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起業10年目の大打撃|地元受注の壊滅

2020年1月、私は55歳になりました。地元の仕事に恵まれ、SEO対策に関する専門企業のマッチングにも登録。年齢も関係なく、チラホラお話がくるようになり、新年早々、都内のマッチング会社から依頼のあった、オウンドメディアのSEOディレクションをはじめていると、新型コロナウイルス感染拡大のニュースが流れはじめます。ほんの数か月のうちに、世の中が変わりました。同年4月7日、緊急事態宣言が7都府県で発令されたのです。

2020年4月、全ての仕事がなくなった

状況は一変しました。外出自粛がはじまると、営業マン主体の受注体制だった地元制作会社は仕事が激減。一瞬で外注案件は消えたのです。
辛うじて、都内の案件は、スタートからフルリモートでしたので継続しましたが、2月、3月で完了し、2020年4月16日、全国に緊急事態宣言が発令される頃には全ての仕事が壊滅しました。

55歳ではアルバイトもできない

『何かできないか?』と、倉庫整理やピッキングなどの作業系のアルバイトも探しましたが、55歳では全く採用されません
大学生がアルバイトにあぶれているような状況です。年齢は、簡単な仕事すら採用されない大きなハンデでした。

わずかなSEO案件で、つましく暮らす

当初は、緊急事態宣言が解除されれば、仕事も戻ってくると甘い考えをしていましたが、事態は悪化を続けます。
地元では、夏の観光シーズンの案件は自粛で皆無、東京オリンピックを見込んだ官民の様々な取り組みも保留となり、依頼はきません。
都内のマッチング企業から、オウンドメディアのSEO関連案件をわずかに依頼されましたので、つましく暮らし、起業10年目・2020年の秋を迎えました。

フルリモート案件が急増!?

年を越した2021年お正月は、地元の案件受注をあきらめ、どうすれば新たに仕事を獲得できるか、日々、検索や知人とのやり取りで思案しました。そんな中、突然、複数のエージェント型マッチングからスカウトメールが、続々と送られてくるようになったのです。

日本中がフルリモート

新型コロナウイルス感染拡大は、日本中にフルリモートでの業務進行を浸透させました。
そして、副業マッチングも、フリーランスマッチングも、チャンス到来とばかりに営業を強化。Web広告の運用やSEO対策のディレクションのフルリモート案件が急増したのです。
おのずと、人手不足になりがちなSEO対策について、依頼がくるようになったのです。

IT系なのにテレアポで案件獲得?!

ITやデジタルマーケティングの案件を扱うマッチングサイト運営会社は、コロナ禍で、一体、どのように営業し、案件を獲得していたのでしょう?
疑問に思った私は、マッチングサイト運営会社の募集を探しました。そこで目にしたのは「テレアポスタッフ募集」です。
IT系の企業ですから、Web集客で案件を獲得しているかと思えば、昔ながらのテレアポ……。
さらに疑問が深まった私は、なぜ? テレアポかを知るために、ネット説明会に参加したのです。

ターゲットはネット利用頻度が低い人

説明会でわかったことは、テレアポで下記の条件を満たすターゲットを洗い出し、優先的に電話とネットミーティングで営業することでした。

  1. 地方の中堅都市にある中小企業

  2. キーマンは社長

  3. Webの知識をもつ担当者がいない

  4. リアルな営業、販売展開のみの事業体制

  5. デジタルマーケティングに興味はある

これら5つの条件を満たす中小企の社長の皆さんは「私生活でもネットをあまり見ない、Webの知識も利用頻度も低い、でも、周囲がデジタルマーケティングを取り入れはじめて、若干の危機感をもっている人」でした。

何もわからない=騙されていた人たち

実際に、福岡、兵庫、仙台、奈良、京都の案件に、エントリーすると、クライアントはWebの基本的な知識ももたない人ばかりです。
しかも、システム開発会社の社長の方でもネットには詳しくない。デザイン会社の社長の方でもWebはわからない。ECを運営している会社の社長でも何も知らない。
さらに、メーカー、小売業、サービス業といった一般の中小企業では、社長の方だけでなく、担当者の方も、Webサイトの構築やSEO対策、SNS運用の知識はありませんでした。

