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建築旅 #001 【Qatar National Convention Center, Qaṭar Doha, by Arata ISOZAKI, 2011】 22th Dec 2024
今年から建築の話も書き溜めていこう
NOTEではUL登山についてしか話していなかったが、2025年は少しは建築の話も記録に残しておこうかなと思う。昨年は1年間日記をつけた。これは自分にとってはこれまで習慣になかったもので新たな試みだった。建築も同じように記憶に残ったものを書き残しておくことは大切だなと思うので、書き残していこうと思う。書き出すと過去に訪れた建築のことも頭によぎったりするので時系列は前後するがそれらも記事にしていこうと思う。
何年ぶりの海外旅行(台湾は除く)
奥さんの実家の台湾を除くと、、、いつぶりの海外旅行だろうか?パスポートをパラパラ見返すと、2017年にシンガポールに行ったのが最後のようだ。2024年の年末、奥さんがドバイに赴任していることもあり、早々に仕事を片付けて(頼れる同僚に任せて)飛行機に飛び乗った。国際線の飛行機に一人で乗るのも久しぶりだな、、、なんて思いながら、関西国際空港に到着した。
「建築を旅する」
恩師などと言ったら岸研究室の皆さんに怒られる。僕自身は米田明先生の研究室で師事していたのは米田先生だ。しかしながら当時は岸・米田研(+中村先生)は同じ課題を行なっていたし、講評会も同じだった。岸先生とは絶妙な距離感を保ちながら学生生活を営んでいたが、講義や講評では岸先生からも大きな影響を受けた。岸先生は課題なんて適当にして、旅した方がよっぽど良いよ、とよくおっしゃっていた。本当にその通りだなと思う。初心を思い出してたまには海外に飛び出そうと思う。(↓名著です、興味ある方はぜひ)
改め、、、「建築旅」
今回このNOTEのタイトルも一瞬「建築を旅する」にしようかな?思ったが、「さすがにまんまはなぁ。」と考えを改め、シンプルに「建築旅」にした。(大してかわってないけど) 確か、「建築を旅する」で一番初めに記載されていたのが、関西国際空港だった気がする。関空は私が務める組織設計事務所がその昔、設計をお手伝いしていたり、そのほかにも色々と因縁があったりするので、これもなんだか運命を感じつつもこれでいこうと思ったのであった。
自分の目的地はQATARなのか!
奥さんが手配してくれた飛行機に乗るという、他力本願な旅の始まり。どこの国に行くのかもよくわかっていないままに関空に到着した。関空に到着して行き先がUAEではなくQATARであることを理解した。正直中東の位置関係はよくわかっておらず、後に飛行機の中で地図を見ながら位置関係をようやく理解するに至ったほどだ。関空はもう見慣れた空港になってしまったのと、世界中にはもっととんでもない空港ができているのでそれほど感動をすることはないが、それでいても美しい鉄骨だ。こんな鉄骨を設計させてもらえる機会なんてそうないよなぁ。と思い搭乗GATEへと進む。
建築を見てワクワク?
