第2回 竹田嘉兵衛商店 中村俶子
インタビューシリーズ「はたらく女性に聞いてみた」では、各業界で活躍する女性の方々に、労働経済学の観点も交えてインタビューを行なっております。
今回は、日本の伝統工芸に着目し、竹田嘉兵衛商店 代表取締役社長 中村俶子先生にお話を伺いました。
中村俶子先生 プロフィール
名古屋市緑区有松町にお生まれになり、愛知学芸大学附属名古屋中学校、県立旭丘高等学校、成城大学文芸学部、南山大学法学部、名古屋大学法学部を卒業されました。1987年、次世代への教育を考え私塾を作る準備に携わり、1989年、フィニッシングスクール フェリシアカレッジを開校、学院長に就任されました。夫の急死により、夫の会社(デベロッパー)を継ぎ、3年間住宅関係の仕事を経験されました。1998年には、竹田嘉兵衛商店にて、営業企画や催事企画などを担当され、2015年4月、特定非営利活動法人コンソーシアム有松鳴海絞を設立されました。また、2017年2月にはライブラリーカフェ「庄九郎」をオープンされ、さらに、2017年9月には特定非営利活動法人コンソーシアム有松の理事長に就任されています。また、2023年9月より、株式会社竹田嘉兵衛商店代表取締役社長に就任されております。
動画の内容
有松の街歩き 有松鳴海絞会館へ
竹田嘉兵衛商店
インタビュー「はたらく女性に聞いてみた」
中村俶子先生のプロフィールご紹介
有松絞りについて
「伝統的工芸品の生産額・従業員数の推移」について
有松絞りと女性の自立
女性の伝統工芸士数は増加している!?
伝統工芸において女性のキャリア形成の障害となるもの
はたらく女性へのメッセージ
有松のPR
インタビュー後記
私は名古屋市の出身で、0歳から18歳まで名古屋に住んでいた。「有松絞り」はとても有名で、お着物などの作品を目にする機会はこれまでにもあったが、今回、初めて有松の地を訪れた。
有松駅から5分ほど歩くと、歴史を感じさせる素敵な街並みが広がっている。その場にいるだけで江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになった。
今回、インタビューをお引き受けくださった竹田嘉兵衛商店の初代 竹田庄九郎氏が大分県の豊後絞りの技法を有松の地に根付かせ、これほどまでの伝統工芸に発展させたとのことである。400年の伝統に圧倒されるインタビューとなった。
有松の絞りの柄は一人一人の伝統工芸士が異なる柄を担当するため、その技法を受け継ぐ者がいないと伝承することができない。かつては200種類ほどあった柄も現在では80種類まで減少していると教えてくださった。江戸時代からの伝統を受け継ぐことの大切さ・難しさを考えさせられた。
現在、伝統工芸士の養成所の開設・海外との交流などの多様な活動を通して、保存に尽力されているとのことである。日本の素晴らしい伝統技術を是非伝承していっていただきたいと思う。
また、有松では昔から女性が立派に活躍されていたというお話や中村俶子先生の「はたらく女性に向けたお言葉」を伺い、とても感銘を受けた。現代の女性活躍のためのヒントは伝統工芸の中にあるのかもしれない。