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「永遠に続く日常」という幻想〜上島竜兵さんを悼む

みなさんこんにちは。気学Style 西島です。
あっという間に5月も半ば。新緑の季節もたけなわという一方で南の方では既に梅雨入りした地域もございます。

季節が移ろいゆくのも早いですね。
暦の上では初夏にあって太陽の光も眩しい折、思いがけないニュースが飛び込んできました。

ダチョウ倶楽部、上島竜兵さんの訃報です。

お笑い界の名脇役

上島さんといえば、私の世代であればかつて日曜お昼に放送されていた「スーパージョッキー」の熱湯風呂がやはり印象的です。

「押すなよ!押すなよ!」
という振りからの、鉄板の御約束芸には何度も笑わせてもらいました。

上島さんの周りには、往年の志村けんさんをはじめとしてたくさんのスター芸人がおり、ダチョウ倶楽部はどちらかというとメインよりもサブの位置付けが多かったと思いますが、ベテラン・若手のトップ芸人がいる脇で上島さんなどがいるとやはりそこできっちり脇がしまります。

新しいネタはそうそう出てきはしませんでしたが、しかしながらもう何十年も一定の位置をキープされてきたということ、それはやはり上島さんの名脇役ぶりによるところがあるのだと思います。

お笑い番組をつければ必ずどこかに控えていて、ちょうど良いポイントで程よく笑いを取って場をつないでゆく…
メインの芸人が変わってもかわらずそこにいる上島さんのリアクション芸は気が向いたらいつでも見られるものであるように思えました。

本命:四緑木星・傾斜:三碧木星

上島さんの星です。
亡くなった方のことを振り返ってとやかくいうのは野暮ではございますが、このコラムの性質上、少しだけ触れておくことにします。

本命、傾斜が両方とも木星ということで、やはり前向きで明るいお人柄だったのだなと思います。
実際、上島さんの「笑い」は自分を笑いのネタにするものばかりで、誰かを貶めたり責めたりして笑いを取るようなものではありませんでしたね。

そんな上島さんが亡くなってしまったのは5月11日の午前0時ごろということですから、実際は10日の盤面で動いていてのことだと思います。

5月10日は傾斜の三碧木星は中央に、本命の四緑木星は六白金星の上に廻座しています。

心中には何某かの閉塞感(=中宮)を抱えながら、本命=表は六白金星の上にいるということで仕事関係でいろいろと考えておられたのかもしれません。

そして5月は八白土星が中宮の月ですが、このタイミングで上島さんの本命が一白水星の上、傾斜が九紫火星の上に廻座しています。

一白水星の上にやってくるということはすなわち坎入している状態で、色々と思い悩むこともあったのだと思います。
そして傾斜が九紫火星の上ということですから、九紫火星の上自体はさほど悪くないのですが、ここにきますとどうしても感情的な部分が落ち着かない部分も出て参ります。

日盤では「静」の中宮の位置にいる傾斜・動こうとする場所にいる本命、
月盤では思い悩む位置にいる本命・いろいろなことが頭を回り感情の起伏が激しいところにいる傾斜

…こうした相反する流れの中で感情的な部分が勝る部分もあって今回の悲しい結果になってしまったのかしらとも思います。
本当に残念です。

「永遠に続く日常」という幻想

バラエティ番組では気づけば傍にいて私たちを笑わせてくれた上島さん。
今でもテレビをつけると画面のどこか端っこに何気なく控えていそうにも思ってしまいます。

実際のところ、そんな上島さんがいきなり亡くなってしまうなど、
上島さんの数々のリアクション芸がいきなり見られなくなってしまうことなど私たちは想像もしていませんでした。

とかく私たち人間は、一つの大きな流れ…こと「日常」というものに関してはそれがひたすら変わらないことのように思ってしまうものです。
また、変わらないことを望んでもいるでしょう。

しかしながら上島さんの死というものに接しますと、
ある意味そうした「日常」に限りなく近いものの一つのピースがいきなり欠けてしまったことに気づきます。

ここにきて改めて「永遠に続く日常」とは、私たちの独善的な幻想・願望に過ぎないものなのだと思い知らされます。

日常のピースが欠ける…そのルールはない

こうした訃報に接しますと、どうしても今年が五黄土星の年なのだと考えてしまわずにはおれません。

このコラムでも度々触れておりますが、五黄土星とは時間の感覚を持たない星です。

それは盤面と時間の関係を見ていればよくわかります。

図のように、五黄土星の周りを取り囲む星は必ず、
何時なのか・何月なのか・どの季節なのか
…と、どこかの時間を担当しています。

しかし五黄土星にはそれがありません。

つまり、五黄土星とは時間に制限されない星なのです。
(五黄土星の人が時間に縛られずマイペースであるというのもここによるというわけです。)

そして五黄土星はまた「死」を担当する星でありますから、
ここから導き出される教訓はすなわち

・死というものは時間の制約がない
= いつでもどこでも訪れうるものである

…ということになります。

あるいは今回の件において、例えば上島さんが病に倒れ、療養中であるということであれば今回の訃報もその流れの話として受け入れられたのかもしれません。

しかしながら実際のところ、こうした「人の死」というものは往々にして私たちにその心構えをする時間を与えてくれないものです。

日常の大切なピースが欠けてしまうこと、
それについてのルールは存在しないのです。

一期一会の尊さ

一期一会:
茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する。茶会に限らず、広く「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という含意で用いられ、さらに「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」と言う言葉。

一期一会:ウィキペディアより抜粋

前回から五黄土星の話ばかりになってしまい恐縮ですが、
五黄土星の哲学に想いを馳せますとやはりこの「一期一会」という言葉が浮かんでまいります。

五黄土星に照らして簡単に言い換えますと、

今会えた目の前の人が、次会おうと思ったら亡くなっていることもあるかもしれない。
だからこそ、この出会っている間の時間を大切にする。

ということになるのでしょう。

一期一会の感覚でお笑いを見るというのは「お笑い」という性質上少し違和感もあるようにも思えますが、しかしながら上島さんのお笑いを見るとき、
「実はこれが最後の機会かもしれない」
としてそれを真剣に楽しんでおくべきであったのかもしれません。

そしてまたこの言葉ですが、
「今そこにいる自分と向き合う」
という風に広げて考えますと、この「一期一会」は相手に対してだけというわけでもないことにも気づかれますでしょうか。

… 一期一会のこの精神、五黄土星の
「今一瞬に命を尽くす」
という哲学に通じます。


2022年五黄土星の年。

今年はそうした一期一会の尊さを噛みしめながら日々を生きてゆく一年でもあるのですね。

今一瞬の刻・人との出会いを大切にすること、私も改めて心に刻み直したいと思います。

そして最後に改めて
上島竜兵さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
あちらにゆかれてからは心ゆくまで師匠の志村けんさんと盃を酌み交わせますように…。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


次回は5月20日、6月の運気の投稿になります。

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