形だけのコーポレートサイト

別記事「地方起業のチャンスに気づく|都内の倍額!? 100万円超えのホームページも!」でも、簡単に触れましたが、とある中小企業の案件を受託し、コーポレートサイト・WordPressにログインすると、SEO対策のプラグインはインストールされていたのですが、肝心のキーワードが全く入っていませんでした。さらに、空階層だらけページ構成も煩雑見出しレベルも整っていない状態です。

保守料金を支払っていたのに保守されていない

一番気になったのは、WordPressのバージョンが5年程度前のもの、もちろん、プラグインも更新されない状態。
それでも、この中小企業の社長さんは、Web制作会社に保守料金を5年近く支払い続けていたのです。

何もしないで保守料だけを請求

確かに、WordPressをバージョンアップすれば、表示が崩れるかもしれません。プラグインの更新も同様で、不具合が起こるかもしれない。
もちろん、保守契約を結ばず、保守料金も支払っていないのなら、制作が完了した直後の状態で5年以上放置されても仕方ありません。
しかし、この場合、保守料金だけは支払われています。
詐欺とは言いませんが、制作会社は「何もしないで保守料だけを請求、支払われ続けていた。」のです。

「正しいこと」を提案

私は、状態を正確に説明し、Google検索でコーポレートサイトのサービスページをヒットさせるために、WordPressもプラグインも最新の状態に更新してから、SEO対策を実装する「正しいこと」をご提案しました。

最新の状態と比較して見せる

このとき、一番効果が高かった説明方法は、自分が制作した最新の状態のWebサイトとクライアントのコーポレートサイトを比較して見せることです。
実際にダッシュボードとプラグインの設定画面を比べて見せることで、どれだけ古いか、どれだけ機能が少ない状態か、どれだけ効果が見込めないか、を説明した結果、最新の状態にすることからはじめ、SEO対策の実装に加えて、長期的な更新作業とメンテナンスまで受託することになりました。

理解できない=信頼度も低い

それでも、100%は信じてはもらえません。なぜなら、基礎知識も全くないのですから、どうして悪いのか、何が変わるのかは、理解できないのです。
しかし、実際に検索でヒットし問い合わせが入ると、信頼は急上昇します。

問い合わせが増える=信頼度アップ

都道府県単位だけではなく、市区町村単位までの地域名と、サービス名をタイトル挿入するだけでも、即効性が生まれる場合があります。
例えば、新興住宅地がある、周辺の市町村から人口の流入・転入がある地域などです。
比較的若い世帯、10代、20代のユーザーに対しては、リアルな新聞の折込チラシなどより、はるかにWeb集客のほうが効果が見込めます。
また、同業他社のWebサイトの品質が悪い場合は、確実に地域の検索需要を獲得できるのです。
加えて、Googleビジネスプロフィールを適切に運用するだけで、マップ検索も問い合わせも増えます。
具体的なアクションが起こると、クライアントからの信頼度はアップ。結果を実感していただくことが大切です。

問い合わせフォーム営業を開始

こうして、全国各地のフルリモート案件受託が進みました。しかし、マッチング経由の案件は単価が低く※、手数料もエンドクライアントが支払うため、作業内容と労力に対して、報酬が見合いづらい状態に陥ります。
そこで、私は問い合わせフォーム営業をはじめました。
マッチング会社のテレアポに代わる、自分でもできるコストのかからない、全国各地への営業法を模索した結果です。
2024年現在では、コストパフォーマンスの高い問い合わせフォーム営業ツール、サービスが出てきました。
効率よく、リスト入手も、フォーム送信も安価で可能です。
詳しい方法の解説は、別の機会に改めて綴ります。
※もちろん、高単価の案件もありますが、年齢がハンデで受託は難しいでしょう。

全国各地の案件受託で回復

地元受注が壊滅状態になった2020年4月以降、フルリモートの全国的な普及によって、私は全国各地の案件を受託し、売上も回復しました。
さらに、現在でも活用している営業手法でリードを獲得しています。
40代、50代の皆さんが副業、起業準備をされる場合は、年齢がハンデにならない方法で案件を獲得するノウハウが重要です。
皆さんのフリーランス生活が、平和で安定しますように。

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YT-SB|無茶から出た堅実! 起業・副業アドバイザー
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