恵美子の話 その2

#東都電波塔 弐 恵美子の話、70歳の恵美子をどんな風に作って行ったか。

最初の稽古中はもっとゆっくりしたお婆さんで作っていたんですが、今の70歳ってもっと若々しいんですよ。
漫画に出てくる様な「ゆっくりと話す、腰の曲がった、頭をお団子に結って簪さしたお婆さん」はもっともっと年齢が上。私の母は80を超えましたが、社交ダンスを今でもしている事もあり、背筋の伸びた「え~まじで~ww」とかおちゃらけて話すので簪さしたお婆さんには程遠いんです。
代表が70歳の女優さん探してみ?
って言うんで、草笛光子さんとか想像してたらとんでもない!草笛さんお若い…母よりもっと上でした…
で、恵美子は70で亡くなってるんで、遥の思い出に出てくる恵美子はも少し若い60代なんですよ。
代表からも明るく元気なおばあちゃんでとのオーダーだったので、
黒川家の縁側のシーンは、小さかった遥におどけたり、一緒に遊んでる中に陰陽道を教えをといたであろう、孫が大好きなおばあちゃんという風に振りました。
あのシーンで、恵美子は電波塔事件の話を遥にしますが、そこでリクを思い出します。生涯リクの事は忘れる事なく、騰蛇がおこした風で亡くなった鳶の方の事と共に、力の足りない自分に後悔と戒めと辛く寂しい想いを持ち続けています。

余談ですが、「おばあちゃん大好き!」という遥役の天利萌音ちゃんの笑顔がキラキラに輝いてて、それはそれは可愛くて、台本にない「おばあちゃんも」はつい出てきた言葉でした。

次に出てくる恵美子は死後の恵美子で、術に失敗して魂が消えさりそうな危機に、天界から降りて必死に呼びかけるシーン。現世と天界の狭間であのシーンを私勝手に「煉獄」って呼んでました。
ここで、恵美子は必死の呼びかけにも関わらず、太古の神の力に弾かれてしまい、その場から消えてしまうのですが、道満が全てをかけて取り戻した遥と共に 実体を持って現れます。
死者である恵美子が何故現れる事が出来たのか?
ここは、道満役の三橋亮太 みっちゃんが考えた設定に私も乗りました!
遥を取り戻す為に魂すら消えてしまう道満の、最後の力を持って煉獄で弾かれた恵美子の魂を現世に押し出してくれた。だからあの場に現れる事が出来たんです。

次回は恵美子のラストバトルの話をしますね。また読んでくださったら嬉しいです
   

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