見るにおそらく常連なのだろう。そしてYはというと、CASTと同じくまるで音源のように正確無比な演奏をしていた。演奏が終わると数名の常連が拍手コメントとともに10Spoonほど投げている。

Yの発言:〇〇さんSpoonありがとう。Spoonは100からでお願いしまぁす。

相変わらず気だるそうな声だ。なるほど、あれはスプコメのつもりだったのか。いや、額の大小ではない。他人の音源を悪用しておきながら金を巻き上げている事実に変わりはないのだ。この血反吐が出るほどの邪悪を、このまま生かしておくわけにはいかない(使命感)。僕はさっそく仕掛けることにした。

きいちろの発言:Yさんはバイオリンは何年弾いてるんでしたっけ?
Yの発言:あー…えーと…30年っすかねー
きいちろの発言:(自分の設定くらい覚えとけよw)聴いてみたいなァ…
Yの発言:あー……今バイオリン別の部屋にあるんですよねー
きいちろの発言:(別の部屋wwww)みなさんも聴きたいですよね!?
リスナー達の発言:バイオリンすごい!かっこいい!きいてみたい!!
きいちろの発言:みなさんこう言ってますし、ひとつお願いしますよ。ね?

配信者にとって一番厄介なのは敵意剥き出しのアンチではない、無自覚に足を引っ張るファンである。Yは少し悩んでから「じゃあ取ってくるんでちょっと待っててください」と言うと、足音が遠くなり、10秒もしないうちにまた足音が近づいてきた。別の部屋にあるというバイオリンを取ってくる演技をするために手ぶらで往復したのだと思うと可笑しくて仕方なかった。不自然なほど正確な「となりのトトロ」をバイオリンで弾き終えたところで、さらにぶっこんでみた。

きいちろの発言:バイオリンって弾く力加減とか難しそうなのにすごい!
Yの発言:えー…そうですかねぇ…
きいちろの発音:もしかして電子バイオリンとか使ってるんですか?
Yの発言:はぁ…たぶん…?
きいちろの発言:(たぶんってwww)メーカーとかってわかりますか?
Yの発言:あんまそういうの気にしたことないんですよねー
きいちろの発言:しっかりしてくださいよwww30年やってんでしょwww

30年のキャリアを自称しておいて自分の弾く楽器の仕様やメーカーさえも知らないという。いくらなんでもそれは無理筋な話ではないだろうか。じつに面白い。こうなったらもっと遊んでやろう。そう思ってさらに畳みかけた。

きいちろの発言:そういえばYさんはピアノも弾けるんでしたよね!?
Yの発言:あー…ピアノは友達んちに行かないと無いっすね…
きいちろの発言:待ってますから取りに行ってきてくださいよwwwww
Yの発言:いやピアノは無理です
😡

さすがにおちょくりすぎたか。たいへん申し訳ないことに、正直このへんからYに対する悪意というか、心底バカにした態度が出ちゃってたと思う。のらりくらりと言い逃れるYも焦りが出ているようだった。

きいちろの発言:じゃあ代わりに何かギターで1曲お願いします!
Yの発言:はぁ…わかりました。ちょっとまってください。

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20代の2人に1人はタップル使ったことあるんだってwwwwww確かに最近タップル始めた人多い気がするwwwwwwwwwwww

きいちろの発言:ちょwwwwwwwwww今のはwwwwwwwwww
Yの発言:………すみません譜面探してたら間違えて広告が
きいちろの発言:そwwwうwwwでwwwすwwwかwwwwwwwwww

その時の筆者の様子

とうとうやってしまった。Yは明らかに動揺していた。そして…!

Yの発言:それじゃあやりまs(音源が一瞬だけ再生される音)あ……
きいちろの発言:あっれれぇ~?おっかしいぞぉぉぉぉぉ?wwwww

Yが自分の嘘で押しつぶされる瞬間は目前だった

そんな茶番じみたやりとりにしびれを切らしたのだろうか、枠にいたリスナーのひとりがとうとう言ってしまった。

リスナーの発言:もういい加減にしたらどうですか?音源流してますよね?
きいちろの発言:(おまwwwwそれワシが言いたかったヤツwwwww)

せっかくコ〇ン風に追い詰めたというのに肝心の「犯人はお前だ!!」の決めゼリフを奪われてしまったかのような気持ちになった。もうちょっと焦らしてから仕留めたかったのに余計なことをしてくれたものだ。Yはというと、黙ったまま不貞腐れた様子だった。ここまできてしまったら仕方がない。そろそろ核心を突かせてもらうことにした。

追い詰められ逆ギレするY

きいちろの発言:
Yさんね、もしも自分が一生懸命練習して、何度も失敗して録り直して、苦労の末にようやく投稿した音源を何も言わずに勝手に使われた上に、それで人から投げ銭まで受け取って不当に利益を得ている人物がいたら、どう思いますか?

Yは絶句していた。つい数分前まで自分をおだて崇め奉っていた人物が豹変し詰問してきたのだから無理もない。きっと頭の中が真っ白になっていたのだろう。そんなYをよそに「どうですか?黙ってないで答えてください」と捲し立てた。すると、Yの口からは捻り出すように次の言葉が出てきた。

Yの発言:さぁ?最悪なんじゃない?

