
至高の2ピースバンド、The White Stripsのススメ
リズムギター&ボーカル、ドラム、ベース、リードギターを基本とするバンド編成。
パートが増えるごとに曲の厚みは増し、より豊かなサウンドを構築することが可能だ。
しかし、ユニット編成の最小単位ともいえる2ピースバンドでも、非常に迫力あるサウンドを鳴らすミュージシャン達が存在する。
今回は、数ある2ピースバンドの中からホワイトストライプスにスポットを当て、彼らを聞く上で外せないマストソングを紹介したい。
The White Strips(ザ・ホワイト・ストライプス)
アメリカデトロイト出身のジャック・ホワイト(ボーカル&ギター)が、メグ・ホワイト(ドラムス)と結成したドラムとギターだけで構成されるロックデュオ。
1997年の結成から2011年の解散に至るまで、約10年ちょっとの活動期間であるにも関わらず、ロック史に名を残す伝説のバンドとして、彼らの音楽は今でもファンを虜にしている。
ガレージ、ブルース、パンクをルーツとするホワイトストライプスのサウンドは全て、ギターボーカルであるジャックによってメイキングされたものだ。
特筆すべきはロックの初期衝動を具現化したような爆音で鳴るシンプルなギターリフとワウを使った激しいギターソロ。
メグのシンプルなドラムも界隈では評判だ。
彼らの活躍により、ヒップホップやクラブミュージックなどに比べこれまで商業的な成功を収めるケースが少なかったガレージ・ロックにスポットが当てられ、世界中のギターキッズたちのプレイに大きな影響を与えた。
そんなジャックは、ローリングストーン誌が選ぶ「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」に選出されるなど、業界内外問わず非常に高い評価を得ている。
2003年にリリースした4作目のスタジオアルバム『エレファント』、2005年にリリースした5作目のスタジオアルバム『ゲット・ビハインド・ミー・サタン』、2007年にリリースした6作目のスタジオアルバム『イッキー・サンプ』の3作はいずれもグラミー賞を受賞。
そのなかでも「エレファント」に収録されている「セブン・ネイション・アーミー」は、特にサッカーファンにはおなじみの曲だろう。
試合の重要な局面において、サポーターからの大合唱が選手を盛り立てている。
ちなみにジャックホワイトとメグホワイトは姉弟ユニットとしてデビューしたが、その実2人は元夫婦であることがリークされている。
個人的におすすめの曲は次の3曲。
・ボール アンド ビスケット(収録『エレファント』)
・イッキー サンプ(収録『イッキー・サンプ』)
・ザ・ディナイアル・トゥイスト(収録『ゲット・ビハインド・ミー・サタン』)
図らずもグラミー賞受賞アルバムからの選出となってしまった。。笑
「ボール アンド ビスケット」
ブルース進行のシンプルな構成だが、非常にカッコいい。
語るように歌うジャックのボーカルが特徴的だが、注目ポイントは1番のギターソロ。
個人的にはこのソロが、今まで聞いた曲のなかで一番カッコいいと思っている。
これは全てのホワイトストライプスの楽曲で言えることだが、アルバムでの録音音源とライブ音源は迫力が段違い。
未視聴の方には是非ライブ映像から入ってもらいたい。
「イッキー・サンプ」
アナログシンセのフレーズが特徴的。
ギターとドラムというある種の制約から解放され、新しい一面を見せた曲だ。
ライブではジャックがギターを弾きながらシンセを弾くという荒業も見られる。
耳をつんざくような高音でシャウトされたボーカルも心地いい。
「ザ・ディナイアル・トゥイスト」
ピアノのリフとドラム、シェイカーの音で構築されるシンプルな構成。
ギターに代わりボーカルを支えるピアノも、決して音の"軽さ”を感じることは無く、つい口ずさみたくなる耳触りの良いメロディラインが際立つ曲となっている。
ライブではピアノに代わりアコギで演奏されるケースも多かったが、個人的にはエレキで演奏されるこの曲が好き。
ホワイトストライプスの解散後は、ソロで活動しているジャックホワイトだが、2022年1月14日には新曲「Love Is Selfish」とMVがリリースされている。
今年は4月と7月にスタジオアルバム2作品の発表も告知され、ファンにとっては楽しみな1年となること間違いなしだ。