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高学歴・高収入・高齢出産の親による「過度な早期教育」が子どもを壊す

少子化が叫ばれて久しい日本。出産年齢がどんどん上がり、そうなれば必然的に一人っ子しか産めなくなり、さらに少子化が進む・・・今後さらに少子化は進みそうです。
親子支援事業「子育て科学アクシス」を主宰する小児科医の成田奈緒子さんは「高学歴・高収入・高齢出産の親ほど子どもの早期教育に走りがち」と警鐘を鳴らします。
行き過ぎた早期教育で子どもが心身に不調をきたすケースも多いとか。
早期教育の弊害を考えてみましょう。
(※2024年2月20日(火)朝日新聞朝刊を参考にしています)

早期教育に熱心な保護者の特徴

「アクシス」に相談に来る保護者の特徴として、早期教育にかなり熱心な人が多いそうです。40歳前後で子どもを授かっている、いわゆる高齢出産。さらに本人も高学歴・高収入の方が多いそうです。
そんな保護者達が口を揃えるのは「もう後がないから子育てに失敗できない」。
高齢出産で二人目は難しいから一人の子に全て投資するのだとか。
経済的な余裕もあるため、あれもこれもと早期教育に走る傾向があるのだそうです。

学校や社会に対する不安が早期教育に走らせる?

「子育てに失敗できない」という言葉から分かるように、とにかく焦っているのです。
「高学歴になってほしい」とはっきりは言わないものの、子どもが将来幸せに暮らせるように、とにかく最良の教育を受けさせたい」と。
もちろん、子どもの才能を見つけて引き出してあげるのは親の役目かもしれません。
ですが中には自分ができなかったことを達成させたがる「リベンジ型」の保護者もいるそうです。

社会的地位が確立される=幸せだという偏見

中には社会的地位が確立されている方も多く、それが一番の幸せと考えがちなのだとか。もちろんこれは偏見です。
しかし裕福な層も多いためか、投資感覚で子どもにどんどんお金をつぎ込んでしまうそうです。
「アクシス」の成田さんは、これが厄介であり失敗であると感じるそうです。

子どもの心身に不調が出ているケースがかなり多い

「アクシス」に相談に来る親子のほとんどの子どもには心身に不調が出ているそうです。
例えば塾の試験の前にプレッシャーからおなかが痛くなり、トイレから出てこられなくなったり。
過干渉で育てられた子どもは不安感が非常に強く、受験や発表会が近づくと不安だらけになり、頭痛や吐き気などの身体的な不調が現れることが多いそうです。
また、対人コミュニケーションに不安を感じて、周りと話さなくなったり家から出られなくなったりする子もいるそうです。
もっと重症になると、「自分はダメだ」と否定してしまい、自傷行為に走る子どももいるそうです。

悩みを抱えた親子に「アクシス」がアドバイスすることとは

生活習慣を整える

きちんと寝る、朝起きる、食事をとる。この習慣が整っていなければ、脳や良い状態に保てず、受験どころではありません。
成人以降、自分を律しながら自立して生活するには、まずは生活リズムを整えて生きるために必要な脳の土台を育てていかなければ本末転倒です。

睡眠時間は絶対に確保する

未就学の間は特に睡眠時間や食事などの生活習慣を整えることが大切です。
例えば3歳児では昼寝1時間、夜は11時間が理想。5歳児なら夜11時間、小学生は夜10時間。
しかし現代では難しい面もあると思うので、5歳児なら夜10時間、小学生なら夜9時間は確保することが必要です。

必要なのは脳の土台作り

生命の維持に必要な脳が土台となって「おりこうさん脳」、すなわち自分で考えたり行動できたりする脳が育っていきます。
小学生になってからも十分な睡眠をとらないと、勉強しても脳の中で情報が整理されず、スポーツなどでも怪我が多くなってしまいます。
いくら保護者が習い事やスポーツにお金を費やしても、基本となる生活習慣が整っていなければ何も実を結ばない、ということを肝に銘じておく必要があるでしょう。


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