《映画》ラストマイル① /ネタバレ
ラストマイルのネタバレあり感想。
それぞれの登場人物の立場に立って。
『2.7m/s → 0』
ロッカーの文字。
人から人へ引き継がれてきたもの。
人を介すうちに、それが何か分からない人が、
また次の人へ引き続きし、
「何かは分からないけど引き継いできたので伝える。これは消さないで」
そうやって引き継がれてきたロッカー。
何だろう、よくわからないと思った文字。
意味が分かった今、息が詰まる文字。
自分は大丈夫なのか?この側に行かずに保てるのか?
“What do you want?”
「欲しかったものはここにあったのに」
彼女を探さなきゃ。
僅かな可能性を信じて自分に会いに来たのに、誠実に接しなかった、突き放した。
一瞬でも関わりを持ったのに、関係ないことだと相手にしなかった女性。
そして、自分自身もこの一連の出来事のファクターになってしまったと気付く。
今からでも間に合うのか。
分からない、でも彼女を探さないと。
「馬鹿なことをした」
止められると思った。
止めたら、もう怖がらなくていい。やらなくていい。
逃げられると思った。
でも止められなかった。ベルトコンベアは動き続けた。
馬鹿なことをした。
でもこうするしかなかった。
最早冷静さなどなく。
死ぬかもしれない?死んでもいい。死んで終わるならそれでいい。終わる方がいい。
「罪を贖いますか。」
皆が私のせいだと言う。
彼はデリファスに苦しめられた筈だった。
でも、こうなる前に、私に出来ることは無かったのか?
彼を止めることが出来たのではないか。
だから私のせい。これは私のせいで、私の罪。
けれど一矢報いたい。問い掛けたい。
いつまでも知らぬ顔をするのなら、
貴方達の罪を世に知らしめたい。
貴方達のせいで人が死んだら罪と向き合いますか?
「俺たちのことなんて誰も大切にしてないよ」
末端で働く人。
一日中命を削って身を粉にして働く人。
仕事は魂込めてやるべきだ?
でもそんな自分達のこと、安い給料で使い捨てみたいに扱って、誰も大切にしてくれないじゃないか。
みんなただ、必死で生きてきた。
必死で生きてる人が心と身体を潰されるまで酷使され
潰されたその人には目も向けない。
「あの人が弱かったんだ。」それで終わり。
その連鎖。
誰も止めない。助けない。
それでいいの?そんな世の中を私たちは望んだの?