恵美子の話

#東都電波塔 弐千穐楽から1週間。恵美子の話をしますね。壱のその後の恵美子の設定を公式設定と織り交ぜて。

パンフにも書きましたが、東都電波塔事件のその後の恵美子は、道満とみさをの影響を受け、自信なさげにコウの後ろに隠れる様にして俯いていたのを止め、陰陽師として自信を持って生きていきます。
その後、あちこちで陰陽師の仕事をしている際に、1人の青年と出会います。陰陽師の恵美子を気味悪いとか胡散臭いという目を全く持たず、恵美子にしか出来ない事だと全肯定してくれ、コウや七星も素直に受け入れるおおらかで懐の深いにこやかなその青年と恋に落ちます。
後々結婚の話がちらほら出てきた際、小姑コウと七星が立ち上がります。「黒川の名前を残さなければダメです!」三男坊の青年はそういう事なら喜んでと婿養子に来てくれたのです。結婚後は主婦と子育てと陰陽師と忙しくも幸せな生活を送っていました。
残念ながら恵美子の息子は陰陽師の力はなくそれでも父親似のおおらかさで、コウや七星とも仲良くしていた様で、後に遥の母親となる女性も初めはびっくりしていましたが、難なく受け入れ、遥が生まれ陰陽師の力がある事も怖がらずにいてくれた事が幸いして、恵美子は遥かに陰陽師の技を教える事が出来たのです。
遥には基本となるべき技等を教えて、これから自分より巨大な力を持つ遥にどう自分と向き合いその力をコントロールして行くかを教えて行かねばと思っていた際に病に倒れ、コウと七星に後を託しその一生を終えてしまったのです。

遥はリクの生まれ変わりであろう事は何となくわかっていましたが、遥は自分の孫。所謂「庶子」である事で「家族」にコンプレックスの様なモノを持つ恵美子には、コウと七星以外の大事な「家族」。そして永遠に生き続けるコウと七星を次に託せる人は遥しか居ないのです。いつか師である道満に引き合わせ…等とも思っていたであろうに…その行く末見守りたかったのに志半ばでこの世を去らなければならない心残りたるや…
その想いが、遥の危機に霊界から現世とあの世の境目「煉獄」に割入って来るのです。

次回は物語中、舞台上での恵美子の作りの話をしますね。読んで頂けたら嬉しいです。

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