ここ数年、建築を体験してワクワクすることが少なくなった気がする。どうやったらこれが作れるのか?ここが下手くそだ!ここが上手!なんて建築を観ては評価をしだすとワクワクどころか粗探しモードに突入してしまう。そんなこんなでワクワクするなんて感覚を少し忘れている気がしていた。この時、この旅でどんな建築に出くわすのか、、、奥さんに任せっきりだったので、いまいちよくわかっていなかった。後に、この考えは余計な心配であったことを嬉しく思う。
空港を降りて
11時間のフライトはかなりきつい。こんなに辛かったかなぁ。歳のせいか。ようやくカタールに到着したのは現地時間で夜中の2時。イミグレーションも機械の調子が悪い列に並んだため、かなり待たされた。荷物を受け取り、足早にTAXI乗り場へ向かう。夜の時間帯にタクシー乗るのは嫌だなぁ、、、なんて思いながらタクシーに乗る。市街地までの高速道路はものすごく綺麗だ。運転手さんも英語が通じる。余計なお喋りもなく目的地に向かってくれた。「カードで払います!」というと、タッチ決済を求められた。「あれ、中東ってこんな感じなん?」拍子抜けした。スムーズに会計を済ませて、下車。ポーターさんもこんな時間にも関わらずお出迎えがあった。そして奥さんがロビーで待っていてくれた。半年ぶりに奥さんに会うので嬉しい。チェックインを済ませて、部屋に移動。お互い疲れているのですぐに眠る。
朝起きて窓からの眺め
そうそう、中東ってこんな感じよねと朝起きて窓を開けてテンションが上がる。よく映画なんかでこのような景色と「アラ〜〜〜」って音声を流して中東のイメージを想起させるが、本当に然るべき時間に「アラ〜〜〜」って放送が流れます。(実際に朝もその放送で目が醒める)
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朝ごはんを食べに
朝ごはんを食べに出かける。スーク・ワキフという、旧市街地だそうだ。奥さんは一度、会社の姉さん的な先輩と来たことがあるようでスムーズに案内してくれる。「今日は移動がきつかったからゆっくり目の建築ツアーにしてるよ。」と。良い計画だ。歴史がありそうなスーク(市場)と言ってもそれほど歴史が古いわけではないということを知ったのはのちのことだった。港の位置変更や大火などもあり街区の構成は100年くらい、建物は2008年ごろに修復されて建て替えられているとか。ある種テーマパーク的な街なのか。色々と考えさせられる。
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EDUCATION CITY
「今日はEducation Cityというところに行きます」と奥さんに教えてもらう。磯崎さんのコンベンションセンターや図書館とかがあるからと。なんだかその響き、、、どこかで聞いたことがあるなぁと思い、メトロに乗り込む。メトロは現代そのもの。柵は完備されているし、とても綺麗で日本の方が前近代的。このあたり、オイルマネーを背景に既存のシステムにとらわれない都市開発は羨ましいと思う。日本もこう言った思い切りをもってインフラの更新を行うべきなのではないか?
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日曜日ということもあり
メトロを降りて地上に出ると、閑散とした街並み。今日は日曜日だから閑散としているようだ。方向感覚がよくわからないのでとりあえずトラムが走っているらしいので駅を探す。(ちなみトラムの駅を探すのに20分くらいかかった。笑)トラムは無料でトラムに乗るなりセキュリティのお兄さんが「どこへ行きたいの?」と親切に声をかけてくれた。「コンベンションセンターに行きたい」と伝えると「OKこのまま乗って3駅だよ、また声かけるね。」と。かなり親切だ。
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これか、、、
トラム駅を降りるとコンベンションセンターにつながっている。ここにきて「磯崎さんのこの建築か!」となる。
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正面にまわるにも
施設がクローズドな日なので正面側にまわるには外を歩くしかない。敷地周辺は歩く前提としていない計画。うーん。車前提とはいえ、、、こんなのでいいのか?!
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姫路のコンベンションセンターの方が一枚上手?
トップライトのとりかたも少し雑?石の使い方は中東ならでは。こんな石、日本ではもう使えない。岡田新一の最高裁判所を思い出す。
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やっとこさ正面側にまわりこむ
これかぁ。磯崎さんの建築は好きなものとそうでないものがきっぱり分かれるが、この建築は後者だ。スケールがおかしいのと、あまりに人を寄せ付けない、アイコニックがすぎる建築だ。この建築を理解するには私の理解力がまだまだ足りていないのであろう。
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中東旅の一発目に
今回の中東旅で最初に強烈なものを観てしまった。正直この時点ではこの旅の先が思いやられた。「中東ってこのような建築がわんさかあるのか?だとするとかなりきつい旅になりそうだなぁ」この時はそう思ったのであった。もちろんそれは余計な心配で後にワクワクする建築にたくさん出会えたので安心して欲しい。次なる建築は直感が導いた建築なので、思い出と共に振り返っていきたいと思う。