写ればこっちのもの?その意味 (創作大賞 参加作)
蜂が水を飲んでいた。
公園の水飲み場の蛇口を見て「あっ!」って思った。
頭っから顔突っ込んで喉が渇くほどの熱さなんだ。
5月の初夏といえでも夏のように熱い。
「撮らなきゃ、撮らなきゃ、撮らなきゃ」持ってたコンデジで撮った。
「設定なんてどうでもいい写ればいい」って思った。
「カメラ設定なんてやってたら蜂が逃げてしまう」そう思った。
「主役の蜂にピントが合わない、けど 撮ってしまえ!」と思った。
1枚撮った後、蜂にピントを合わせようとしたら、案の定、蜂が飛んで行ってしまった。
やっぱり撮って正解だったと思った。
その瞬間、森山大道さんの言葉が頭に浮かんだ。
「写ればいい、ボケてたっていい、撮れればいい」その言葉を。
photo:かっつぇ・imaging factory