悪いことをしているとわかっていながらやっていたのだとしたら尚更悪質だ。

きいちろの発言:その最悪なことを、あなたは今まさにしている。
Yの発言:はぁ、そうですね。だから?
きいちろの発言:だから?じゃなくてこれからどうすべきですか?
Yの発言:なに?消せばいいの?
きいちろの発言:それだけですか?あなたは誰に迷惑をかけていますか?
Yの発言:だからあたしにどうして欲しいの?あんたに迷惑かけた?
きいちろの発言:誰に迷惑がかかっているかもわからないんですか?
Yの発言:だ!か!ら!あたしがあんたに迷惑かけたか聞いてんだよ!
きいちろの発言:逆ギレしてないで冷静に振り返ってごらんなさい。

まさかの開き直りに呆れる筆者

とまぁ、まるで警察24時に出てくるような話の通じない万引き犯とのやり取りをしているようだった。その後Yは「直接かかってこい」と言い出して、コラボをつけた枠を開き直した。お望み通り入室しコラボに上がって差し上げたのだが、意外や意外。それはそれはおとなしく、さっきまでの威勢はどこへやらな状態であった。まさか本当にコラボに上がってくるとは思わなかったのだろうか。

情報を引き出すために、思わずあくびが出そうなほど退屈な身の上話を聞いてやると、5人の子供を持つシングルマザーだということがわかった。こんなのでも人の親か。Yの子供たちが心底気の毒だと思った。そこからは淡々と説教し、CASTの削除と騙してたリスナーへ何らかの形で謝罪声明を出すよう約束させたはずであった……

約束を果たさないYを始末する

ところがそこから待てど暮らせどCASTを削除する様子はなく、謝罪声明らしきものも一向に示されないままであった。Yに催促のDMを送ると、自分のSpoonの彼氏(失笑)の枠に来いというので行ってみたが、知性の低そうな取り巻き達を集めて「Yちゃんはなぁんにも悪いことしてないでちゅよー」的な趣旨のやりとりを見せつけられただけであった。人生で一番無駄な時間であったと心底後悔した。そればかりか、なんとYは今までにSpoonを4回BANになっていたという衝撃の事実を自白したのだ。その内訳は暴言で2回、卑猥な発言で1回、運転中配信で1回ということらしい。

もはやYを始末することを躊躇う理由はなかった

Yの枠での騒動の間にも、僕は水面下で動いていた。前章でも述べた通りSpoon運営は腰が重く、権利者本人以外の申し立ては受け付けない。それならば権利者を動かそうという作戦だ。とはいえ、Yが悪用した音源は多岐に渡り、調査のために作った「Yのパクリ元」という悪辣なタイトルのYouTubeプレイリストに登録された音源は50曲近くにもなっていた

それらを元に片っ端から元動画の投稿者にコンタクトをとっていくのは膨大な時間と労力がかかってしまう。それに、おそらく有名な投稿者にとって音源を悪用されることなんて日常茶飯事だろう。いちいち対応なんかしてられないだろうことは容易に想像がついた。

そこで僕は効率を重視して、極めて有名というわけではないが音楽を生業としていて、自分の投稿作品を大切に管理している人をピックアップした。そういう人の方が動いてくれそうだと思ったからだ。ピックアップした人の中から、まずはM氏という投稿者にコンタクトをとった。自作のホームページがありメールフォームから問い合わせがしやすかったからだ。M氏の動画を見て、どれほどM氏が音楽を愛しているか、そしてそれが酷い扱われ方していることをどれほど嘆いているかを誠心誠意伝えたのだ。程なくしてM氏から返信が来た。

M氏からの返信メール(一部抜粋)


M氏の働きは期待以上だった。あとは著作権侵害申し立ての手続きを粛々と進めていくだけだった。その間にもYは取り巻きを使って僕に探りを入れてきたので、どのような手続きをとっているのか、そしてその手続きがつつがなく進んでいること、手続きの結果としてYにはどのような制裁が待っているのかを事細かく教えてやった。

まさかこんな大ごとになるとは思ってなかったのだろう。Yは相当ビビっていたに違いない。おだてられ気持ち良くなり調子に乗って配信し、それ自体が巧妙な罠であるとも知らずに自ら証拠をバラ撒いてくれたおかげでトントン拍子に準備が進んだのである。万全の準備をして申し立てを行う日は目前に迫っていた。Yよ、その日まで震えて眠れ。

手続きが粛々と進みご満悦の筆者

そして決着へ

Yが全てのCASTを削除したのは、申し立てを行う予定日の直前だった。Yのプロフィールのお知らせ欄には、このように書かれていた。

句読点というものを学校で習わなかったのだろうか?

ついにYが白旗を上げたのである。圧倒的じゃないか、我が軍は。しかし、本当にこれでよかったのだろうか?

僕は決してYの居場所を奪いたいわけではなかったのだ。Yにも擁護してくれるSpoon彼氏(爆笑)や、あまり知性が高くない取り巻きたちが居たではないか。あれだけYを信じて庇っていたというのに、これでは彼らが不憫すぎる。そこで僕は最後に情けをかけることにした。

また転生すればいいと思ったか?甘いぞスネーク!


僕からのせめてもの慈悲が功を奏したのか、YはSpoonを辞めることなく、現在もSpoonに居続けている。もっとも、Spoonの音楽界隈に戻ってこれることはないだろうが。

転生などさせてたまるかバーカwwwww

おわりに

以上の僕の体験は、プライバシー保護のためごくわずかにフェイクを入れているが、99%事実といって差し支えない。音源の悪用問題が話題になっている中で、これを読んだスプナーの方々に少しでも何らかの気づきがあれば幸いである。ここまで読んで頂きありがとうございました。

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