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HHKB押下圧変更プロジェクト【その6:結果検証編】


押下圧の変化

今回のプロジェクトでは、HHKBのラバードームをdeskeysの35gに換装して押下圧を下げました。
換装後の押下圧は本当に35g以下になったのでしょうか?
ラバードーム換装前後でどの程度押下圧が下がったのかを検証しました。

結論から記すと、ラバードームを換装したHHKBの押下圧は29gでした。



(1)測定方法

測定は10円硬貨と1円硬貨を用いました

私は圧力測定器など所有しておりませんので、原始的な方法でおおよその圧力を計測しました。多少の誤差があるはずですが、その点はご容赦を。

今回測定に用いたのは10円硬貨と1円硬貨です。
10円硬貨の量目(重さ)は4.5g、1円硬貨は1.0gです。
キー軸を落とすために必要な10円硬貨と1円硬貨の枚数で押下圧を測定しました。



(2)換装後の押下圧

【写真1】ラバードーム交換後の押下圧

写真1はラバードームをdes-dome V2 rounder-bke style 35g に換装した後です。
写真左は10円硬貨が6枚と1円硬貨が1枚載っています。硬貨の下の黒い軸はまだ落ちていません。
写真右は10円硬貨6枚と1円硬貨2枚が載っており、軸が落ちています。
4.5g × 6枚 + 1.0g × 2枚 = 29.0g
従って、ラバードーム換装後の押下圧は約29gです。

他の複数の軸でも検証したところ、10円硬貨6枚 + 1円硬貨3枚まで耐えた軸がありましたが誤差内であると判断しました。



(3)結果

des-dome V2 rounder-bke style Tiffany 35g に換装したHHKBの押下圧は約29gです。 

このプロジェクトの目的は
「HHKBの押下圧を35g以下に低減するために内部のラバードームを換装すること」でした。
換装した結果、私のHHKBの押下圧は29gとなり目的を達しました。



(4)注記

付記しなければならないことが一点あります。
測定に用いた私のHHKBはキー軸にグリスを塗布しています。グリスの影響で押下圧が若干軽くなっている可能性があります。グリスを塗布する前に押下圧を測定していなかったので、グリスの影響がどの程度なのかは残念ながらわかりません。



(5)バネ抜きの押下圧

写真2】バネ無し時の押下圧

写真2はバネの入っていない状態で押下圧を確認した結果です。
写真左は10円硬貨4枚と1円硬貨2枚が載っておりドームは潰れていません。
写真右は10円硬貨4枚と1円硬貨3枚が載っておりドームが潰れています。
4.5g × 4枚 + 1.0g × 3枚 = 21.0g
バネ無しのTiffany 35gの押下圧は約21gです。従って、バネ単体では約8gの反発力があるのですね。

35gと謳っている製品ですが、換装した結果は29gであり、約20%も軽くなりました。誤差と言うにはちょっと大きすぎますね。
des-dome V2 rounder-bke styleのPinkは42gと説明されています。こちらもTiffanyと同程度の誤差があるならば42gよりももっと軽いのかもしれません。もちろん重い方に誤差がある可能性もあります。



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【補足】
deskeys は怪しいサイトですので利用をためらう方も多いと思い、私が実際にdeskeys を利用して購入した状況もこちらで解説しています。また、私は利用していませんが、deskeysはREALFORCEキーボードの静音化リングやCHERRY MXスイッチ(軸)と互換性のあるアイテムも販売していますので、それらに興味がある方にとっても参考になるかもしれません。
東プレ株式会社のREALFORCE(リアルフォース) シリーズのキーボードは、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用していますのでリアルフォースの静音化や押下圧低減のための改造にもこのブログが参考になるかもしれません。
改造以外にも、HHKBの清掃方法メンテナンスについて簡単に説明しています。またグリスアップ(ルブ)についても、タミヤのセラグリスHGを使った方法と効果を検証しています。

皆様の快適なキーボードライフに当noteが貢献できたならば幸いです。


このnoteは令和5年10月に書きました。商品や部品の情報などは初回投稿時以降に更新していません。