見出し画像

「びた一文」の「びた」って?

こんにちは、ぱんだごろごろです。

今日は昔のお金についてのお話です。

先日、私が長年愛読している漫画、「きのう何食べた?」を読みかえしていたときのことです。

「きのう何食べた」(よしながふみ著)第4巻より


このページを読んで、ふと思ったのです。

「びた一文」の「びた」って何だろう。

「びた一文」
今でもよく聞くし、日常でも普通に使います。

意味としては、「非常にわずかな額」ですね。
今の硬貨で例えて言えば、一円が近いでしょうか。

このおだやかそうな丸顔の男性(テツさんといいます)は、多分、ご両親との間に、決定的な亀裂を抱えているのでしょう。

自分の財産を、両親には一円たりとも渡したくない、すべてをとなりにいる恋人のヨシくんに渡すために、彼と養子縁組を結びたい。

テツさんはそのため、弁護士である主人公の筧史朗に相談に来たのですね。

「きのう何食べた?」は、お料理漫画ですが、ゲイの男性カップルとその周辺の人間模様を描くホームドラマとしても秀逸な作品です。

私は、この作品を全巻電子書籍版でそろえ、何度となく読み返してきました。
この場面も今までに数回読んでいますが、今まで、「びた」について、疑問を抱いたことはありませんでした。

なぜか。

じっくり考えてみてわかりました。

それまで私は、うっかりしたことに、「びた一文」の「びた」のことを、「一文」を強調するための言葉だと思い込んでいたのです。
そのせいで、「びた」とは何かを考えることもなかったのでした。

ところが、その時、私の脳裡にひらめくものがありました。

「びた」って、「鐚」のことじゃない?

去年から、私は、通信講座で、古文書読解の勉強を始めました。
そのテキストに書いてあったのです。

「鐚(びた)」とは、「銅銭で、通用価値の低い悪銭のこと」

鐚銭(びたせん)は貨幣としての価値も低く、4枚集めてようやく一文の価値だったとも言われます。

では、当時の「一文」が、今ではいくらくらいかと言うと、

そこでここでは、「1両=13万円」として、当時の物価を見てみましょう。
江戸時代の換算相場は「金1両=銀60匁(もんめ)=銭(銅)4000文」ですので、銀1匁=2166円、1文=32.5円ということになります。
(※実際には、当時は時期によって換算相場も異なりました)

「お金の歴史雑学コラム」<江戸時代の「1両」の価値ってどれぐらいだった?(1) | お金の歴史雑学コラム | man@bowまなぼう>より引用


上記の、「お金の歴史雑学コラム」によれば、「1文=32.5円」ということですから、鐚銭一枚では、約8円というところでしょうか。

先に私は、『一文は一円に近いでしょうか』と書きましたが、むしろ五円や十円に近いのかもしれません。

「早起きは三文の徳(得)」ということわざがありますが、「1文=32.5円」から計算すると、三文は約100円ですね。

早起きは健康に良いし、わずかでも(100円分の)何かしら良いことがある、ということのようです。


今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
1月も下旬に入りました。
これから1年で最も寒い時期です。
インフルエンザに気をつけて、お健やかにお過ごしくださいね。

#推しの料理マンガ
#鐚銭
#きのう何食べた
#びた一文




いいなと思ったら応援しよう!

ぱんだごろごろ
記事を充実させるための活動費、書籍代として使いたいと思います🐼

この記事が参加している募集